2024年1月1日(月)今年は何をするか
 図書返還の期限もあるのでジョフロア論は3月末までにまとめなければならないが、多分、それは可能だろう。その後のテーマを決めかねている。ジョフロアに引き続いてフランス生物学史をまとめておくか、ドイツ自然哲学についての知識が欠けているので本格的に勉強するか、ダーウィン論で気になっているD135に取り組むか。ジョフロア論を紀要に投稿してから考えよう。

2023年12月31日(日)今年は何をしたか
 『種の起源』の「歴史的概要」の一部としてジョフロア研究に着手したが、ジョフロアの業績と思想について本格的に取り組むことになった。概説書の通読だけでは得られないものがある。アカデミー論争についても自信をもって語れるようになった。
 体力低下のため、一昨年から外出を控えるようになっている。それをさして残念とも思わなくなっている。美術展や音楽会への意欲自体が減少している。これも老化現象か。

2023年12月31日(日)ジョフロア研究
 雨ではあるが比較的に暖かい大晦日であった。ここ数日、322日の両人の講演を読み返しているが、まとめるまでに至っていない。集中力が続かないこともあるが、正月を迎えるための家事手伝いが予想以上になっている。
 今年の紅白も演歌枠が極端に少ないので見る気はない。N響の第九を聴いてから寝ることにしよう。

2023年12月29日(金)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。明日から事業所が休むので代替えである。体調は良好、通常のメニューをこなしたが、帰宅後の疲労感も大きかった。

2023年12月25日(月)ジョフロア研究
 31日のジョフロア講演についての入力を終えた。講演では、ジョフロア本人の研究経過、アリストテレス論、それと舌骨論とが入り混じって語られている。耳で聴く講演では、同じテーマが繰り返される方が記憶に残るのかもしれない。我が原稿では、これを整理して順序良く紹介することになる。このペースでいけば『動物哲学原理』のついての執筆が予定より早く終わる可能性もある。頑張ろう。

2023年12月24日(日)賀状投函
 シニアカーでポストまで行き、年賀状20通を投函。これで年賀状問題から解放されることになろう。ついでにスーパーで買い物。帰宅後に庭の落葉掃除。疲れ果ててしまった。

2023年12月23日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。電熱チョッキの電源を入れたままの寒い日ではあったが、体調はまずまず良好。運動量も少しだけ増やしてみた。

2023年12月22日(金)ジョフロア研究、宛名書き
 ジョフロアに取り組むのは8日ぶりである。31日の講演を読み返している。アナローグ理論の着想についてはもっぱら博物館の標本という「事実自体の観察」を強調し、諸思想からの影響を否定しているのが面白い。この講演ではメーラン論文に一言も触れていない。当然、批判されることになろう。
 文献への集中力が続かないので、午後は賀状の宛名書き。年賀状仕舞の挨拶なので、今回は元日に届くように投函したい。

2023年12月19日(火)賀状印刷
 本日のテーマは年賀状の印刷。今回をもって賀状仕舞とするので、まずは挨拶文を作成。印刷したのは30枚。これで十分間に合うだろう。例年と違って今回は年末までに投函するつもりだが、本日は宛名書きをする気にならない。
 夜はBS12で長谷川一夫主演「忠臣蔵」(大映、19584)。講談ネタが基本になっているが、渡辺邦男監督なのでテンポは速い。当時の大映のスターが勢ぞろいしているのが楽しい。女間者役の京マチ子が準主役の活躍である。

2023年12月18日(月)内科医
 午前中に隣町の福岡医院へ。降圧剤のほかに胃腸薬を処方してもらった。寒さのためか、下痢に近い状態が続いている。これも体力低下のためか。

2023年12月17日(日)来年の美術展
 アマゾンで取り寄せた『日経大人のOFF』で、来年、どの美術展に行くか、考えてみた。春は奈良博「空海」と京博「雪舟」、夏は中之島「醍醐寺」とハルカス「広重」、秋はハルカス「印象派」。予定するだけでも楽しいが、外出が億劫なので実際には行かない可能性も高い。とくに京博「雪舟」は混雑が予想されるので、諦めるしかないかもしれない。

2023年12月16(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。昨日と同様に暖かだったので、電熱チョッキの電源を入れることもなく、無事、終了。

2023年12月15日(金)散髪
 朝の雨が止んでから家を出たので、理髪店には正午近くになった。北野田駅前で買い物をしてから帰宅。10月並みの暖かさで、用心して着用していた電熱チョッキの電源を入れることもなかった。帰宅後もまずまずの体調で、2日分のジャーナルを書くことができた。

2023年12月14日(木)ジョフロア研究
 キュヴィエが1830222日に科学アカデミーの集会で、脊椎動物とタコの臓器を比較する彩色図を提示した。ジョフロア『動物哲学原理』にはキュヴィエの講演は収録されているが、図はない。雑誌『自然科学年報』第19(1830)にもキュヴィエ講演(pp.241-259)が収録され、雑誌巻末に図版がまとめて収められている。この雑誌はgallicaにあるが、p.241が欠落しており、キュヴィエの図もない。生物学史家には知られた図なので、研究者によって切り取られた可能性がある。p.242はアップされているのに、 p.241が欠落している理由は分からない。BHLに完全な形で収録されているのでほっとした。今回に限らずgallicaではときおり不完全な資料にであう。国家の威信をかけたプロジェクトのはずなのに、なぜだろう。

2023年12月13日(水)ジョフロア研究
 1830年アカデミー論争についての執筆に取りかかっているが、体調不良が続き、遅々として進まない。ようやく、ジョフロアの最初の講演(215)についての執筆を終えた。この講演を見るだけでも、論争の本質が通説のような「機能論v形態論」ではなく、「個別v一般」すなわち「自然史v自然哲学」であることが明らかだと思う。このことを強調するだけでも本稿を書く意義があるだろう。アペル(1987)とギアダ(1998)の引き写しに終わらない見通しができたので、自信をもって執筆を続けることができる。
 本日は隣町のスーパーまで出かけたし、久しぶりに満足できる一日となった。

2023年12月9日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。10月並みの暖かい日だったが、体調は万全ではない。運動量を抑えたが、帰宅、昼食後は体が動かない。

2023年12月6日(水)ジョフロア研究
 暖かい日で、体調もまずまずである。ジョフロアの進化論についての記述を終えることができた。11月末までのつもりでいたが、下痢にも見舞われたし、おおむね予定通りといえよう。1825年の最初の進化論文から1833年の論文「古生物誌」までを概観した。エジンバラ学派への影響などにも言及したいが、時間的にもスペースの上でもその余裕はない。次はいよいよ『動物哲学原理』に基づいてアカデミー論争を分析すること。下調べは済んでいるので1月末までを予定しているが、どうなるか。なにより体調を崩さないことだ。

2023年12月3日(日)ジョフロア研究
 下痢は治まったので、終日、パソコンに向かうことができた。19世紀のフランス語文献の確認はネットに頼っているが、gallica などで簡単に見つかることもあれば、雑誌の特定の号が抜けていて、いたずらに時間を奪われる場合もある。とはいえ、家に居ながらにして古い文献を利用できるのはありがたい。

2023年12月2日(土)内科医
 一昨日には治ったと思っていた下痢が、昨日、再発。今朝になっても治まらない。これは医者に行くしかない。デイサービスを休んで隣町の福岡医院へ。昨日から食事をしていないので点滴で栄養補給し、下痢止め薬をもらって帰宅。またしても、ぼんやりと過ごす一日となってしまった。

2023年11月30日(木)ジョフロア研究
 全面的な回復とはいえないが、文献に取り組む気力はもどってきた。キュヴィエとのアカデミー論争後のジョフロアの進化論として、アペル(1987)1831年の講演を挙げるだけだが、近年の文献では『百科評論』第59(1833)に掲載された2点の論考が注目されている。奇形論に基づくジョフロアの説は、地球環境の変化によって奇形が生じ、その中で環境に適応したものが生き残るというものだが、その筋道は神によって設定されており、生物界も人間界も進歩の過程にあると考えていたようだ。

2023年11月29日(水)体調不良
 昨夜遅くに下痢。朝になっても食欲ゼロ。どうやら風邪をひいたためらしい。食事はスープだけにしたが、その割には元気である。しかし文献に取り組む気力はないので、パズルとテレビの一日となってしまった。

2023年11月26日(日)ジョフロア研究
 『自然史博物館紀要』第17(1828)に掲載された進化論文についての記述を終えた。やっかいなのは、紀要の実際の刊行年が1829年であったこと。そのため王立協会『科学論文目録』や息子イシドールによる伝記では1829年の論文とされている。我が原稿ではいかに表記するか、決めかねている。

2023年11月25日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。ヒートテックの下着と電熱チョッキで参加。このところ、運動量を加減している。疲労が少なくなっても体力維持に役立たなければ意味がない。適当な運動量を探っていきたい。

2023年11月22日(水)内科医
 午前中に隣町の福岡内科へ。降圧剤をもらい、ついでにスーパーで買い物。シニアカーでの移動だが、気温も高く風もない。本日は旧暦1010日、まさに小春日和という表現がぴったりで、快適な一日であった。帰宅後、ジョフロアの最初の進化論文(1825)についての記述を終えることができた。

2023年11月18日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。終日、霰まじりの冷たい雨。12月下旬並みの気温だという。デイサービスの参加者の中でも一番の寒がりである我が身にはつらい一日となった。ヒートテックの靴下と下着に電熱チョッキ、厚手の上着。体調も良くないので運動量も減らした。なんとか風邪を引かずに過ごせたようだ。

2023年11月16日(木)研究不正
 昨日の疲れで終日、体が動かない。これだから外出を避けるようになってしまう。
 朝日新聞朝刊の教育欄で研究不正が取りあげられていた。東大の「化学」の入試問題(2015,2016)に因んだものであった。しかし、いくら研究不正の非を説いても、その元凶である野口英世を偉人扱いしている限り、日本で研究不正を根絶することはできない。信頼度の高い日本史年表では今でも1911年の欄に、野口による「梅毒スピロヘータの純粋培養」が掲げられている。上述の記事には、「後の人が追実験して再現できないのでは意味がありません」とあるが、野口の純粋培養こそ、その典型ではないか。

2023年11月15日(水)長沢芦雪展
 散髪に外出したついでに、大阪中之島美術館へ。期待していた和歌山・無量寺の「龍虎図襖」は展示替えで見ることができなかったが、島根・西光寺の「龍図襖」を見ることができた。図録では不十分な襖絵の迫力を楽しんできた。
 この美術館にも常設展の無いのが残念である。心斎橋近くのビルで館蔵品の展示会がしばしば開催されていたのが懐かしい。

2023年11月11日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。体調に不安があったので運動量を減らした。ここ数日の急激な気温の変化に体か追い付いていないのだろう。

2023年11月10日(金)近大眼科
 朝早くに近大病院へ。福祉タクシーを利用したが、かなりの雨で道路は渋滞。予約時間にわずかに遅れてしまった。相変わらず眼圧の状況は芳しくない。しかし、日常生活に支障はないし、手術に踏み切る気が起きない。目薬の一部を変えて様子を見ることになり、初めて院外処方箋が発行された。そのため河内長野駅前の薬局に寄ってから、昼過ぎに帰宅。本日はこれで終わった。

2023年11月8日(水)ジョフロア研究
 ジョフロア『解剖哲学、ヒトの奇形』(1822)についての執筆をほぼ終えた。奇形研究を生物学の一分野として開拓した著書だが、同書に「奇形学」(teratologie)という言葉はない。日本の辞典類では、「奇形学」(teratologie)1822年にエチエンヌ・ジョフロア=サンチレールによって造語されたとなっているが、明らかに間違っている。「怪奇譚」の意味で用いられていた“teratologie”が「奇形学」の意味で流布するようになったのは、エチエンヌの子イシドール・ジョフロア=サンチレールの『奇形学』(teratologie, 3vols. 1832-37)によるものであった。
 アペル(1987p.126)には、同書がこの分野の体系化に大きく貢献し、フランスで父親の出版物が得られなかった高い評価を得た、とある。ところが邦訳書では、「この分野は通称奇形学と呼ばれ、『奇形論』3(1832-36)がその分野を体系化するために大きく貢献し、父の出版物としては、フランスで異例なほど高い評価を受けたとイシドール・ジョフロアがいう」(p.298)となっている。『奇形学』を父ジョフロアの著書と誤認したためとはいえ、とんでもない誤訳である。

2023年11月4日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。帰宅後、しばらくは動けるのだが、昼食後は「とにかく動きたくない病」。ところが夕刻には回復し、夕食後、二日分のジャーナルを書くことができた。

