2023年1月1日(日)年賀状
 年賀状14通の宛名書きを済ませ、投函のためシニアカーで外出。日は出ているが、風が冷たい。これだけで一日の仕事を終えた気分である。

2023年1月1日(日)今年は何をするか
 まずは『種の起源』の「歴史的概要」についての論文の第一部として、「ダーウィンの先駆者としてのラマルクとジョフロア」に集中したい。ただしジョフロアの進化思想についてまとめる前に、キュヴィエらの業績についても調べておく必要がありそうだ。ダーウィンはキュヴィエ後のフランスの生物学者たちと親しく文通しており、19世紀前半のフランス科学について整理しておくことは無駄にならない。「ダーウィンの先駆者としてのラマルクとジョフロア」の原稿は9月までに脱稿すればよい。その後で他の先駆者?についてもまとめておこう。
 昨年よりは外に出たいが、コロナが怖い。世の中は経済活性化へと舵を切り、コロナは怖くないという雰囲気になっている。しかし高齢者は危ない。慎重にならざるを得ない。

2022年12月31日(土)今年は何をしたか
 研究面では、ダーウィンが関わった『種の起源』の独訳と仏訳についての論文を執筆した。独訳については来年2月刊行の桃大紀要に掲載される。引き続き仏訳についても来年10月刊行の桃大紀要に掲載されるように投稿する予定である。着実に『種の起源』研究を進めることができた。しかし体力とコロナ禍を考慮して外出を控えているため、文楽にも奈良の寺院にも美術館やコンサートにもほとんど出かけていない。精神的な栄養不足であろう。

2022年12月31日(土)賀状印刷
 穏やかな大晦日である。年賀状を15通だけ印刷した。毎年のように高齢の知人友人から賀状中止の挨拶が届くが、自分はなんとなく惰性で賀状を出し続けている。ただし今年は暮れに投函することを止め、すべて年初に返礼の形で出すことにした。このように決めただけて、随分と気が楽になった。

2022年12月29日(木)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。明日から事業所も休むので、その代替えである。正規の利用者の半数が欠席のため、本日も少ない人数での訓練となった。本日は帰宅後もダウンすることなく、5日ぶりにジャーナルを書く気になった。適度な運動が心身に良いということだろう。

2022年12月24日(土)デイサービス
 燃えるゴミの収集日ではあるが、家の近くの道に固くなった雪が残っているので、ゴミ出しはあきらめた。午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。スタッドレスタイヤの送迎車が来てくれた。しかし場所によっては送迎が難しいため参加を諦めた利用者もいて、普段よりは少ない人数での訓練となった。昼過ぎには雪も消えたので、午後の部は通常通りになったであろう。

2022年12月23日(金)積雪
 朝から外は銀世界。数センチの積雪。新聞、郵便、それと夕食宅配は遅れがちではあっても来てくれた。玄関から門まで除雪して郵便受けに行く以外は家に閉じこもっていたが、なんとなく落ち着かない一日であった。

2022年12月22日(木)長谷川政美『動物の起源と進化』
 アマゾンで発注した旧知の長谷川さんの著書『新図説 動物の起源と進化-書きかえられた系統樹』(八坂書房 2011)が昨日、届いた。発売元では在庫無になっているが、ネットで検索すると新品や中古品がさまざまな価格で提供されている。ゲノム分析で明らかになった哺乳類の系統をわかりやすく解説したもので、我が知識レベルにぴったりの書物であった。一日で読破する意気込みで臨んだが、前半の概論部分を終えたところでダウン。後はざっと目を通しただけだが、現在の哺乳類系統論の状況が把握できたと思う。
 キュヴィエらによる形態に基づく従来の分類も大筋では正しかったといえるのではないか。決定的に異なるのは、従来の食虫目がまったく系統の異なるアフリカ食虫類とローラシア獣類の真無盲腸目とに分けられたことだろう。しかし従来の食虫目については、便宜的なタクソンであって単系統ではないという認識があったように記憶している。この問題がゲノム分析によって解決したといえるだろう。
 ゲノム分析による哺乳類系統論の勉強はここで一旦、打ち切って、キュヴィエらによる動物分類にもどるとしよう。

2022年12月21日(水)検診結果
 午前中に隣町の福岡内科へ。比較的に暖かい日を選んだつもりだが、シニアカーでの往復は寒かった。降圧剤を処方してもらうついでに、先月の検診の結果を聴く。大きな問題はなく、去年より数値が良くなっている。ご機嫌で帰宅したが、これだけで疲れ果ててしまった。

2022年12月20日(火)動物分類学
 キュヴィエによる動物分類を追いかけていく過程で現在の分類学の状況を確認すると、かつての常識が覆されている。有胎盤類は大きく3系統(アフリカ獣類、異節類、北方真獣類)に分けられている。鯨目が消滅して偶蹄目に吸収されている。ゲノム分析の成果により、生物全体の系統が書き直されているのである。手元にある分類学書は、内田亨『動物系統分類の基礎』(1965)、コルバート『脊椎動物の進化』の邦訳(1967)など、すべて古いものである。いずれも大いに役立ってはいるものの、近年の成果を学び直す必要があろう。そこで読み慣れたコルバートの最新版を取り寄せようとしたが、邦訳(2004)は2万円なので購入は難しい。原書(2001)も1万6千円だが、pbk(2011)が5千円で入手できることが分かった。かろうじて購入可能な価格である。古生物学の専門用語が続出するので邦訳で読みたいのだが、この際、英語表記も憶えることにしよう。

2022年12月18日(日)ダーウィン研究:哺乳類の分類
 ジョフロアとキュヴィエとの最初の共著論文「哺乳類の新しい分類」(1795)は、ほとんどキュヴィエによるものと見られている。当時のジョフロアには哺乳類全体を見渡すほどの知見はなかった。動物名はフランス語で表記され、学名としての属名がイタリックで併記されている。この論文で新たに提案された「貧歯目」もフランス語でÉdentes と表記されている。動物分類学書には、Edentata(Cuvier, 1798)と記されているが、それより早く提案されていたのである。

2022年12月17日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。腰痛が完治していない。日中はさして意識しないでいるが、朝、起床するときがつらい。

2022年12月15日(木)忠臣蔵
 忠臣蔵を楽しむ日のはずだが、関連のテレビ番組は皆無である。昨夜は民間BSで過去の作品の再放送があった。
 BS朝日ではテレビ朝日2004年の「忠臣蔵」を12月12日から三夜連続で一挙放送していた。大石は松平健。講談ネタによる正統的な忠臣蔵だが、メロドラマのような演出で、退屈な作品であった。
 BS12ではテレビ東京2007年1月2日新春ワイド時代劇「忠臣蔵 瑤泉院の陰謀」を11月23日から12月21日までの水曜日に放送している。原作は湯川裕光『瑤泉院 三百年目の忠臣蔵』(新潮社1998)、脚本ジェームス三木、大石は北大路欣也。これも部分的に見ただけだが、退屈はしない。次週の最終回も見ようと思う。
 両作品とも春日太一『忠臣蔵入門』(角川新書 2021)に記載されていないのが残念である。忠臣蔵ドラマの新作が登場しない時代になったのか。寂しいことである。

2022年12月13日(火)コロナワクチン
 午前中に隣町の福岡内科で5回目のコロナワクチン接種。小雨だったが、コロナ禍でタクシー会社のドライバーが激減しているためタクシーが呼べない。やむを得ずシニアカーで出掛けた。帰宅時には雨がやんでいたのでほっとした。接種した上腕部に痛みを感じる程度で、今回もほとんど副作用はなかった。腰痛は残っているが、日常生活には支障が無い程度に軽くなっている。

2022年12月12日(月)腰痛再発
 朝、少々無理な姿勢でズボンをはこうとしたら、腰に異常が発生。前日に庭の落ち葉掃除をしたことも影響しているのだろう。 またしても、イタイイタイとわめきながらの一日となってしまった。

2022年12月10日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。いつものメニューをこなして本日は終わり。