2023年11月3日(金)ジョフロア研究
 ジョフロアの論文「椎骨概説」(1822)についての執筆をようやく終えることができた。この論文についてアペル(1987)は、脊椎動物と体節動物の背腹反転について言及するが、両者の臓器の配置が一致しているという「驚嘆すべき」(p.113)事実の指摘は無視している。グールド「ホメオボックスとジョフロア」は『ナチュラル・ヒストリー』198511月号に掲載されていた。アペルの執筆姿勢から判断すれば、グールドの指摘を知っていたなら言及したはずでる。Guyader(1998)は最終ページでこの問題に言及し、遺伝子研究によるジョフロア再評価を批判している。アペル(1987)の邦訳書(1990)の「訳者あとがき」には、この件についての言及がない。遺伝子研究による形態学の革新に、訳者は無関心だったのだろうか。

2023年11月1日(水)マイナカード更新
 午前中に河内長野市役所へ。201975日に交付申請に来た時のことを、まだ昨日のことのようにおぼえている。今回も写真撮影に備えて無精ひげを剃っていったが、カードはもとのままで、有効期限が延長されただけであった。ただし次の5年後の更新時には新しいカードが作られるという。その時まで我が身が無事かどうか。

2023年10月30日(月)ジョフロア研究
 この1週間は断続的に、ジョフロアが1822年に自然史博物館の紀要で発表した論文「椎骨概説」に取り組んできた。奇形学に集中するようになったので、これまでの椎骨研究の成果をまとめておくというものである。本文26ページのうち、前半の10ページではツノカレイの幼魚を主たる材料にして椎骨の形態を論じ、後半16ページで1820年の「昆虫・脊椎動物説」を再論している。形態学の専門的な議論が続くので完全理解は難しい。
 後半の最後に、甲殻類の臓器の配列と脊椎動物のそれとが同じであるという指摘があり、グールド(1985)以来、これがホメオボックス遺伝子を予見したものとして、形態学者たちから繰り返し引用されている。今や、ジョフロアの論文の中で最も知られているものかもしれない。しかしジョフロアのこの説は、昆虫の外骨格と脊椎動物の脊柱とが相同であるというトンデモ学説を補強するものであり、これだけを取り出して先見性を云々するのは無理ではなかろうか。

2023年10月28日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。帰宅後は疲れ切ってなにもできない。

2023年10月26日(木)内科医
 午前中に隣町の福岡内科へ。降圧剤をもらい、先日の血液検査の結果を聞く。改善すべき点はあるものの、全体としては問題なし。これだけでエネルギーを使い果たしたか、帰宅後はぼんやり、漢字パズルなどで過ごす。

2023年10月22日(日)なぜジャーナルを書くのか
 昨日の朝日新聞の別刷ページに「日記」をテーマにした記事があったので、改めて自分はなぜ「ジャーナル」を書くのか考えてみた。現在の我が「ジャーナル」の内容は、「日々の私事の記録」と「科学史関係」が中心になっている。ほとんど変化のない生活なので、読み手を意識したジャーナルでは「日々の私事の記録」といっても通院などで外出した時しか書かず、別途、自家用の一行日記に記録している。それでも時々は「私事の記録」を公開するのは、知人たちに「生きているよ」と告げる存在証明であろうか。
 
「科学史関係」では日々の研究内容を記録している。読み手としては科学史家しか想定していないが、それ以上に、後日、自分が利用するためのメモ書きの性質が強い。
 全体に、他者に読まれることをあまり期待していない。発達障害の特徴の一つ、「自分の関心のあることばかりしゃべり続ける」という悪癖があると思うので、このジャーナルで吐き出すことは他人の迷惑にならないし、我が精神の安定にもつながるであろう。とはいっても、我がホームページは桃山学院大学のシステムを利用しているので、大学に迷惑の及ぶようなことは書いてはならない。「社会的出来事への感想」も世にあふれているので、自分が書くまでもない。
 研究会に出ることもなく自宅に閉じこもっていると、夜郎自大に陥る恐れもあるが、この歳になったら、それも良いかもしれない。

2023年10月21日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。午後、ケアマネが来宅、今後4年間の支援計画が示された。要は、腰痛に配慮しながら体力低下予防に努めるということである。ケアマネは甲子園でファイナルステージを見てきたという熱烈な阪神ファンなので、しばしタイガース談議を楽しんだ。

2023年10月20日(金)健康診断
 朝は食事抜きで隣町の福岡内科へ。年に一度の健康診断。本日、わかる限りでは問題なし。インフルエンザの予防接種も済ませてから、近くのスーパーへ。9時の開店直後でまだ食料品がそろっていないが、必要なものを購入して帰宅。本日はこれだけでエネルギーを使い果たしたようだ。

2023年10月18日(水)ジョフロア研究
 ようやくジョフロア(1820)の第一論文について原稿を書き終え、第二論文についても簡単に書いておいた。昆虫は脊椎動物であるという突飛な説なので慎重になったが、それにしても時間を取られすぎた。

2023年10月14日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。いつものメニューをこなす。2週間振りの参加だが、常連の欠席の多かったのが残念だった。

2023年10月13日(金)歯科検診
 午前の早い時間に隣町の迫川歯科へ。大きな問題はないが、いつものようにブラッシングの欠点を指摘される。とにかく84歳で28本すべてがそろっているのは自慢してよいだろう。スーパーに寄って帰宅したら、一日のエネルギーを使い果たした感じになってダウン。なにもできない。

2023年10月11日(水)整形外科
 朝はまず、三日市町駅筋の田中整形へ。本日は気候も良いので、隣の薬局で骨粗鬆症の薬を受け取った後、三日市町駅前まで歩いてもどり、バスで帰宅。合計で30分は歩いただろうから、適度な運動になったろう。
 駅前の小さな書店が廃業していた。古くからの店だが、これまでよく頑張ってくれていたと思う。
 帰宅後は、ジョフロア(1820)の第一論文に取り組む。8()以来、断続的に読んでいるが、論旨がたどりにくいし集中力も続かない。引用論文を確認するのにも時間がかかる。原稿執筆までにはまだ時間がかかりそうだ。

2023年10月7日(土)ジョフロア研究
 本日はダンジリ曳行で送迎が困難なため、デイサービスは休業。終日、ジョフロアに取り組んだ。1820年の3論文でジョフロアは、昆虫の外骨格が脊椎動物の脊柱と相同であると唱えた。「プランの一致」論を推し進めた結果だが、キュヴィエだけでなく、学界から総スカンを食らったのも当然であろう。この3論文は科学アカデミーでの講演を基にしているが、『医科学辞典補足雑誌』のほかにも複数の雑誌に転載されており、資料によって掲載誌が異なっている。また、第一論文が掲載された『医科学辞典補足雑誌』5巻のタイトルページには[1819]と記載されているが、ジョフロアの講演は18201月なので、実際の刊行年は1820年のはずである。書誌的にも厄介な論文である。
 『医科学辞典補足雑誌』はgallica にあるので、当該論文をプリントアウトした。これがなぜかスムーズにいかない。最終的には成功したが、無駄な時間を費やしてしまった。

2023年10月6日(金)散髪、「『種の起源』のフランス語訳」掲載誌
 朝、散髪のため外出。ついでに遠出するつもりでいたが、起床時から体調が芳しくない。駅前スーパーで買い物しただけで帰宅。それでも午後は疲れ切っていた。
 留守中に桃大から紀要『人間文化研究』第19号と拙著「『種の起源』のフランス語訳」の抜刷が届いていた。昨年9月にはほぼ完成していた原稿で、投稿したのが今年の3月。とっくに終わっている研究といった気分である。オープンアクセスなので抜刷送付も二カ所だけの予定である。

2023年10月1日(日)介護認定
 昨日の疲れが抜けないようだ。今後の状況しだいでは運動メニューを変えるべきかもしれない。そんな中でも、なんとかジョフロア研究を再開。悪名高き1820年の昆虫論に着手することができた。
 日曜日なのに書留郵便の配達があり、新たな介護保険証が届いた。これまでの保険証の期日は9月末だが、河内長野市でも介護認定の審査が込み合っており、空白期間が生ずる可能性もあると聞いていた。かろうじて間に合ったので、安心してサービスが利用できる。

2023年9月30日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。いつものメニューをこなす。帰宅後は疲れ切ってなにもできない。

2023年9月29日(金)内科医、名月
 5時前に隣町の福岡内科へ。起床時の血圧が高めになってきたので、降圧剤の量を増やすことになった。シニアカーでの帰宅時、4日前に見た彼岸花は刈り取られてなくなっていた。今年は一日だけ、数本の彼岸花で終わった。元気なころは飛鳥の群生地に出かけたこともあったが、今では考えられないことだ。
 7時ごろ、東側の山並みから大きな月が昇ってきた。9時には空高く輝いている。

2023年9月27日(水)家事とパズル
 起床時の疲労感はない。それでも、何もする気にならない。家事とパズルで一日が終わった。ま、いいか。

2023年9月26日(火)疲労感
 起床時から異常な疲労感。昨日のワクチンの副作用か。夕刻には換気扇と電子レンジの不具合についてサービス担当者が来宅。まともに頭が回らないほど疲れ切ってしまった。

2023年9月25日(月)コロナワクチン
 午前中に隣町の福岡内科で7回目のコロナワクチン接種。この間、コロナに感染してもおかしくない状況もあったが、何事も起きなかったのはワクチンのおかげだろう。
 シニアカーでの帰宅時、道路際のあぜ道で彼岸花を見ることができた。以前に比べ、この周辺では彼岸花が激減している。

2023年9月23日(土)デイサービス
 
デイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。いつもは午前中だが、本日は都合で午後になった。午前中に雑用で体を動かしたためか、いつもより疲れが大きい。帰宅後は完全にダウン。

2023年9月22日(金)ジョフロア研究
 『解剖哲学』(1818)についての入力を一応、終了。「序論」の紹介を中心に執筆した。ジョフロアは「哲学的原理」にこだわっており、これこそ1830年アカデミー論争の根本原因とみなすべきだろう。アペル(1987)の引き写しに終わらない論文を5月までには書き終えたいものだ。

2023年9月19日(火)ジョフロア研究
 本郷の古書店から岩波文庫のニュートン『光学』が届いた。価格が300円、送料が300円。「疑問31」の一部分を見るためである。毎日のように大学に通っていた現役時代なら図書館を利用したが、今は費用と労力を勘案して資料を購入することも多くなった。
 ジョフロアは『解剖哲学』「序論」の脚注(p.xvi)で、「疑問31」の一部分を長々と引用している。ニュートンが惑星の運動の規則性を説いた後、「動物の体の斉一性」(the Uniformity of the Bodies of Animals)も同様であると主張している一節である。ニュートンは『光学』を英語で執筆し、ラテン語訳も刊行したが、ジョフロアはラテン語訳を引用している。ラテン語には習熟していたジョフロアも英語は苦手だったのだろう。我が論文では、英語版からの島尾訳を記載しておこうと思う。
 ジョフロアがニュートンを引用したのは、法則の科学である「自然哲学」のモデルとなったニュートンを引用することにより、ジョフロアの形態学が記述の学である「自然史」を超えた「哲学」であることを強調するためであろう。『解剖哲学』を『解剖理論』などと訳してしまっては、表題に込めたジョフロアの思いが失われてしまう。

2023年9月18日(月)寮歌
 夜のBSの番組で一高寮歌「ああ玉杯に」を合唱していたので思わず一緒に歌ったら、十代末の気分がよみがえってきた。他の懐メロにはない効果である。当時、同級生たちと高歌放吟などした記憶はないのに、奇妙なことではある。おそらく、早大出身者が「都の西北」を歌ったり、明大出身者が「白雲なびく」を歌ったりすると、もっと大きな効果があるのだろう。時にはネットで合唱を探し、一人わめいてみるのもよいかもしれない。落ち込みがちな気分を奮い立たせることにもなるだろう。

2023年9月16日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。いつものメニューをこなす。帰宅後はテレビ中継の阪神・広島戦をぼんやり見ていた。先週土曜の段階では、本日の試合で阪神優勝が決まるだろうと見ていたのに、2日前の14()の巨人戦で決まってしまった。投打ともに「強い」というイメージがないのに勝ち続けたのが面白い。本日の阪神にエラーが多かったのは気の緩みか。その割には打撃が活発なのは、気楽に打てたためか。