2022年12月9日(金)ダーウィン研究:ジョフロアとキュヴィエの共著論文
 頭痛対策のため先月末から文献に取り組むのを控えていたが、本日は少しだけ進めることにした。ジョフロアは1795年にキュヴィエをパリに呼び寄せ、その年のうちに5本の共著論文を発表している。そのうちの4本は刊行が始まったばかりの『百科雑誌』に掲載している。ネット上で同誌を読んでいると、いつのまにか長時間になってしまう。頭痛防止のため、用心しなければならない。

2022年12月8日(木)とにかく寒い。
 暖房を入れ、電熱チョッキを着ていても、身も心も寒さで縮こまってなにもではない。これから本格的な冬になったらどうする。まあ、なんとかなるだろう。

2022年12月7日(水)散髪
 午前中は散髪のため外出。寒さが嫌なので銀行とスーパーによっただけで帰宅。それだけなのに疲れてなにもできない。

2022年12月4日(日)溝掃除
 午前中の早い時間帯に団地自治会の一斉溝掃除。これだけで一日のエネルギーを使い果たした感じである。午後はぼんやり過ごしたが、おかげで頭痛の気配も大方、消えたようだ。

2022年12月3日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。3ヶ月ごとの体力測定の後、いつものメニューをこなす。帰宅後はぐったりしたが、夜になってから3日ぶりにパソコンを開けて、ジャーナルを書いている。

2022年12月2日(金)頭痛
 数日前から頭痛に悩んできたが、一昨日は頭が割れるような痛みに襲われた。横になっていれば治まるので、連日、長時間、ノートパソコンに向かっていたのが原因であろう。ネット上で18世紀の文献を読むため、時間を要する。しかし頭痛が続くのも困るので、昨日と本日は横になって新書版を読むかテレビを見るだけにして、パソコンとハードカバーには一切、触れないことにした。とりあえず頭痛は治まったが、いつまでもこうしているわけにもいかない。

2022年11月29日(火)ダーウィン研究:ジョフロア「単一プラン」初出論文
 ジョフロアは『百科雑誌』(Magasin encyclopédique)の1796年1月号にキツネザル類に関する論文を掲載した。アペル(訳書、p.59)によると、1802年に自然史博物館の『年報』(Annals)が創刊されるまで、ジョフロアやキュヴィエの論文はほとんど『学術旬報』か『百科雑誌』に掲載されていたという。両誌の編集はリンネ学会創立者の一人ミリン(A.L.Millin)が担っていた。
 グメリン編集のリンネ『自然の体系』第13版の第1巻(1788)では哺乳綱霊長目に、ヒト(Homo)、サル(Simia)、キツネザル(Lemur)、およびコウモリ(Vespertilio)の4属が記載されているだけであった。ジョフロアは上記の論文でキツネザル類を、キツネザル(Maki.Lemur)、インドリ(Indri)、ロリス(Loris)、ガラゴ(Galago)、およびメガネザル(Tarsius)の5属に分け、形態上の類縁関係を論じた。2語から成るMaki.Lemurは属名として不適切なのでLemurの表記にもどされたが、後の4属については現在もジョフロアの命名が用いられている。このうちガラゴはこの論文でジョフロアが初めて記載したものである。
 したがって、この論文は原猿類の基礎的研究の一つとして評価できるが、それ以上に科学史家が注目するのは論文冒頭で、ジョフロアが「すべての生物は単一のプラン(un plan unique)によって形成されている」と断言していることである。これがジョフロアの生涯を貫く思想となり、やがてはダーウィンの進化論を生むことにもなるのである。

2022年11月27日(日)ダーウィン研究:ジョフロア最初の論文
 イシドールの伝記によれば、ジョフロア最初の論文は1794年12月1日にパリ自然史学会で発表され、その抜粋が『学術旬報』第28号(1795年1月)の冒頭に掲載され、合冊版の第4巻に収録された。「パリ自然史学会」(La Société d'Histoire Naturelle de Paris)は1787年創立の「パリ・リンネ学会」(La Société linnéenne de Paris)の後継組織であった。
 『学術旬報』(La Décade philosophique, littéraire et politique)は1794年4月創刊の旬刊誌で、月に3回刊行され、年に4回の合冊版が刊行された。Gallicaで合冊版のイメージ版を見ることができる。科学ばかりでなく、美術、文学、政治なども扱う総合誌であった。アペル『アカデミー論争』の邦訳ではLa Décade philosophique を『哲学時代』(p.43)と訳しているが、なぜ Décade が「時代」になるのか、理解に苦しむ。
 ジョフロアの論文はマダガスカル産アイアイに関するもので、「齧歯目の四足獣の新たな属について」(Mémoire sur un nouveau genre du quadrupèdes de l’ordre Glires)と題されていた。アイアイはフランスの探検家ソヌラ(P.Sonnerat)が著書『東インドと中国への旅』(1782)で記載し、ドイツのグメリン(J.F.Gmelin)編集のリンネ『自然の体系』第13版の第1巻(1788)で、 哺乳綱齧歯目リス属(Mammalia Glires Sciurus)に位置づけられ、種小名はmadagascariensis とされた(p.152)。
 ジョフロアは博物館にある標本を研究してアイアイの特殊な構造を明らかにし、新たな属Daubentonia を提案したのである。現在、アイアイは原猿類に位置づけされているが、学名はジョフロアの提案通り、Daubentonia madagascariensisとされている。ただし、種小名はグメリンの命名なので、種名の命名者と命名年を付記する場合は、Gmelin, 1788. となっている。
 ジョフロアの論文は総合誌が取り上げるほどのものではないように思えるが、当時は新奇な動物への関心が一般的にも高かったのかもしれない。

2022年11月26日(土)内科検診、デイサービス
 午前中は隣町の福岡内科で年に一度の内科検診。当日に分かる範囲では問題なし。午後はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。いつにも増して疲れを感じた。

2022年11月25日(金)歯科検診
 昼前に隣町の、さこがわ歯科で半年ごとの歯科検診。毎回、歯間などに汚れが残っていると注意されるが、毎日、4種類の道具を使って歯磨きをしてるので、内心、これ以上はどうしようもないと思っている。

2022年11月23日(水)ダーウィン研究:ジョフロア最初の講演
 1793年6月に国立自然史博物館の動物学教授に就任したジョフロアは1年後、教授に課せられている40回の一般向け講演をこなさなければならなかった。イシドールの伝記によれば、初回は1794年5月6日であり、内容はジョフロアが担当する哺乳類と鳥類の自然史をドーバントンの分類方式に則って解説するものであった。今の日本の大学に当てはめれば、学部を卒業したばかりの院生が専門知識の無い分野について1年後に4単位の集中講義をするようなもの。革命で社会が混乱していたとはいえ、科学史でもまれに見る無茶な出来事であった。

2022年11月22日(火)内科医
 昼過ぎにシニアカーで隣町の福岡内科へ。降圧剤をもらって帰宅後、本日もまた、ぼんやりしているだけ。

2022年11月21日(月)スーパー買い物
 昼過ぎにシニアカーで隣町のスーパーへ。レジを済ませ、シニアカーに乗ってから、店内でマスクをしていなかったことに気付いた。スーパーまでの道で人に会うこともないので、入店前にマスクをすることにしており、いままでそれを忘れることはなかった。世の趨勢に引きづられてコロナへの緊張感が薄れているのかもしれない。

2022年11月19日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。いつものメニューをこなして本日は終わり。

2022年11月18日(金)近大眼科
 昼から視野検査や眼底写真撮影などが続き、疲れた。結果は可も無く不可も無し。とにかく視力が維持できれば御の字である。緑内障患者にとって年に一度の視野検査は、不可欠とはいえ、つらい。歳とともにますます苦痛になってきた。検査の最中も、早く終われと願うのみ。後半のデータは不正確になってしまうが、どうしようもない。