2023年9月15日(金)猿翁死去
 市川猿翁が13日に死去したとの報道があった。当方と同じ1939(S14)年の生まれだが、彼は12月、当方は1月なので学年は1年違いになる。同年代の人物の訃報は気になる。自分の余命を考えてしまう。
 1959年の東京都港区の成人式の講演で、同年に成人となる有名人の例に市川団子の名が挙げられた。当時すでに若手の役者として注目されていた。団子時代か猿之助襲名から間もない時期の舞台で印象に残っているのは、歌舞伎座で見た「二十四孝」の「十種香の場」の白須賀六郎。八重垣姫や謙信が誰だったか憶えていないが、猿之助の白須賀六郎の姿だけが目に焼き付いている。ほんの短い時間だが、猿之助の登場で舞台が一変したように思う。歌舞伎役者としての天性の能力が発揮されていた。
 我が母親は猿之助の熱烈なファンとなり、後援会にも入会していたが、当方はスーパー歌舞伎にさして興味を持てなかった。それでも、たまに見る猿之助一座の舞台の演技は確かなものだった。もともとの構想のまま、市川右近(現・市川右團次)が「猿之助」を襲名していたら、歌舞伎の世界もかなり様変わりしたのではなかろうか。

2023年9月13日(水)ジョフロア研究
 ジョフロア論文の執筆を再開。関連の文献をネット上で確認することに集中していたが、ようやくジョフロアが『解剖哲学』(1818)に着手する時点まで書くことができた。時間がかかっているが、可処分時間も少ないし、のんびり構えよう。19世紀の文献をネット上で読むだけでも楽しいと思いたい。

2023年9月11日(月)外出
 朝、河内長野駅前の銀行へ。三日市駅前にもどり、スーパーで買い物。タクシーで帰宅。これだけのことなのに、帰宅後は疲れてなにもできない。我ながら情けない。年々、疲れやすくなり、いわば可処分時間が減少している。科学史研究も思うように進まないが、あせることもないだろう。
 デイサービスで一緒になる大正生まれの男性は、畑仕事を趣味にしている。自分には到底、無理である。基礎体力の違いだろう。

2023年9月9日(土)デイサービス
  午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。いつものメニューをこなす。帰宅後はぼんやりテレビ中継の阪神・広島戦を見ていた。マジックが7となり、阪神の優勝が確定的になったようだ。

2023年9月5日(火)倉谷滋『形態学』丸善出版サイエンス・パレット、2015
 この1週間、発生学者による標記の著書を断続的に読んできた。200ページほどの新書版なので2日もあれば読み切れると思っていたが、無理だった。なんとか通読したものの、十分に理解したとは言い難い。それでも、遺伝子を基礎にした現在の形態学では、「構成の一致」をどのようにとらえているか、おおよそは把握できたと思う。
 このシリーズは「高校程度の基礎的な知識で読むことができる」と謳っているが、本書には当てはまらないのではないか。

2023年9月2日(土)デイサービス
 
午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。3ヶ月ごとの体力測定の後、いつものメニューをこなす。帰宅後は疲れてなにもできない。

2023年9月1日(金)近大眼科
 午前中に近大病院へ。滞在時間は4時間。理髪店によってから帰宅。最近では珍しく、病院でも三日市町駅でも待たずにタクシーに乗ることができた。
 眼圧の状況は芳しくないが、危険というほどでもない。日常生活に支障はないので、当面は様子を見ることにしたい。

2023年8月26日(土)デイサービス
 
午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。ほぼ、いつものメニューをこなす。運動の間の休憩時には、前日分のジャーナルの内容を考えていた。帰宅後の疲労もほどほどで、2日分のジャーナルを書くことができた。

2023年8月25日(金)ジョフロア研究
 ここ数日は『解剖哲学』(1818)に取り組んでいる。科学史研究をこころざした当初、先輩の一人が、「資料がそろったなら、論文の7割は出来たようなものだ」と語っていた。当時も海外から資料を取り寄せることはできたが、かなりの手間と費用が必要だった。今では自宅にいながら世界中の古い文献を無料で見ることができる。歴史家にとっては、ありがたい時代になったものだ。フランス語の文献はgallicaが中心になるが、『解剖哲学』のような古典になるとさまざまなサイトに掲載されている。しかし後年の復刻版を元にしていて、巻末の図版がカットされている事例もあるので、用心しなければならない。
 『解剖哲学』についてGuyader(1998)は、「序論」(Discours Preliminaire)を読むだけで十分であると述べている(英訳、p.20)。そうはいっても論文を書くとなれば、全体の構成や1807年の一連の論文との関係などを知っておく必要がある。当面はフランス語と付き合わねばなるまい。

2023年8月19日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。体調不良で先週と先々週の2回を休んだので、3週間ぶりである。参加者もスタッフも同じ顔ぶれ。いつもの生活がもどってきた。
運動の間の休憩時、「ジョフロアの生涯と業績」の章構成と序論の内容を考えていた。これがまとまると、半ば論文が出来上がったような気分になった。意識が次のテーマに向かい出したが、待て待て。まずは今のテーマを片付けよう。

2023年8月15日(火)ジョフロア研究
 朝から台風7号の雨と風。終日、家に閉じこもっていたが、今やこれが普通の生活。当地での台風の影響は大したことなかったが、なんとなく落ち着かない一日であった。
 1週間前の8日から、仮題「ジョフロアの生涯と業績」の序章となるジョフロア小伝の執筆にとりかかっているが、けっこう、てこずっている。一つには精神集中力が続かない。アペル(1987)ほど詳しく書く必要はないが、博物館教授就任、キュヴィエとの出会い、エジプト滞在など、ある程度は書かねばならない。もう少し頑張ろう。

2023年8月8日(火)ジョフロア研究
 連日の暑さの中、なんとなく、ぼんやり過ごしてきたが、気を取り直してジョフロア研究を再開。オリジナルかどうかを気にせず、とにかく仮題「ジョフロアの生涯と業績:アナローグ理論の歴史的意義」のもと、原稿を仕上げることにした。

2023年8月4日(金)近大眼科
 昼過ぎに福祉タクシーで近大病院へ。診察までに3時間待ち。お医者さんも大変だが、待っている患者も疲れてしまう。しかも前回の手術の結果が芳しくない。家でやけ酒でも飲もうかと思ったが、院内のコンビニには酒類が無い。あきらめて体力温存。福祉タクシーで帰宅途中の6時ごろ、激しい夕立に見舞われた。我が気分も落ち込んでいる。

2023年8月2日(水)散髪
 朝、理髪店へ。わざわざ遠くの理髪店に行くのは外出のきっかけにするためだが、この暑さには勝てない。帰りは三日市町駅から福祉タクシーを利用した。それでも帰宅後は疲れてなにもできない。

2023年7月31日(月)ジョフロア研究
 哲学としての生物学とダーウィンについて取り組んできたが、課題が広がり、なかなかまとまらない。ここで一旦、もとにもどり、ジョフロアの生涯と業績についてまとめることにした。しばらくはその作業に専心しよう。オリジナルな研究にはならないが、簡潔に整理しておくことは無駄ではないだろう。邦語の辞典類を見ると、ジョフロアがきちんと理解されていないことがわかる。「ジョフロア」がパーソナルネームで「サンチレール」が姓だと思い込んでいる生物学史家もいるほどである。

2023年7月30日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。腰痛がぶり返してきたが、いつものメニューをこなすことはできた。

2023年7月24日(月)国立文楽劇場「妹背山」四段目
 130分開演の第二部。コロナ下での座席制限がなくなり、久しぶりに床直下の席で楽しんできた。文楽でも歌舞伎でも繰り返し見ている演目だが、最初の「井戸替えの段」は初めて見る気がする。井戸替えの場面はかつて歌舞伎「権三と助十」で見たことがあるが、作者の岡本綺堂は「妹背山」のこの場面を参考にしたのだろう。前半の楽しみはやはり「道行」。清治に率いられた6丁の三味線が耳元で鳴る。これだけでも日本橋まで出てきた甲斐がある。太夫はお三輪が呂勢太夫、橘姫が織太夫、求馬が靖太夫だが、織太夫がいつもと違う。体調が悪いのに無理をしているのではなかろうか。
 後半の最後「入鹿誅伐の段」の上演は文楽劇場では初めてだという。文楽合同前、多分、新橋演舞場で見たというかすかな記憶があるのだが、その記憶と今回の舞台がかなり違う。記憶では三味線の激しい曲に乗って入鹿の首が空中を飛び回っていたが、今回は首が飛んですぐに取り押さえられていた。記憶違いか、演出の違いか。人形芝居の特質を活かす道を選んでもよいのではないか。
 終演後、多くの観客が第三部の「夏祭浪花鑑」を観るために残っていた。残念ながら今の我が身にはそれだけの体力がない。それにしても織太夫は「長町裏の段」をしっかり語ることができているのだろうか。気になる。

2023年7月23日(日)アペル(1987)最終章
 最終節「英仏の進化論」の3番目の文にある「変化を伴った由来の仮設」(the assumption of descent with modification. p.230)を邦訳『アカデミー論争』では「代々変更を伴うという仮説」(p.391)と意味不明な言葉に訳している。原著者の立場でいえば、本書の読者なら“descent with modification”が『種の起源』の用語であることを知っているはずなので、説明するまでもないということだろう。
 次の段落には転成ノートからB112が引用されている(p.230)。“Cuvier has said each animal made for itself does not agree with old & modern types being constant.” 邦訳では「キュヴィエは、それ自体のために作られた動物はそれぞれ新旧両方のタイプが一定の状態であるとは賛同できないと述べた」(p.392)と意味不明な言葉に訳している。
 ダーウィンの自筆稿本の解釈はやっかいである。まず、悪筆ダーウィンの手書き文字を正確に読み取るのが難しいし、そもそも自筆メモなので必ずしもまともな英文にはなっていない。マルサス論のD135も、専門家によって微妙に読み方が異なっている。また、ノートブックへの記載は単なる引用なのか、ダーウィン自身の意見なのかを見極めねばならない。上記のB112の文は、『動物哲学原理』に掲載された1830222日のキュヴィエの講演に付したジョフロアの長い脚注(p.59)についてのものである。“each animal made for itself”は、キュヴィエの1825年の論文からこの脚注でジョフロアが引用した文の英訳である。“old & modern types ”という言葉はこの脚注のページにダーウィンが書き込んだものである。したがって上記の文は、「キュヴィエは、すべての動物がそれぞれ、それ自体のために作られているというが、それは新旧のタイプが一定であることに矛盾する」という趣旨であると解釈できる。
 この最終章で著者が強調するのは、フランスのミルヌ=エドワール、およびイギリスのオーエンがキュヴィエとジョフロアとの対立を統合し、その後の動物学の基礎を築いたということである。この見解はオスポヴァットの名著(1981)に由来するが、現在の生物学史でもミルヌ=エドワールへの評価は低く、せいぜい、「生理学的分業」の提唱者として登場する程度である。次の我が論考では、ミルヌ=エドワールについても十分に論じておきたい。

2023年7月22日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。いつものメニューをこなす。帰宅後は疲れてなにもできない。

2023年7月21日(金)アペル(1987)最終章
 邦訳『アカデミー論争』で「目的論と形態学」の節の冒頭(p.378)の訳文に引っかかった。原文(p.222)の“In France”が、「イギリスでは」となっている。うっかりミスかとも思ったが、そうではない。これに続く訳文から判断すると、訳者は原文の間違いとみなしているのだ。しかし、原文は間違っていない。訳者の解釈が間違っているのだ。原著の内容を意図的に変更するという、翻訳としては最悪の事例である。
 「構造についての法則に代わって、地質学的な連続的した変化と地理的分布とが、神の御業を制限して、各々の被造物の直接の設計からますます遠ざけてしまうようであった」(p.381)もおかしい。原文は、“The substitution of laws of structure, geological succession, and geographic distribution all tended to place limits ”(p.224)。“substitution of A”は「(なにかに代わって)Aが設定される」ことを意味するので、訳文は誤訳である。「構造の法則、地質学的遷移の法則、および地理的分布の法則の設定は、神の御業を…」とでもすべきであろう。原注(74)にはこの箇所の引用元として、『ザ・モニスト』に掲載されたルースの論文(1977)が記載されているが、この論文のどこにも該当する内容はない。おそらく、ルースの他の著作からの引用であろう。
 ほかにもこの節にはおかしな訳文がいくつかある。通読しているときには読み過ごしてしまうが、内容を確認しながら読んでいくと間違いに気づく。重要な著作については翻訳書があっても、原著を参照しなければならないということだろう。

2023年7月19日(水)整形外科
 朝はまず、三日市町駅筋の田中整形へ。隣の薬局で骨粗鬆症の薬を受け取った後、タクシーを呼んでもらったが、30分、待たねばならなかった。高齢者にとってタクシーは欠かせない生活手段だが、他地域と同様、当地でもタクシーに乗りにくい状態が続いている。外出を控える理由の一つにもなっている。なんとかならないかなあ。


2023年7月17日(月)鬱から躁へ
 ここしばらく、なにもかも面倒くさくて気分も落ち込んでいた。ところが、昨日のジャーナルに書いたように、夜になって急に元気が出てきた。何がきっかけか分からないが、鬱状態から躁状態になったようだ。
 
文献に取り組む意欲ももどってきた。ダーウィンと「哲学」としての生物学についてまとめるため、まずはアペル(1987)の最終章を読み直している。原書ではChapter 8、邦訳書では第7章。原書と邦訳で章番号が異なるのは、まことに不都合である。
 ある事情で本日から数日間、自室のテレビを見ることができない。偶然ではあるが、文献に集中せよとの神様のお告げととっておこう。

2023年7月16日(日)夏、襲来
 外はカンカン照り。昼間は庭に出るのもつらい。梅雨明けはまだだというが、本格的な夏がやってきた感じである。これから秋の彼岸まで、体力を維持して無事に過ごさなければならない。なんとなく闘志もわいてきた。
 夜になってパソコンに向かう気力が出てきたので、先日の手術についての医療保険請求を試みた。ネット上で請求を完結させることも可能なようだが、そこまでの能力はない。書類郵送の依頼を送信できただけでもよしとしよう。
 『古今和歌集』は巻三「夏歌」まで読み進んだが、「夏歌」の数は「春歌」よりはるかに少ないし、題材もほとんどがホトトギスである。夏は日本人の美意識にそぐわない季節なのであろう。

2023年7月15日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。軽めのメニューをこなして帰宅。疲れてはいるが、いつもより体力は残っていた。

2023年7月13日(木)近大眼科
 昼過ぎに近大病院へ。本日は右目にレーザーを照射した。管を入れたりする本格的な手術とは違って効果は限定的とのことだが、少しでも眼圧の下がることを期待したい。
 この暑さの中、バスを乗り継いで行くのはしんどいので往復とも福祉タクシーを利用した。おかげで体力を消耗することなく帰宅することができた。現役時代には考えられなかった贅沢だが、この歳になると無理しないことも大事だろう。

2023年7月10日(月)ダーウィン研究
 朝から薄日の差す天気だったが、2時半ごろ、突然、激しい雨、風、雷が襲ってきた。20分ほどで収まったが、干してあった洗濯物を取り込むのに大慌てであった。
 暑さのためもあって研究もはかどらないが、ダーウィンと「哲学」との関連についての文献を読むようにしている。キュヴィエとジョフロアとの対立は、ラッセルやグールドによって機能論と形態論との対立とみなされているが、そうではなく、記述の学(history)か法則の学(philosophy)かの対立とみなすべきだろう。19世紀に「哲学」としての生物研究が広まり、「生物学」が誕生することになる。その観点からダーウィンとジョフロアの関係も見ていこうと思う。9月末の紀要原稿締め切りに間に合わないかもしれないが、ダーウィン論の一つの締めくくりになるだろう。

2023年7月8日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。途中で寝込んでいた。帰宅後はなにもできない。

 2023年7月5日(水)散髪、難波
 散髪に出たついでに難波駅まで足を延ばした。駅前広場は様変わりしたと聞くし、なんばパークスサウスも開業したとのことだが、それを見に行く元気はない。高島屋地下のイートインで食事をし、旭屋書店でワード入門書と腰痛の解説書を購入しただけ。それでも帰宅後は疲れ切ってなにもできない。体力低下を思い知る一日となってしまった。

2023年7月4日(火)内科医
昼前にシニアカーで隣町の福岡内科へ。初めてマイナ保険証を利用してみた。政府の方針に納得しているわけではないが、これに抵抗する気力もない。

2023年7月3日(月)ダーウィンとジョフロア
 M.グリーン「ダーウィン、キュヴィエ、およびジョフロア」(2001)の再読を終了。ダーウィンは『動物哲学原理』を通読した段階(B110-114)ではキュヴィエを否定してジョフロアのアナローグ理論を高く評価していたが、D135のマルサス以降は適応に注目してキュヴィエの「生存の条件」を重視するようになった。しかし反進化論者キュヴィエの「生存の条件」と自然選択説に基づくダーウィンの「生存の条件」とは異質なものであったという。論文の後半では「目的因」「目的論」「適応」といった言葉をダーウィンがどのように用いているかを分析している。
 著者のいうように、ジョフロアの著書からダーウィンへの直接の影響は小さかった。ジョフロアとダーウィンについては、オーエンらによる間接的な影響に注目すべきなのである。

2023年7月2日(日)古今和歌集
 小町谷照彦訳注『古今和歌集』(ちくま学芸文庫)をアマゾンで取り寄せて読み始めた。百人一首だけで1冊の文庫本になるのに、千首を超える古今集の注釈が1冊に収まるのか不安だったが、本文のほかに現代文訳、注釈、解説、各種の索引が付いて472ページに収まっている。編集作業も楽ではなかったろう。これだけの労作が1,650円で購入できるのは感謝すべきことかもしれない。
 高校生の時以来だろう、万葉集は直情的で明快であり、新古今集は象徴的で繊細だが、古今集は理知的でつまらないと思い込まされてきた。最近になって、これが間違った評価ではないかと気づいた。古今集こそがその後の日本人の美意識の基本を形成したと思われる。ダーウィン研究と並行して古今集の全編を読むことにした。
 まずは巻一「春歌上」。雪と梅と鶯。唱歌「早春賦」はまさにこの世界。塚田茂「銀色の道」をこの世界の延長で理解するのは考えすぎか。先を読むのが楽しみである。

2023年7月1日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。いつものことで、帰宅後は疲労でなにもできない。

2023年6月30日(金)買い物
 シニアカーで隣町のスーパーへ。昼前から雨の予報だったので早い時間に出かけた。時折、ポツンポツンと雨粒が降りてきたが、終日、本格的な降雨にはならなかった。
 シニアカーで買い物に出かけただけなのに、帰宅後は疲れてなにもできない。情けないが、どうしようもない。

2023年6月27日(火)ダーウィンとジョフロア

 ジョフロア『動物哲学原理』の内容整理は後回しにして、M.グリーン「ダーウィン、キュヴィエ、およびジョフロア」(2001)の再読に着手。1830年論争におけるキュヴィエとジョフロアそれぞれの主張の骨子をまとめた冒頭部分を読み終えたところで、頭が動かなくなった。ダーウィンによる『動物哲学原理』への書き込みやBノートの記述を読み解くための集中力が出ない。暑さのためか、ぼんやりと過ごす日が続いている。読みたい文献が山ほどあるのに、どうしようもない。

2023年6月24日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。腰の異常は消えたが、ややメニューを軽くした。それでも帰宅後は疲れ切ってなにもできない。 

2023年6月23日(金)マイナポータル
 このサイトでマイナカードに紐づけられている自分のデータを確認できることを知ったので、確認してみた。健康保険の番号は紙の保険証と一致しているので安心した。
 今回は数年前に購入して仕舞い込んであったカードリーダーが役に立ったが、これからのパソコンにはカードリーダーが不可欠になるだろう。

2023年6月20日(火)マイナポイント登録
 本日のテーマは我がパソコンでマイナカードに健康保険を登録すること。専門家なら簡単なのだろうが、初歩的なミスも多く、終わるまでに丸一日を要した。よくわからないまま作業を進めたが、健康保険の登録もポイント付与も成功したと思われる。しかし百パーセントの自信はない。

2023年6月18日(日)雑草処理
 本日は団地自治会の一斉溝掃除。我が家の前の溝の落ち葉を掃除した後、ついでに庭の雑草処理に取り組んだ。ススキやヤツデなどが大きく生長しているので、その処理だけでも時間を取られる。

2023年6月17日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。ほぼいつものメニューにもどしてみたが、体に悪い影響はなかったようだ。しかし帰宅後は疲労でなにもできない。

2023年6月16日(金)ジョフロア『動物哲学原理』

 同書の最後に収録されている二つの新聞記事を読了。一つは日刊紙『ル・タン』(Le Temps, 1829-1842)183035日の解説記事、他の一つは日刊紙『ル・ナチオナール』(Le National, 1830-1851)1830322日の解説記事である。『動物哲学原理』では前者に「第一の要約」(Premier Résumé)、後者に「第二の要約」(Second Résumé)のタイトルを付しているが、グリーン訳では両者とも「第一の要約」(First Summary)になっている。コピペで原稿を作成したためのミスであろう。
 両者の紙面をネット上で確認することができる。『ル・タン』紙の記事は学芸欄に「アナローグ理論」の見出しで掲載されている。『ル・ナチオナール』の記事は「動物哲学」の見出しで、第三面の途中から最終第四面のほぼ全体にわたって掲載されている。
 『ル・タン』の記事では、まず、ジョフロアの新しい動物学が注目されているがキュヴィエがこれに反対していると指摘する。222日のキュヴィエ講演と31日のジョフロア講演を要約し、今後の論争の経過を見守りたいという。公平な立場をとっているように見えるが、ジョフロアに好意的である。
 『ル・ナチオナール』紙は明確にジョフロア支持を表明している。7月革命を推進したリベラル派の拠点として知られる同紙がジョフロア支持をしていた。当時のパリ市民にとってアカデミー論争は科学論争に止まらず、政治的な意味も持っていたことを示唆するものである。
 なお、『ル・ナチオナール』の記事の最後にアナローグ理論の先取権の問題を取り上げ、少なくともフランスではジョフロアが誰よりも早く、1796年にその骨子となる思想を公表していると指摘している。ジョフロアはこの箇所に付した長文の脚注で、同年の原猿類についての論文から「プランの一致」を説く文をいくつか引用している。鉱物学から動物学に転じて間もないジョフロアがなぜ、このような思想を抱いたのか。科学史家の意見は一致していない。
 とにかくこれで『動物哲学原理』を読み終えた。ペーパーにしないまでも、全体を自分なりに整理しておきたい。その作業を終えてから次に進むとしよう。

2023年6月1
4日(水)ジャーナル執筆

 昨日の疲れが抜けていないが、なんとか3日分のジャーナルを書き終えた。ジャーナル下書きはワードとMS-IMEで入力しているが、まだ慣れない。しばしば、意図しない画面が突然、現れる。多分、知らず知らずに何かの操作をしているのだろう。効率が悪いが、ATOKをあきらめる以上、我慢するしかない。

2023年6月13日(火)庭仕事
 勝手に生えてきたススキなどが成長し、通行の妨げにもなっている。配達の人たちの迷惑にもなるのでほっておくわけにもいかない。梅雨の晴れ間に雑草を抜き、ゴミ袋に入るように処理した。疲れ切って、食事するのも面倒なほどだった。

2023年6月12日(月)ジョフロア『動物哲学原理』
1830329日のジョフロア講演「舌骨について」を読了。1週間前の集会ではキュヴィエの講演が先だったが、その後に講壇に立つジョフロアにはキュヴィエ講演への反論は許されず、用意した原稿を読み上げるだけだった。『動物哲学原理』ではこの順序を逆にして掲載し、キュヴィエ講演の後に1週間後の反論を掲載しているのである。
ジョフロアはまず、キュヴィエとの対立を融合させようとする動きのあることを指摘して、それを断固として拒否し、フランスを置き去りにしてヨーロッパに広がっている新しい動物学を説いているのだという。キュヴィエが示した舌骨についての事実は認めるが、「哲学」が異なるという。ジョフロアの以前の研究にいくつか誤りのあったことは認めるが、アナローグ理論はドイツ自然哲学やセールの発生学、奇形学によってさらに発展しているという。
最後は「結論」という小見出しの下で講演を締めくくっている。その冒頭に、誤った事実に基づいて築かれた正しい理論の例として、ビュフォンの生物分布論、ラヴォアジエの発酵論、それとラマルクの進化論を挙げている。この3件はジョフロアが1828年の論文「歴史的動物と現生動物」で言及したものだが、さらに脚注でモンテーニュの奇形論を長々と引用している。ジョフロアの示す事実に誤りがあったとしてもアナローグ理論の正しさは揺るがないと主張しているようである。キュヴィエ説については、事実を目的に置き換えているだけだと批判している。脚注では、1830年論争の前哨戦となった182910 月の論争におけるジョフロアの言葉を引用している。キュヴィエ説は個別の記述に過ぎない。普遍的で哲学的なジョフロアの立場こそ新時代の科学であるという。かつてパリ植物園ではリンネが尊敬され、ビュフォンは軽視されていたが、いまやビュフォンの『自然史』がひろく読まれているという。いずれ、キュヴィエの時代が終わりジョフロアの時代が来ると宣言しているといえよう。
この論争におけるジョフロアの講演はこれが最後であった。次の
45日にはキュヴィエの最後の講演があったが、それは『動物哲学原理』に収録されていない。編者ジョフロアの立場から言えば、それは当然の処理であったろう。