2022年11月17日(木)ダーウィン研究:博物館の13人
 パリの王立植物園は1793年6月に国立自然史博物館に改組され、12人の植物園の管理職は博物館に設けられた12の教授職に就任した。植物園には植物学、化学、それと解剖学の3分野にそれぞれ教授とその補佐役がおり、ほかに園芸主任と画家がいた。さらに標本館の管理者ドーバントンとその補佐役のフォジャとジョフロアがおり、ラマルクが標本館付きの国王植物学者という地位にあった。
 博物館には植物学に3、化学と解剖学に2の教授職が設けられ、植物園のそれぞれの教授と補佐がそのまま就任し、園芸主任も植物学の教授になった。画家も新たに設けられた図像学の教授に就任した。しかし、標本館の4役職は廃され、新たに動物学2、鉱物学1、地質学1の教授職が設けられた。ドーバントンは鉱物学、フォジャは地質学と、それぞれ実績のある分野を選んだ。
 残りの動物学にラマルクとジョフロアという動物学に実績のない二人が就任した。それでもラマルクは植物学に実績があり、貝類学者のブリュギエールや昆虫学者のオリヴィエと親密であった。ジョフロアは鉱物学者になることを目指してドーバントンらに学んでいるだけで、研究実績は皆無であった。植物園でドーバントンの補佐役であったラセペードが革命政府による迫害を恐れて3月にパリを去り、5月に植物園の役職を辞任した。当時、植物園のリーダーだったドーバントンがその枠に、目を掛けていたジョフロア青年を据えたのである。ところが7月にラセペードがパリにもどってきた。もとの同僚たちの尽力により翌1794年に動物学教授の席が増設され、ラセペードが就任した。こうして国立自然史博物館最初の教授陣13人がそろったのである。
 ところで、ギアダ『ジョフロア・サンチレール』(p.258.n6)によると、解剖学教授の一人メルトリュはJean-Claude Mertrud (1728 -1802)のことであり、アペルがその息子のAntoine Louis Francois Mertrud とみなしているのは間違いであるという。キュヴィエの前任者についてこんな間違いがあったとは意外である。
 本日、ネット検索の最中に突然、画面が変わって大きく電話番号が表示され、繰り返し音声で、「ウイルスに感染したので直ちに電話して対策せよ」という。慌ててケータイを手にしたが、おかしいと気がついた。パソコンを強制終了し、あらためて起動したが、問題は生じていない。危機一髪であった。

2022年11月16日(水)ダーウィン研究:ラセペードの名前
 まずまずの体調で、ラセペードについて必要な情報をまとめることができた。1793年に数ヶ月、ラセペードがパリを離れたことがジョフロアの運命を切り開くことになった。ところで、DSBではラセペードの名前が2行にわたるほど長い。本人もこれほど長い名前を日常的に使用していたはずがない。いくつか関連図書を調べると、略称の表記がばらばらである。ラセペードの著書に記されている著者名は、le comte de Lacépède となっているが、これを用いるわけにもいかない。Gallica の著者データでは、Etienne de Lacépède となっているので、これを用いるのが無難であろう。
 これでジョフロア周辺の問題は一旦、打ち切って、ジョフロアの生涯と業績にもどりたい。

2022年11月15日(火)体調不良
 午前中は普通の状態だったが、昼食後、なぜか動くのがつらくなり、ぼんやり寝て過ごした。ときどきこんな日があるが、原因不明。どうしようもない。

2022年11月12日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。体調は回復しているので、いつものメニューをこなすことができた。帰宅後はなにもできない。
 
2022年11月10日(木)ダーウィン研究
 体調はかなり回復した。紀要論文「ダーウィンの先駆者としてのラマルクとジョフロア」の準備の一環としてジョフロアについて調べているが、さらにそのスピンオフ研究として、「比較解剖学」の語義の歴史やドーバントンらの生涯と業績などについてもまとめることにした。いずれは(命がもてば)執筆するつもりでいる生物学通史の材料にもなるだろう。

2022年11月9日(水)体調不良
 午前中に歯科検診を予約していたのに、行き損なった。現役時代ならつねに日程を確認していたので、こんなミスはなかった。終日、なぜか体調不良。とにかく体を動かしたくない。夜は7時に就寝。