2023年6月10日(土)デイサービス
午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。腰痛は完治していない。スタッフから、体の動きに影響が残っていると指摘された。

2023年6月8日(木)ワード入門

 所用で河内長野駅前に出たついでに書店でワードの入門書を購入。一太郎をワードに切り替えるため、まずはこのジャーナルの下書きをワードで試みたが、基本的な操作でつまずいた。しばらくは入門書を手元に置いての操作になるだろう。

2023年6月7日(水)その2。ジョフロア『動物哲学原理』
 1830年3月22日のキュヴィエ講演を読了。これも日刊紙『論争新聞』に掲載された講演要旨の再録である。キュヴィエは脊椎動物の舌骨の多様性を例示してアナローグ理論の虚しさを説いている。ジョフロアはキュヴィエの本文に匹敵する分量の脚注で反論しているが、このような具体例になるとキュヴィエの方が優勢である。

2023年6月7日(水)文楽予約
 朝10時になるのを待って文楽劇場夏季公演の会員先行予約。第2部「妹背山」四段目を床直下の席で確保した。この四段目は変化に富んでいて楽しいが、今回は珍しく最終場面の「入鹿誅伐」が出る。前回見たのはいつだったか。文楽合同以前のことだったと思う。入鹿の首が飛び回るのは人形ならではの演出である。今回は早く見たいので、初日から間もない時期に行くことにした。

2023年6月6日(火)内科医
 昼前にシニアカーで隣町の福岡内科へ。降圧剤をもらって帰宅。腰の違和感は残っているが、あまり意識せずに過ごせている。

2023年6月5日(月)ジョフロア『動物哲学原理』
 1830年3月22日のジョフロア講演「アナローグ理論:魚類の体制への適用について」を読了。まず、頭足類を扱わないことについて弁明し、アリストテレス由来の動物学批判、すなわちキュヴィエ批判を展開。本論では、1817年に鰓蓋骨と中耳骨の関係に気づき、アナローグ理論の正しさを確信したという。間違った知識が科学を推進した事例の一つといえよう。

2023年6月4日(日)IME
 毎年8千円が必要になるATOKをあきらめるため、このジャーナルでMS-IMEを使い始めた。今のところ不便は感じられない。自我流の単語登録をやり直さなければならないが、それほどの手間ではあるまい。
 ジャスト・システムがATOKを年間契約にしたのは収入を確保するためだろうが、逆に長年の愛用者を逃す結果になっているのではあるまいか。

2023年6月3日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。腰痛はほとんど気にならないくらい改善されてきたが、まだ違和感が残る。メニューはやや控え目にした。
 大雨だった昨日とは違って快晴。参加者からは、このまま帰宅するのがもったいないという声も出ていた。

2023年6月2日(金)メガネ型ルーペ
 ジョフロア『動物哲学原理』英訳の通読を当面の課題としているが、活字が小さい。脚注は本文よりさらに小さな活字になっている。拡大鏡を使ったりしてきたが、とにかく読みにくい。メガネ型ルーペなるものを試してみようと、amazon で手頃な価格のものを買ってみた。本日、初めて使ってみたが、かなり読みやすくなった。『原理』を読み続けるのに疲れて4日ほど離れていたが、気合いを入れ直して読むとしよう。

2023年6月1日(木)ATOK課金
 ジャストシステムからのメールで、ATOKを利用するには年間7,920円を支払う必要のあることを知った。そんなこととは知らず、昨年、漫然と「一太郎」をバージョンアップしたのが失敗だった。年金生活の中でIMEに毎年8千円はつらい。使い慣れた一太郎とATOKを数年おきにバージョンアップしながら使い続けるつもりでいたが、この際、世の大勢に準じてWORD とMS-IMEに切り替えるか。迷っている。

2023年5月31日(水)散髪
 昼前に理髪店へ。腰痛のため長時間座っているのがつらいので、散髪に行くのが延び延びになっていた。店の椅子に1時間弱、座っていたが、恐れていた症状は出なかった。散髪を終えてから北野田駅周辺で昼食と買い物。それだけでも気分転換になったのだろう。帰宅後はなんとなく元気になっていた。
 
2023年5月27日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。腰痛はかなり改善されてきたので、おおむね、いつものメニューをこなすことができた。帰宅後は疲れてなにもて゜きない。
 
2023年5月26日(金)ジョフロア『動物哲学原理』
 1830年3月1日のジョフロア講演「アナローグ理論:その新しさと有用性について」を読了。この講演の前半ではジョフロアがアナローグ理論に到達する過程を追い、後半ではアナローグ理論の新しさと有用性を論じるという構成になっているが、しばしば話が横道にそれるので筋を追いにくい。前半では、1793年から収集品の分類をするなかで脊椎動物全体の同一性に注目するようになったが、1812年から1817年までは理論の困難に遭遇して研究を中断し、その後の魚類の研究によりアナローグ理論に到達したという。この記述の合間に「構成の一致」という表現に辞書的な厳密な意味は込めていないと弁明し、ベーコン『ノヴム・オルガヌム』とニュートン『光学』から動物界の同一性を説く文を引用している。アナローグ理論の権威付けとえよう。後半では、アナローグ理論が従来のアリストテレス的動物学とはまったく異なり、研究の指針としてはるかに優れているという。その具体例として哺乳類の前肢の末端部分の比較、およびヒトとネコの舌骨の違いに言及している。
 アナローグ理論についてのジョフロア自身の見解がまとめられている講演といえよう。しかし、説明すると約束していたメーランらの論文については一言も触れていない。当然、キュヴィエから責められるであろう。
 
2023年5月22日(月)ジョフロア『動物哲学原理』
 1830年2月22日のキュヴィエ講演に対するジョフロアの「即席の回答」を読了。メーランらの論文は有意義であり、「構成の一致」も動物学に寄与してきたと主張し、詳しくは次回のアカデミー集会で論じるという。ここでも長文の脚注が付記され、季刊誌『百科評論』(Revue encyclopédique)に掲載されたジョフロア『解剖哲学』(1818)についての好意的な書評(フルーラン 1820、フレデリック・キュヴィエ 1823)を引用している。
 
2023年5月21日(日)ジョフロア『動物哲学原理』
 1830年2月22日のキュヴィエによるアカデミー講演を読み終えた。ジョフロアの手元に講演原稿はないので、講演翌日に日刊紙『論争新聞』(Journal des Debats)に掲載された講演要旨を転載している。日刊紙が取り上げたということは、アカデミー論争が早くも生物学界の外でも注目されていたことを示している。キュヴィエは「プランの一致」がなにを意味するかあいまいであり、メーランらの主張は認められないという。講演の最終文(p.72)では、動物学に法則を持ち込む行為を「空しい一般化」(de ces oiseuses généralisés)と断じている。『動物哲学原理』では5箇所の脚注でジョフロアが反論を記しており、それがキュヴィエの本文に匹敵する分量になっている。編者の特権といえよう。第三の脚注では、キュヴィエの「生存の条件」は、結果を原因に置き換えていると指摘している。

2023年5月20日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。まだ腰痛があるのでメニューは変更したが、先週よりは運動量はかなり増やした。その分、帰宅後は疲れ切っていた。
 
2023年5月17日(水)ジョフロア『動物哲学原理』
 異常な暑さと腰痛で気も萎えるが、論争の口火となった1830年2月15日のジョフロアのアカデミー講演を読み終えた。軟体動物と脊椎動物とが共通のプランによって構成されているというメーランらの論文を紹介することが目的のはずだが、それ以上にアナローグ理論の宣伝が目立っている。時代遅れとされたキュヴィエが黙っているわけにはいかないだろう。
 
2023年5月15日(月)コロナ・ワクチン接種
 午後、シニアカーで隣町の福岡医院へ。6回目のコロナ・ワクチン接種である。予約した高齢者が続々と詰めかけていた。世の中はコロナ後の開放感に浮かれているが、その分、感染の危険は高まっている。感染した若者が症状も軽く短期間で治癒した例をいくつか身近に見ている。一方、持病や骨折で入院した高齢者がコロナの院内感染で死去した例も見ている。現役世代には怖い病気ではないが、高齢者には命取りである。当分、マスクをはずす気にならない。
 腰痛はかなり改善されてきた。今週中には全快することを期待している。

2023年5月13日(土)デイサービス
 腰痛のためデイサービスは休むことにしていたが、朝の体調を見て午後の部に参加することにした。器械を利用した運動の多くは腰に響くので諦めたが、歩行器による歩行には無理がなかった。運動量はいつもより少なかったが、休むよりは増しだったろう。

2023年5月12日(金)近大眼科
 朝早くに近大病院へ。本日は9時から視野検査、その後、1時間ほど待たされて眼底写真撮影、さらに待たされてから診察、会計、薬と、終わったのは3時。左足の異常は治まったものの、朝からなぜか腰痛が悪化していたため、院内で移動するのもつらかった。

2023年5月10日(水)内科医
 昼前にシニアカーで隣町の福岡内科へ。降圧剤をもらって帰宅。連休明けの2日目なので混雑を覚悟していたが、普段より閑散としていた。多分、昨日、患者が集中したのであろう。腰と左足の痛みは消えていないが、大分楽になった。少しは文献を読むこともできた。

2023年5月8日(月)腰痛と足痛
 昨夜は普通に眠れたので、腰痛も足のしびれも快方に向かっていると思いたい。

2023年5月7日(日)腰痛と足痛
 昨夜はほとんど寝ていない。歩き方を工夫し、ゆっくり行動すれば日常生活に支障は無いが、文献に取り組む気力は無い。年を取るとはこういうことか。

2023年5月6日(土)腰痛再発
 朝、ゴミ出しのついでに道路際の雑草を抜いていたら、突然、腰に激痛が走った。終日、腰痛に苦しんでいたが、夕刻、今度は左足に違和感が走った。左足全体にしびれがあり、歩き方や姿勢によっては痛みが出る。床に入って横になるとかえって痛みが大きくなる。夜中に何度も立ち上がって痛みを抑えるので安眠できない。腰痛から足のしびれが誘発されたのは初めてだが、やっかいなことになった。

2023年5月5日(金)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。明日の土曜日は事業所が休むので、その振り替えである。週1回のリハビリは欠かせられないが、帰宅後は体が動かない。

2023年5月3日(水)ジョフロア『動物哲学原理』
 グールド『進化理論の構造』のジョフロア論はアペル(1987)を受け継いだものであった。同書のラマルク論などもいずれ参照しなければならないが、今は一旦、打ち切り。1日以来、ジョフロアが1830年の論争をまとめた標記の編著を断続的に読んでいる。M.Grene の英訳を利用し、Gallica で原文を参照している。
 最初の序論「アナローグ理論について」では、ジョフロア本人の「新しい方法」(la nouvelle méthode)とキュヴィエの「古い方法」(l’ancienne méthode)を対比し、哺乳類の前肢を例にして「新しい方法」の利点を説いている。「古い方法」といわれてはキュヴィエも気の毒ではある。この序論の最後でジョフロアは、アナローグ理論が神の力を制限するという神学的批判に対して反論を展開している。
 つぎの「印刷物の必要性について」は「まえがき」に相当するもので、論争の経過を印刷物として公開する意義を説いている。その本文の後に、本文より長文の「注」(N.B.)が付記され、アナローグ理論と同様の思想を紹介している。まず、ドイツとエジンバラではこうした思想が当たり前になっているという。フランスでもモンペリエの解剖学教授(Debrueil; グリーン訳ではDebreuil)と、ストラスブール大学の動物自然史の教授デュヴェルノワが同様の理論を説いているという。さらに、ミルヌ・エドヴァールによる甲殻類の口器の研究と、サヴィニによる昆虫の口器の研究を紹介している。ミルヌ・エドヴァールとサヴィニについてはアペルにも詳しい。同書によればデュヴェルノワはキュヴィエの忠実な弟子であったという。どちらが正しいのだろうか。モンペリエの教授Debrueilはアペルになく、新旧のDSBにもない。ネット上で探してみたが、分からなかった。些末なことなので、こだわらなくてもよいだろう。

2023年4月29日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。体調良好とはいえないが、昨日の疲れは残っていないようだ。
 昨日から某知人に送っているメールが、this mailbox is full. という理由で受信されない。こんな事故があるとは知らなかった。受信者が対処するるまで、どうしようもない。郵便で知らせるのも面倒なので、知人がメールの異常に気付くまで待つしかない。数日おきに送信を試してみるか。

2023年4月28日(金)散髪
 朝、散髪のため外出。わざわざ遠方の理髪店に出掛けているのは、遠出の機会にするためだが、体力低下でそれも億劫になってきた。北野田駅周辺で昼食と買い物。それだけで、帰宅後は疲れ切っていた。
 
2023年4月26日(水)金山浩司(編)『ソヴィエト科学の裏庭』水声社
 先日の編者序章と第1章の藤岡論文に続き、第2章のデボーリン小伝と第3章のミーチン小伝を読了。いずれもロシアの研究者(セルゲイ・コルサコフ)によるもので、訳者は市川浩。この後の物理学に関連した4章は飛ばして、ルイセンコの馬鹿げた植林法を取り上げた最終第8章の齋藤宏文の論文を読み終えた。デボーリンの弟子たちはミーチンによって殺戮され、デボーリンはその学識ゆえに殺されはしなかったが哲学研究は禁止されていたという。研究実績皆無のミーチンがスターリンに取り入ることで学界の権力者になっていた。このミーチンもデボーリンもユダヤ人であったが、スターリンによるユダヤ人大粛正から逃れている。ユダヤ系のワールブルクがナチのユダヤ人狩りから逃れていたことを思い起こさせる。
 ルイセンコ学説が権力に受け入れられた要素として齋藤は、生物学や農林業では、「収量や生長速度、削減可能なコストなどの可視化し易い量的な目標が存在するゆえ」、政治権力に受け入れられやすかったという(p.282)。それならば農林業にとってルイセンコ説が有害であることも直ちに判明したはずだろう。いかにスターリンの支援があったとはいえ、有害なルイセンコ説が長期にわたって支持され続けた事情が、どうも納得できないでいる。

2023年4月24日(月)グールド『進化理論の構造』
 昨日と本日で、第4章の冒頭、ペイリーとアガシに関する部分を読み終えた。邦訳で読めるのはありがたいが、ここでも誤訳が目立つ。「固定観念のために理性を引き延ばす」(訳書、p.384)とあるが、"rationale"(原書、p.266)は「理性」ではなく「正当化」である。「生物の形態、あるいはむしろ無機的なものとは構造面で関係のない刺激に、有用な構造の自然による進化がどのように寄与しうるのか」(訳書、p.385)は意味不明。たとえば、「構造面に無関係な無機的刺激が、有用な構造の進化にどのように寄与しうるのか」(原書、p.267)とでもすべきである。"adaptation, but by evolution"(原書、p.267)を「進化以外による適応」(訳書、p.385)とするのは誤りで、「進化による適応」である。著者は「神のデザインによる適応」と「進化による適応」とを対比しているため "but"を挿入しているのである。"reality"(原書、p.272)を「現実味」(訳書、p.392)と訳すのは不適切で、「実在性」とすべきだろう。
 こうした誤訳よりも気になったのは、"functionalist refutation "(原書、p.268)が「フォルマリズム的な反論」(訳書、p.387)となっていること。また、アガシ(1807-1873)の生没年が(1807-1837)と誤記されているが(訳書、p.390)、その直後の本文で1850年代のアガシの活動が論じられているのだから、通常の校正作業が実施されていたなら没年の誤記に気付くだろう。出版を急ぐあまり、ずさんな本作りになったのではないか。
 今回はこうした翻訳の問題よりも、原著の誤りに驚いた。第4章第2節最後の「二分法に関するエピローグ」でマコッシュの下記の著書を引用している(原著、pp.280-1; 訳書、pp.402-3)。J.McCosh &G.Dickie, Typical forms and special ends in creation. 1869. 著者はあたかも同書が『種の起源』を踏まえているかのように論じているが、同書のアメリカ版初版は1856年であり、ネット上のテキストをざっと比較した限り、1869年版と同じである。また、イギリス科学振興協会(BAAS)におけるアーガイル公爵の会長講演を同書から孫引きしているが、アーガイルが会長を務めたのは1855年のグスゴー大会であった。引用文献の書誌事項確認を怠ったっているのは、所詮、グールドは歴史家ではないということだろう。

2023年4月21日(金)金山浩司(編)『ソヴィエト科学の裏庭』水声社
 昼間は6月下旬並みの暑さで冷房が欲しいくらいだったが、夕方には急速に冷えてきた。こんな不順な天候では体調も崩れがちだが、なんとか標記の新刊書に目を通すことができた。
 スターリン時代におけるマルクス主義と科学との関係を論じた内外6人の著者による論文集である。数日前に著者から届いた同書を手に取ったとき、どこかの出版助成金によるものと思ったら、通常の商業ベースによる出版であった。「編者あとがき」によると、出版社から同書の出版計画を知らされたとき、「正直、本書のようなコンセプトの論集案が現代日本で受け入れられるとは思っていなかった編者は、あまりの幸運ゆえその知らせに目を疑った」(p.304)という。
 巻頭論文の第1章「ソヴィエトにおける『マルクス主義』公式化の始まり--1920年~1930年代始めの哲学・科学論争」(藤岡毅)は、同著者の『ルイセンコ主義はなぜ出現したか』(学術出版会、2010)から「関係する箇所を取り出し、加筆・再構成したものである」(p.73)という。この『ルイセンコ主義はなぜ出現したか』は桃山学院大学に提出した学位論文を基礎にしているので、当時は細部に至るまで内容を把握したはずである。いまでも大筋は頭に残っているが、デボーリンやミーチンなど、頭から消えてしまいそうな名前を再確認することができた。
 同書でも明らかなように、時の権力者による学術への介入は非生産的な結果をもたらすだけである。安倍内閣以来、自民党政権は学術への介入を強めているが、スターリンと同じ誤りを犯しているのではないか。編者は触れていないが、本書は今日の日本の状況を考える材料にもなるであろう。

2023年4月17日(月)文楽4月公演「山の段」
 昼過ぎに国立文楽劇場へ。3時開演の第2部「妹背山」の三段目。名作「山の段」を楽しんできた。「妹背山」の通し上演は直近で2010年4月と2016年4月にもあったが、今回は体力を考慮して第1部の初段と二段目はあきらめた。今回感じたのは、繰り返し観ている演目なのに細部が頭に残っていないこと。とくに「太宰館の段」でそれを感じた。「忠臣蔵」ではそんなことがないのに、やはり観る頻度が異なるためかもしれない。
 開演前の1階ロビーは観客であふれていた。当日の公演はNHKが収録していたので、放映が待たれる。文楽劇場の夏の公演では四段目が出る。今から楽しみである。次に「妹背山」の通しが出る時、当方は90歳を超えている。観ることができるだろうか。

2023年4月15日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。このところ、体調不良でメニューを減らしていたが、根本的な体力低下のためと思われるので、定常的に変更することにした。

2023年4月14日(金)グールド『進化理論の構造』
 第4章の後半、オーエンとダーウィンに関する部分を邦訳書で読んできた。著者はイギリスの機能論と大陸のフォルマリズムとを対比し、ダーウィンはフォルマリズムの要素を取り入れたものの、それはあくまでも自然選択説という機能論に従属するものとしてであったという。オーエンとダーウィンとの関係についてはオーエンに好意的な解釈を提示している。
 邦訳で読む方が楽だが、誤訳のあるのが残念である。今回もこの部分の冒頭(訳書、p.447)に奇妙な訳文が続くので面食らってしまった。「残りの世界を右に見ている島国は、かつては大陸の一部だったのです」は明らかにおかしい。原文は "the Elephants and Rhinoceroses which roamed over the continent represented now by certain islands that set rest of the world to rights."(p.313)。"rights" は「右」ではない。たとえば、「彼らが徘徊していた大陸は、今や、その世界の残骸を保持する島々に見ることができる」とでもすべきだろう。
 これに続く下記の訳文もおかしい。「オーエンは、母国への政治的、制度的忠誠心から、「島国」と並んでいる大陸と地理的同盟関係を結び、英国でいちばん強固なフォルマリズムを擁護していた。それは、少なくとも脊椎動物の原型は一つだけであるという説で、神学者ペイリーとブリッジウォーター叢書が君臨する土地柄によく順応した思想だった」。
 原文は、"Yet, for all his political and institutional allegiance to his native land, Britains greatest vertebrate anatomist cast his intellectual lot with the continent that lay abreast of those "certain islands" and championed the strongest version of formalism--the theory of single generating archetypes, at least for all vertebrates--in the land so well adapted for the functionalism of Paley and the Bridgewater Treatises. "
 この英文の主要部分だけ取り出せば下記のようになる。"Yet, for all his allegiance to his native land, Owen cast his intellectual lot with the continent and championed the strongest version of formalism in the land so well adapted for the functionalism. 訳せば、「オーエンは母国への忠誠心があるにもかかわらず、大陸と知的同盟を結び、機能論に順応した母国で最強のフォルマリズムを擁護した」となる。訳書では、"Yet, for all " が逆の意味になっており、"the land"を説明している"so well adapted" を"the theory" の説明と誤解している。「地理的同盟」は多分、訳者が「知的同盟」と訳したのに、どこかで変えられてしまったのだろう。

2023年4月8日(土)内科医とデイサービス
 昼前にシニアカーで隣町の福岡医院へ。降圧剤をもらって帰宅。途中の桜並木は昨日の雨と本日の風で残りの花も散り、全くの葉桜となっていた。午後は代替えでデイサービス「ポラリス大矢船」へ。いつもより疲れが大きいはずなのに、なぜか朝から軽い躁状態で、あまり疲れを感じない。鬱状態より増しではあるが、これはこれで始末が悪い。

2023年4月7日(金)グールド『進化理論の構造』
 体調不良で鬱状態が続くなか、断続的に第4章のキュヴィエとジョフロアに関する部分を邦訳書で読んできた。内容は、ほぼアペル(1987)の要約である。定評ある訳者によるものではあるが、明らかな誤訳もあった。「全動物門をまたぐ包括的なタイプの一致」(訳書、p.429)は誤りで、たとえば「この門全体に通じる包括的なタイプの一致」とすべきであろう。原文(p.299)の "the entire phylum" は定冠詞の単数なので、直前の "vertevrates" を指していると見るべきである。内容からいっても、この後の本文で繰り返し指摘されているように、ジョフロアはこの1807年の論文で脊椎動物についてのみタイプの一致を主張していた。
 この問題以上に気になったのが、「ナポレオンがロシアに侵攻した一九八二年」(訳書、p.431)という訳文。いうまでもなく、正しくは "1812"(原文、p.301)である。「ナポレオンがロシアに侵攻した」は原文には存在せず、訳者が注釈的に付加したものである。そこまで気を遣ったのに、なぜ「一九八二年」という誤記が見逃されたのだろうか。訳者が校正で見逃したとしても、編集者が校閲者のだれかが気付きそうなものだ。本書全体の信頼性を失いかねないミスである。

2023年4月6日(木)紀要論文再校
 紀要論文「『種の起源』のフランス語訳」の再校がメール添付で届いた。改めての修正はないので、校了。後は掲載誌『桃山学院大学人間文化研究』第19号が10月に刊行されるのを待つだけである。

2023年4月4日(火)整形外科
 朝はまず、三日市町駅筋の田中整形へ。骨粗鬆症の薬を処方してもらってから河内長野駅前の銀行と文具店へ。三日市町駅前にもどり、郵便局で学会費を送金し、市民センターで知事選の期日前投票。帰宅時には昼を過ぎており、家を出たときの服装では暑苦しくなっていた。

2023年4月1日(月)花の絨毯
 朝、ゴミ出しに出ると道路は花の絨毯。昨日の激しい夕立で桜の季節は終わった。

2023年4月1日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。体調が芳しくない。一昨日の疲労が残っているのだろう。いつもよりも軽いメニューに変更。それでも帰宅後はなにもできない。

2023年3月30日(木)奈良公園
 昼過ぎに近鉄奈良駅へ。本日の主目的は「東大寺ミュージアム」で戒壇院四天王像を見ることだったが、なんと、年中無休のはずが臨時休館。氷室神社の桜を愛でた後、国立博物館近くのペンチで一休み。
 6頭ほどのシカが人混みを気にせず、木陰で寝そべっていた。ときおり観光客が鹿せんべいを差し出すが、見向きもしない。よく見ると、周辺にはせんべいの欠片が散らばっている。シカたちは満腹で、せんべいにも飽きたようだ。せんべいを拒否するシカに出会ったのは、多分、初めてだと思う。地元の女性がいうには、普段、シカたちは奈良の人間と観光客を見分けて、観光客だけにせんべいをおねだりするという。「私たちには寄ってこない」といっていたのが面白かった。
 興福寺国宝館に寄った後、早めに帰宅。南海と近鉄の車窓からも、あちこちで満開の桜を見ることができた。