2022年11月8日(火)外出、月食
 昼前に河内長野駅前へ。銀行、郵便局、百均、スーパーで用事を済ませて帰宅。これだけで体力消耗。それでも夜は7時前から9時過ぎまで、東側の窓から皆既月食を観ることができた。

2022年11月6日(日)ダーウィン研究
 紀要原稿「ダーウィンの先駆者としてのラマルクとジョフロア」の準備の一環としてジョフロアを理解するため、アペル『アカデミー論争』とギアダ『ジョフロア・サンチレール』とを並行して読んでいるが、読むだけではなかなか頭に入らない。生涯と業績を自分なりに整理、入力することにした。ジョフロアの若年期については息子のイシドールによる伝記(1847)が唯一の資料のはずだが、辞典類によって微妙に記載内容が違っている。イシドールの原著にもどるのも面倒なので、ここではアペルに従っておこう。それにしても、研究実績皆無のジョフロアが21歳で自然史博物館の動物学教授に任じられるとは、まともな社会では考えられないことであろう。

2022年11月5日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。筋力低下が体調不良の一因なので、自宅で簡単なストレッチ運動をするよう指導を受けた。自宅での運動の必要性は分かっているので、いままでにもトライしているが、いつのまにか止めている。今度はなんとか続けたいものだ。

2022年11月2日(水)散髪
 散髪のため午前中に外出。南海高野線のダイヤは信号関係の故障で乱れていたが、我が行動には大きな影響が無かった。体調が芳しくないので本日もそのまま帰宅したが、疲労感が甚だしい。午後はなにもできなかった。

2022年10月30日(日)ダーウィン研究
 16日以来、断続的に読んできたコルシ(2011)をようやく読み終えた。「ラマルクとジョフロア:1825-1840」というサブタイトルから、両者に関する総説と見なしていたが、違っていた。さまざまな事項が盛り込まれており、冗長の感がある。中心的な内容は、1830年代のフランスの百科事典類でラマルク進化論を取り上げている複数の項目の紹介であり、ラマルク説が無視されていたという通説は誤りであるという。現在の我がテーマ「ダーウィンの先駆者としてのラマルクとジョフロア」には直接の関係はなかった。期待外れの内容であった。

2022年10月29日(土)体調不良
 腰痛は軽くなっているが、なんとなく全身がだるい。デイサービスを休むことにして、早朝、事業所に連絡した。日中はほぼ、ぼんやり過ごしたが、少しは文献を読むこともできた。

2022年10月27日(木)インフルエンザワクチン
 一昨日、昨日と腰痛に苦しんだが、今回は3日目で劇的に軽くなった。まだ痛みは残っているが、日常生活に支障はない。しかし用心のため、隣町の福岡医院にはタクシーで往復。通常、木曜日に午後の診察はないが、本日はインフルエンザ・ワクチン接種だけのための開設。切れ目なく予約者が詰めかけていた。

2022年10月25日(火)腰痛再発
 起床時に、なにがきっかけか、腰に激痛が走り、「痛い、痛い」とわめきながらの一日になってしまった。とても文献に取り組む気にはならない。せめて4日分のジャーナルだけでも書いておこう。

2022年10月24日(月)検診予約
 昨日の疲れが出てぼんやり過ごしていたが、夕方になってからシニアカーで隣町の福岡内科へ。降圧剤をもらい、健康診断の予約を取り、ついでに近くの、さこがわ歯科でも検診の予約を取って帰宅。無駄な一日にはならなかったと、自己満足。

2022年10月23日(日)東大寺
 朝、家を出て、昼過ぎに東大寺へ。まずは戒壇院千手堂へ。行楽日和の日曜日なので観光客も多かったが、ここまで足を延ばす人はほとんどいない。通常は見ることのできない見事な千手観音像に手を合わせ、次は法華堂の不空羂索観音。ここでは参拝者の途切れることかない。最後は東大寺ミュージアム、お目当ては戒壇院四天王像。東大寺の場合、境内を移動するだけでエネルギーを使い果たしてしまう。いつもなら奈良博の仏像館にも行くのだが、元興寺の薬師如来立像も浄土寺の阿弥陀如来立像も出ていないようなので今回は省略。あまり疲れることなく、難波にもどることができた。
 