2023年3月28日(火)紀要論文初校
 数日前に郵便で届いていた紀要論文「『種の起源』のフランス語訳」初校の校正を済ませた。ページ番号の前のpp.が無かったり、逆に不用なピリオドがあったりと、今回もイージーミスが多い。現役当時はまず、この種のミスはなかった。注意力が減退しているのだろう。
 校正済みの初校を投函するため、町外れのポストまでシニアカーで往復。途中、満開の桜並木を楽しむことができた。

2023年3月25日(土)テレビのリモコン
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。夕刻に、昨夜アマゾンに発注したテレビのリモコンが届いた。
 2009年1月に設置したテレビのリモコンは、2022年2月に故障した。アマゾンで検索すると純正品は3,000円で社外品は1,000円なので社外品を購入したが、同年7月に使えなくなった。その時も社外品を購入したが、今度は8ヶ月で駄目になった。「安物買いの銭失い」とはこのことか。これに懲りて今回は純正品を購入した。10年以上もつことを期待したい。

2023年3月24日(金)近大眼科
 朝早くに近大病院へ。本日は、検査、診察、会計、薬のすべてが1時間で済んだ。滅多に無いことだ。帰宅途中に理髪店へ。近隣の八分咲きの桜を楽しむ余裕もなく帰宅。後は疲れて寝るだけ。

2023年3月23日(木)誤訳
 アペル『アカデミー論争』(1990)の原書(1987)を桃大図書館から借りだしていたので、「奇形進化論」の節(訳書では第4章、原書ではChap.5.)の原文と訳文とを対照したところ、かなり誤訳のあることがわかった。たとえば、"Teratology had provided him with a material means of bringing about the transformation of organic pieces."(p.131)を「奇形学は生体の諸部分が実際にどのようにして変わるのかを決めている」(p.218) と訳している。これは「奇形学は、生体の諸部分が変遷する具体的な仕組みをジョフロアにもたらした」とでもすべきであろう。この文の直後で著者は、激しい衝撃によってモンスターが生まれる極端な場合に言及し、「そんなモンスターは通常生き残れないし、まして繁殖することはない」(the monsters did not usually survive, let alone propagate.)と述べているが、訳書では「そんな奇形は通常生き残れないので放ってけば良い」となっている。
 邦訳書は便利であるが、重要な部分は原書で確認しなければならないということだろう。

2023年3月22日(水)世界野球
 一昨日の疲労が抜けず、昨日も本日も入手した文献に取り組めない。こんな時はのんびり過ごすしかない。昨日はWBC準決勝、本日は日米の決勝戦を午前中に楽しみ、午後のニュースショーで反芻。松井が出場辞退した第1回(2006年)や第2回(2009年)とは違って大リーグのスター選手たちが参加している。その中で日本が優勝したのは、「優勝したい」という思いがどのチームよりも強かったからだろう。とくにスター中のスターである大谷の執念がすごい。まるで高校野球の少年たちのようだ。大谷のファンになってしまった。

2023年3月20日(月)桃大図書館
 昼前に桃大へ。卒業式も終わっているので学生の姿はなく、教員にもほとんど出会わなかった。図書館ではグールド『進化理論の構造』の原書を借り出した。枕のような分厚さで、持ち帰るのに苦労した。執筆予定の仮題「ダーウィンの先駆者としてのラマルクとジョフロア」に引用すべき文献である。邦訳の上巻も購入せざるを得ないが、1万円はつらい。ほかにも2冊の洋書を借りだし、『マージナリア』のラマルクとジョフロアの項をコピーした。なんだか、わくわくしてきた。文献入手だけでなく、久しぶりに遠出したことが刺激になっているのだろう。

2023年3月19日(日)八杉信仰
 依頼された論文下読みを終了、というより、打ち切り。コメントの最後に、「いまだにルイセンコ主義者の八杉でもないだろう」と書いておいた。我ながら嫌味だと思うが、延べ3日を掛けて誠実に下読みしたのだから、このぐらいはいわせてもらおう。

2023年3月18日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。帰宅後は疲れ果ててなにもできない。

2023年3月15日(水)内科医
 昼前にシニアカーで隣町の福岡内科へ。暖かくなってきたので処方される降圧剤も弱めのものにもどった。スーパーに寄ってから帰宅。これだけで、一日が終わった。

2023年3月12日(日)疲労
 朝から何もしたくない病。食事するのも億劫。水曜日の外出の疲れが抜けないうちにデイサービスの疲れが重なったのだろう。夜になって、ようやくパソコンを開ける気力が出てきた。年々、体力が低下している。残念だが外出はできるだけ我慢しなければなるまい。

2023年3月11日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。休憩時の話題はもっぱら世界野球の日韓戦。普段はプロ野球に無関心な女性陣も、昨夜はテレビにしがみついていたようだ。

2023年3月10日(金)八杉信仰
 某氏から依頼された進化論関連の論文下読みに着手。文献欄を見ると、八杉はあっても松永は無い。苦笑せざるを得ない。日本の出版界や知識層には、いまだに進化論史についての八杉信仰が根強く残っているのだろう。

2023年3月9日(木)疲労
 昨日の疲れが出て、終日、ゴロゴロ。いまや、一日外出したら翌日は動けない状況になっている。

2023年3月8日(水)大阪中之島美術館「大阪の日本画」
 昼過ぎに中之島へ。美術展に行くのは昨年6月の京都国立近代美術館「鏑木清方展」以来のことである。中之島美術館へは昨年の開館記念展に行きたかったが、コロナ禍のため断念していた。「大阪の日本画」として知られている北野恒富、島成園、中村貞以のほかにも多数の画家の作品が展示され、思ったより楽しかった。ただ、この美術館も特別展のみで常設展の無いのが残念である。豊富な館蔵品をいつでも気楽に鑑賞できるようにすべきではないか。
 平日にもかかわらず来館者は多かった。それも高齢者は少なく、多くは若年層と中年層であった。ほとんどの来館者は国立国際美術館のピカソ展にも行っているのだろうが、当方にはその余力が無い。それでも9ヶ月振りに日本画を見ることができて満足している。

2023年3月7日(火)文楽予約
 本日は文楽劇場4月公演の会員先行予約日。1部と2部を続けて見るか迷ったが、体力に自信が無い。休憩があるにしても、10時30分から5時40分まで座り続けるのは無理だろう。ネット予約によって希望の日の希望の席で第2部のチケットを確保できた。どんな「山の段」になるか、楽しみにしておこう。

2023年3月6日(月)紀要原稿
 桃大紀要の事務方の了承を得たので、「『種の起源』のフランス語訳」の原稿をメール添付で送信した。4月中には校正も終了するだろうが、掲載誌の発行予定は10月である。それまでには仮題「ダーウィンの先駆者としてのラマルクとジョフロア」の執筆を終えておきたいものだ。

2023年3月5日(日)紀要原稿
 紀要原稿の続編「『種の起源』のフランス語訳」を投稿できる形に整えた。原稿は完成したつもりだったが、印刷して見直すといくつかミスもあった。一日がかりでこれを修正し、一太郎で書いた原稿をワードに変換した。担当事務方の了解が得られれば明日にでも送信したい。

2023年3月4日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。3ヶ月ごとの体力測定の後、いつものメニューをこなす。帰宅後はなにもできない。

2023年3月3日(金)ジョフロアの進化論
 体調良好とはいえないが、ジョフロアの進化論文に取り組まねばならない。bhlを利用して『自然史博物館紀要』(1825)掲載の論文「ガビアルの体制」に目を通すことができた。全58ページのほとんどはワニ類の比較解剖の専門的な議論であり、通読は困難である。ただしサブタイトルには、ノルマンディーで発見された化石ワニから現生ガビアルが「由来している」(descendent)とあり、本文最後の第5章(7ページ)の章題には、化石ワニが現生ワニの「先祖」(souche)である「可能性について」(Du degre de probabilite)とある。当時としては珍しく、ラマルク『動物哲学』にも言及している。この論文のねらいが生物進化を説くことにあるのは明らかだろう。息子イシドールが父親の最初の進化論文は1828年としているのはなぜか、不可解な気がする。

2023年3月1日(水)申告書送信
 昨日、医療費の領収書を整理し、本日、税務署のサイトを利用して還付申告書を作成し、e-tax で無事、送信することができた。例年は2月中に済ませる作業だが、今年は今になってしまった。パソコンで作成できるので楽になったが、それでも気の進まない作業であることに変わりはない。

2023年2月27日(月)文楽4月公演
 「文楽友の会」会報が届いた。4月公演の第1部は「妹背山」の初段と二段目、第2部は三段目、第3部は「曾根崎心中」。第2部「山の段」は呂太夫・織太夫に錣太夫・呂勢太夫。1部と2部を続けて見るか、体力を考慮して第2部だけにするか。決めかねている。

2023年2月26日(日)ジャーナル執筆
 相変わらす体は重いし、外は寒い。それでも家事雑用や書類整理など予定していた作業はおおむね終えることができた。午前中にアマゾンに発注した4種の日用品も夜8時に玄関前に届いた。買い物に不便な場所なので、いまやアマゾンが欠かせない生活手段になっている。文献に触れることはなかったが、それなりに有益な一日であった。23日(木)からの3日間はジャーナルを執筆する気力もなかったが、本日は4日分のジャーナルをまとめ書きすることもできた。

2023年2月25日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。腰痛は完治していないし、昨日の疲れも残っているので、体が重い。スタッフから「大丈夫ですか」と声を掛けられるような状態だったが、おおむねメニューをこなすことはできた。帰宅後はぐったりしてなにもできない。

2023年2月24日(金)散髪、皮膚科
 朝は雨の中を理髪店へ。42日ぶりにすっきりしてから河内長野駅前の木田皮膚科へ。目の下のイボ(脂漏性角化症)切除の後が治癒していることを確認。駅前スーパーで買い物をしてから帰宅。これだけのことなのに疲れ切ってしまった。

2023年2月23日(木)紀要論文
 昼前に拙稿「『種の起源』のアメリカ版とドイツ語訳」の掲載誌『桃山学院大学人間文化研究』18号(2023)と抜刷が届いた。研究が形になると、なんとなく元気が出る。続編「『種の起源』のフランス語訳」を早急に投稿したい。

2023年2月22日(水)ジャーナル執筆
 腰痛は急速に回復。痛みは残るものの日常行動に障ることはない。心身の状態も良いので、1週間ぶりにジャーナルを執筆している。

2023年2月21日(火)腰痛

 皮膚科に術後1週間目の予約を取っていたが、外出できる状態ではないので取り消してもらった。腰痛に悩みながらも最低限の家事をこなすことはできた。

2023年2月20日(月)腰痛再発
 朝の起床時、腰に違和感が走った。着替える時、少々無理な姿勢になったのがきっかけであろう。またしても「イタイ、イタイ」とわめきながらの一日となった。

2023年2月18日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。いつものメニューをこなし、帰宅後は、これまたいつものように疲れて休むだけ。

2023年2月17日(金)ジョフロアのアナローグ理論
 哺乳類の舌骨と耳小骨が魚類の鰓蓋骨と相同とするジョフロア『解剖哲学』の主張が理解しにくい。手持ちの解剖学書や古生物学書で調べても分からない。しかしアペル(訳書、1990)をよく読むと(p.351)、これはジョフロアの間違いであったという。理解しにくいはずだ。生物学の大きな流れから見るとジョフロアのアナローグ理論は生物学の推進力となったが、ジョフロア自身が重視した具体例には大小の誤りが多かった。1830年の時点ではアカデミー論争の勝者はキュヴィエといえるが、後世の判定はジョフロアに有利となる所以である。

2023年2月15日(水)内科医
 昨日から一転、真冬の寒さとなった。就寝前に飲んでいる降圧剤が無くなったので、昼前にシニアカーで隣町の福岡内科へ。外気温3度の中、シニアカーで走るのはかなりつらい。医院の患者がいつもより少なかったのも寒さのためであろう。降圧剤を受け取って帰宅した後も、寒くて縮こまっている。

2023年2月14日(火)皮膚科
 昼前に河内長野駅前の木田皮膚科へ。半年ほど前から目の下にできているイボをレーザーで切除してもらった。現役時代は皮膚科にほとんど無縁であったが、数年前から繰り返し皮膚科に通うようになってしまった。老化現象の一つであろう。
 バスに乗っての外出は先月20日の近大病院以来である。さいわい、暖かい日だったので電熱チョッキの電源を入れることもなかった。

2023年2月13日(月)ジョフロア進化論文
 おおむね体調は回復したようだ。終日、パソコンに向かうことができた。ジョフロアは生物進化を体系的に論じたことはない。アペル(1987)は「奇形進化説」の標題の下で4点の進化論文を挙げている。ジョフロアが最初に生物進化を唱えた1825論文と1828年の2点の論文の計3点は『自然史博物館紀要』に掲載され、1833年の論文は『科学アカデミー紀要』に掲載されている。ネット上で掲載誌を探し、論文を確認することができた。王立協会『科学文献目録』のように、1828年の論文が「1829年」と記載されていることがある。雑誌には「1828年」と記載されているが、実際には1829年に発行されているためである。1833年の論文は、有名なアカデミー論争の翌年、1831年に科学アカデミーの集会で発表したものである。こうした「ずれ」をいかに処理するか。科学史家が悩むところである。

2023年2月11日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。先月30日のデイサービス以来、初めての外出である。この11日間、体調不良と寒さが重なって外に出ることを体が拒否してきた。家にいても何もする気にならず、ぼんやりテレビを見ているだけ。ジョフロア研究もほとんど進展していない。本日のデイサービスではいつものメニューをこなしたものの、体調はまだ万全ではないようだ。春が来るまでこんな状態が続くのかもしれない。

2023年2月7日(火)ホームズ譚
 30日の夕方以来体調不良が続いていたが、起床後、しばらくしたら、「あっ、直った」と感じた。まだ文献に取り組む気にならないので、ホームズ譚について昨年のジャーナルに書いたものをまとめて、「推理小説」のページの下に「シャーロック・ホームズ」のページを作成することにした。ジャーナルを書くのも久しぶりである。本日、体調が良いのは異常に暖かい日だったためかもしれない。

2023年2月2日(木)体調不良
 3日前の夕刻から体調が優れない。熱は無いものの頭がまともに働かず、文献に取り組める状態ではない。ぼんやりテレビを見ている時間が多くなった。本日は体調の良い時間帯に、休み休み4日分のジャーナルを書いてみた。

2023年1月31日(火)ジョフロア文献目録
 現役時代、王立協会『科学文献目録』の古書を桃大図書館で購入してもらった。科学史家としては自慢の蔵書といえるが、今はネット上で見ることができる。BHLで同書を閲覧し、息子イシドールによる伝記巻末の目録をGallicaで閲覧した。王立協会の目録は発表年代順だが、伝記の目録はテーマ別で書誌事項も詳しい。目的によって使い分けることになろう。

2023年1月30日(月)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。土曜日に休んだ分の振替である。予報では朝は降雪だったが、ほとんど降ることがなく、送迎も順調だった。しかし寒さのため、帰宅後の夕刻には体調を崩したようだ。 

2023年1月29日(日)忠臣蔵七段目
 夜のNHK.TVで、久しぶりに忠七をじっくり楽しんだ。昨年9月の歌舞伎座公演第三部。由良之助は仁左衛門、平右衛門は海老蔵(現、団十郎)、お軽は雀右衛門。海老蔵の平右衛門は型通りに演じることに精一杯で、「小身者の悲しさ」も、兄妹の情愛も伝わってこない。我が記憶に残る平右衛門は先代松緑。しかし松緑が平右衛門という人物像が大嫌いだと語っているのを知って、驚いた。妹を殺してでも成り上がりたいという根性が嫌だったのか。「小身者の悲しさ」への共感があっても良いように思う。

2023年1月28日(土)降雪
 早朝6時ころの急な降雪で外は一挙に白くなった。積もったとはいえ、たいした量ではない。デイサービスの送迎は普段通りだろうと思い、道路までの雪かきを終え、着替えも済ませたところ、安全のため送迎中止の連絡が入った。張り切って準備をしていただけにがっくりきた。なんとなくやる気の無い一日となった。

2023年1月25日(水)寒波襲来
 昨夜から外は氷点下。朝、道路に薄く積もった雪が凍っていた。暖房の部屋にこもっていても、身も心も縮んでなにもできない。頭の具合も少々、おかしい。ぼんやりテレビを見ているだけの一日になってしまった。

2023年1月21日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。コロナ対策のため換気を重視しているので、寒がりの当方にはつらい。ヒートテックの下着に電熱チョッキで、なんとかしのいでいる。

2023年1月20日(金)近大眼科
 朝早くに近大病院へ。眼圧が一桁に下がっていた。とりあえずはめでたいので、ささやかな祝杯を挙げることにした。今月はこれを最後に外出の予定は無い。来月も週一のデイサービスを別にすれば、月一の内科医、散髪、銀行だけ。後は家に閉じこもって冬将軍とコロナ禍をやり過ごそう。この間に、ジョフロアの生涯と業績をしっかり頭に入れておきたいものだ。

2023年1月18日(水)ダーウィン研究:エジプトのジョフロア
 1798年、ナポレオンのエジプト遠征に同行することをキュヴィエは即座に断り、ジョフロアは勇んで参加した。二人の気質の違いがここにも表れている。アペル『アカデミー論争』には、4年間のエジプト生活でジョフロアが思弁にふけるようになる過程をていねいに追っている。邦訳書では、ジョフロアらが設立したエジプト学士院の『エジプト旬報』(La Décade égyptienne)を、またしても『エジプト時代』(p.119)と訳している。訳者はなぜか décade を「時代」と訳すことにしているようだ。
 ジョフロアのエジプト生活を30年後のダーウィンのビーグル号航海と比較したくなるが、二人の立場は決定的に違っていた。ジョフロアは研究者として国家から派遣されているが、ダーウィンは艦長の友人という一民間人の立場であった。ダーウィンはライエル説に基づく地質学研究に集中し、途方もない思弁にふけるようなことはなかった。とはいえ、二人にとってこの海外生活が自然史研究に新たな視野を開くきっかけになったといえるだろう。

2023年1月17日(火)内科医
 昼前にシニアカーで隣町の福岡内科へ。寒さのためか早朝血圧が高くなってきたので、降圧剤を変更することになった。帰宅後は家事雑用で終わり。

2023年1月14日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。本日は男性利用者の半分が欠席したので、やや静かであった。いつもの参加者のうち半数近くは昭和一桁生まれなので、7回目の年男となった我が身もここでは年長者ではなく、気が楽である。

2023年1月13日(金)散髪
 朝、なじみの理髪店へ。この時期としては暖かいので、ついでに大阪市内へ出掛けたいところだが、コロナが怖い。高齢者のコロナ死が尋常では無い。おとなしく、そのまま帰宅することにしよう。

2023年1月11日(水)長野神社残り戎
 昼前に三日市町駅筋の田中整形外科へ。隣の薬局で骨粗鬆症薬をもらった後、河内長野駅前の長野神社へ。一間社流造の本殿は重要文化財に指定されている。主祭神は素盞嗚命(牛頭天王)だが、本殿の隣の戎社に因んで長野戎と呼ばれることが多いようだ。普段は閑散としている境内もこの3日間は屋台も出て賑やかになる。祭日の宵戎は混雑していたらしいが、平日の昼間の参拝者は少ない。夕方には仕事帰りや学校帰りで賑わうだろう。野外なので、コロナ感染の心配も無い。久しぶりの気分転換であった。

2023年1月10日(火)キュヴィエ伝の比較
 新旧DSBの項目「キュヴィエ、ジョルジュ」を比較してみた。旧版(1971)の著者はブルディエ(Franck Bourdier)、新版(2008)はラドウィック(Martin J. S. Rudwick)。二人の解説はまったく異なっている。一般にDSB新版の解説は旧版のそれを前提とし、その後の科学史研究の進展を述べているが、「キュヴィエ」の場合はそれ以上の違いがある。ブルディエの解説についてラドウィックは、事実の記載はほぼ正確だが、評価が不適切であると批判している。キュヴィエの動物界四部門についてブルディエは一言も語っていない。また、キュヴィエの地質学上の成果も評価していない。とくにラドウィックは、キュヴィエが『創世記』の記述を尊重していたというブルディエの見解を強く批判している。ラドウィックのブルディエ批判は正当だと思うが、ラドウィックの解説も不親切である。動物界四部門を高く評価するが、その内容の解説が無い。地球史についての解説も、読者がすでにラドウィックの名著『化石の意味』を読んでいるかのような書き方である。この二つのキュヴィエ伝は異質であり、両者とも、予めキュヴィエについて知ったうえで読むべきものだろう。
 ここでキュヴィエについては一旦、打ち切り、ジョフロアの生涯と業績にもどるとしよう。

2023年1月7日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。しばらく休んでいた大正生まれの長老も現れ、にぎやかなリハビリ初めとなった。当方がこの事業所に来るのは2016年11月からなので、7年目に入っていることになる。
 この事業所に通うようになってからパーキンソン病の実態を知ることになった。アルツハイマー症については知人の介護経験談やテレビドラマなどである程度、理解していたが、パーキンソン病については名前を知っている程度であった。この事業所で多くのパーキンソン病患者に出会ってきたが、症状が人によってまったく違う。病因が分かっているのに対症療法しか無いということに歯がゆさを感じる。今、話題の新薬の効能もはっきりしないが、根本的な治療薬開発の道が開けたと信じたい。

2023年1月6日(金)ダーウィン研究:キュヴィエの名前
 ダーウィンの先駆者のとしてのジョフロアについてまとめるに当たり、キュヴィエの生涯と業績についてもまとめることにした。オリジナルな研究ではないので投稿原稿にすることはないが、自己流の生物学者辞典の作成を目指してもよいだろう。
 キュヴィエにも5語から成る洗礼名があるが、本人はGeorges Cuvierとしか名乗っていない。そのため、旧版のDSBのように、洗礼名を掲載しない辞典も多い。ダーウィンもCharles Darwin と名乗るだけだったが、人名辞典ではCharles Robert Darwin を掲載せざるを得ないだろう。科学者の人名表記もけっこう、やっかいである。

2023年1月4日(水)ホームページ更新
 まずは朝食前にゴミ出し。日常の生活パターンがもどってきた。昼前に賀状投函のためシニアカーで郵便ポストまで往復。疲れが抜けてから我がホームページの更新に取り組んだ。昨年分のジャーナルを新規のページに移動し、トップページの年齢を修正しておいた。またしても操作法を忘れていたが、最終的には成功したようだ。

2023年1月3日(火)年賀状
 今年も年下の知人から年賀状打ち止めの挨拶が届いた。これで自分も吹っ切れた。来年で年賀状打ち止めとしよう。そう考えたら、一年先のことではあるが気が楽になった。

2023年1月2日(月)パズル
 昨年まではカミさんのお供で京都嵯峨野の二尊院へ出掛けていたが、今年はケアサービスの事業者にすべてをまかせることにした。終日、家に閉じこもり、のんびりと心身を休めることができた。

2023年1月1日(日)年賀状
 年賀状14通の宛名書きを済ませ、投函のためシニアカーで外出。日は出ているが、風が冷たい。これだけで一日の仕事を終えた気分である。

2023年1月1日(日)今年は何をするか
 まずは『種の起源』の「歴史的概要」についての論文の第一部として、「ダーウィンの先駆者としてのラマルクとジョフロア」に集中したい。ただしジョフロアの進化思想についてまとめる前に、キュヴィエらの業績についても調べておく必要がありそうだ。ダーウィンはキュヴィエ後のフランスの生物学者たちと親しく文通しており、19世紀前半のフランス科学について整理しておくことは無駄にならない。「ダーウィンの先駆者としてのラマルクとジョフロア」の原稿は9月までに脱稿すればよい。その後で他の先駆者?についてもまとめておこう。
 昨年よりは外に出たいが、コロナが怖い。世の中は経済活性化へと舵を切り、コロナは怖くないという雰囲気になっている。しかし高齢者は危ない。慎重にならざるを得ない。

2022年12月31日(土)今年は何をしたか
 研究面では、ダーウィンが関わった『種の起源』の独訳と仏訳についての論文を執筆した。独訳については来年2月刊行の桃大紀要に掲載される。引き続き仏訳についても来年10月刊行の桃大紀要に掲載されるように投稿する予定である。着実に『種の起源』研究を進めることができた。しかし体力とコロナ禍を考慮して外出を控えているため、文楽にも奈良の寺院にも美術館やコンサートにもほとんど出かけていない。精神的な栄養不足であろう。

2022年

2021年

2020年

2013-19年

2012年

2011年