2022年10月22日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。腰の違和感が消えないので、メニューの一部は省略している。

2022年10月20日(木)整形外科
 朝、紀要論文「『種の起源』のアメリカ版とドイツ語訳」の再校もどしを投函し、三日市町駅筋の田中整形外科へ。骨粗鬆症の薬を処方してもらって帰宅。これだけで一日の仕事が終わった気分である。

2022年10月19日(水)「日本初の博物館」
 夜8時からのBSプレミアム「英雄たちの選択」を見る。新聞の番組欄では「国の宝を守れ!逆境に挑んだ明治人のドラマ。日本初の博物館誕生!」と記載されているが、NHKのホームページでは「日本の宝を守れ!町田久成・博物館創設への挑戦」となっている。町田久成の名を知っている人は少ないので、新聞紙面での表現を変えたのであろう。文化財保護にかけた久成の人生はそれなりに描かれているが、博物館史としては疑問だらけである。日本初期の博物館史は、佐々木時雄『動物園の歴史』(西田書店、1975)に資料を提示しながら記載されている。博物館創設の実務を担ったのは幕府の下級役人だった田中芳男であり、これを支えたのが薩摩藩の名家出身で上司の久成であった。田中がイメージしていた理想の「博物館」はフランスの国立自然史博物館であった。この場合の「博物館」は建物ではなく、植物園、動物園、陳列館などを含めた敷地全体を意味している。久成がイメージしていた理想の「集古館」は大英博物館であったが、当時の大英博物館は文化財博物館と自然史博物館を兼ねていた。
 日本最初の博物館は上野の博物館ではなく、「山下町博物館」である。これは自然史博物館に文化財博物館と産業博物館の要素をも加味したものであった。上野の博物館もその性格を引き継いでいたが、時の流れの中で現在のような純然たる文化財博物館に変貌していった。番組では山下町博物館の時代から文化財博物館であったかのように語られていた。久成の業績を強調するためかとも思うが、歴史をゆがめることになる。
 以前、京都国立博物館で創設期の資料の展示があったが、それを見ると、京博も最初は自然史博物館であった。東西で自然史博物館が文化財博物館に変化していったのはなぜか。それをどう評価すべきか。日本博物館史の課題であろう。
 番組では山下町博物館の上野への移転を久成が決断したかのように語られているが、久成にそんな権限は無い。ここでも無理に「選択」にもっていくため、歴史をゆがめている。
 「英雄たちの選択」は日本史を勉強し直すきっかけになるので、ほぼ毎回、見ているが、今回のように信用できないこともあると肝に銘じておこう。

2022年10月16日(日)ダーウィン研究
 朝は5時に起床、外に出ると月齢20日の月が真上で輝いていた。今は9時就寝、5時起床が生活習慣になっており、この時間通りになった日は体調もよい。本日は午前中に雑件を片付け、午後、ラマルクとジョフロアに関するコルシ(2011)の総説に着手した。我が手元にあるのは、以前、ネット上に掲載されていたものをプリントアウトしたもので、A4版44ページである。本日、検索してみると、『モナコ先史人類学博物館紀要』(2011)に掲載されており、これも公開されている。内容に違いはないようだが、ネット論文では脚注だったものが、雑誌論文では文末注になり、文献一覧も付記されている。かなり長い総説だが、じっくり取り組んでみたい。

2022年10月15日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。帰宅後は、なにもしたくない病。

2022年10月14日(金)ダーウィン研究
 12日に着手した紀要原稿「『種の起源』のフランス語訳」の英文抄録をようやく書き終えた。これで準備完了、「『種の起源』のアメリカ版とドイツ語訳」の掲載誌が刊行され次第、投稿したい。明日からはジョフロアにのめり込むことになろう。

2022年10月10日(月)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。ダンジリ祭りのため、8日(土)を休んだ分の代替えである。祭日なのに利用者の欠席がなく、定員一杯の18名とにぎやかであった。

2022年10月9日(日)ダーウィン研究
 アペル『アカデミー論争』には、ジョフロアが1825年の論文で初めて進化論を唱えたとある。Guyader『ジョフロア・サンチレール』(1998)のM.Greneによる英訳(2004)では一つの章(Chapter 4)をこの論文の歴史的意義に当てており、キュヴィエとジョフロアの自然観の違いがこの論文で決定的になったという。
 この英訳書にはジョフロア『動物哲学原理』(1830)全編など、ジョフロアの論考の英訳が掲載されており、英訳ジョフロア論文集としても有益である。

2022年10月8日(土)ダーウィン研究
 4日(火)以来、ジョフロアについての第一歩としてアペル『アカデミー論争』(1987)を西村顯治訳(1990)でじっくり再読した。近年のジョフロア研究を早く読みたいという思いもあるが、まずは同書の内容をしっかり頭に入れておく必要がある。とはいえ、すぐに集中力が切れてしまうので休み休みの読書となり、読み終わるのに5日も掛かってしまった。さすがに西村訳はしっかりしていて、安心して読める。ただ、オーウェンに関連して「王立外科医師会」(Royal Collage of Surgeon)を「王立外科医学校」(p.383)としたのは残念であった。
 今日と明日は3年ぶりのダンジリ祭で周辺の道路が混雑するため、本日のデイサービスは休み。夕刊の配達も1時間以上、遅くなった。

2022年10月3日(月)初校返送
 紀要原稿「『種の起源』のアメリカ版とドイツ語訳」の初校を桃大に返送するため、午前中にシニアカーで町外れの郵便ポストへ。ついでに隣町のスーパーで買い物。これだけのことなのに、午後は体が動かない。かろうじて、ジョフロアに関する手元の資料を整理することができた。

2022年10月2日(日)夜。野球中継
 普段、プロ野球中継は阪神の勝ち試合か巨人の負け試合を、ながら視聴するだけだが、今晩は特別である。BS1(ソフトバンク・ロッテ)とBS2(オリックス・楽天)とを切り替えながら見ていた。圧倒的に有利なはずだったソフトバンクはなぜ、失敗したのか。オリックスの奇跡の優勝よりも、その方が気になる。

2022年10月2日(日)ダーウィン研究
 紀要原稿「『種の起源』のアメリカ版とドイツ語訳」の初校が昨日届いていたので、本日はこれを点検。今回は表記の揺れなどのイージーミスが多い。投稿を急いだので原稿の点検がおろそかになったようだ。次の「『種の起源』のフランス語訳」では、こうしたミスを皆無にしたい。

2022年10月1日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。腰の違和感が続いているので、メニューを一部省略。帰宅後はなにもできない。

2022年9月30日(金)近大眼科
 朝早くに近大病院へ。眼圧は前回より高くなっていたが、心配するほどではない。神仏への祈りがたりなかったか。本日も駅前スーパーで買い物をして帰宅。後は最低限の家事雑用で終わり。

2022年9月29日(木)散髪
 朝、散髪のため外出。バス停近くの田んぼで、わずかではあるがヒガンバナを見ることができた。散髪の帰りに駅前スーパーで買い物をして帰宅。これだけのことなのに、午後は疲れてなにもできない。

2022年9月28日(水)ダーウィン研究
 昨年の9月8日に紀要論文「書物としての『種の起源』」を送稿し、6日後の14日から『種の起源』の「歴史的概要」の研究に着手した。「歴史的概要」は『種の起源』第3版より早くドイツ語版とアメリカ版に掲載されていたので、両者の出版事情についてもまとめておくことにして、今年の1月19日からその研究に着手した。しかし、2月7日に方向転換し、「『種の起源』のアメリカ版と翻訳版」といった論題の研究ノートを5月までに書き上げることにした。ところが3ヶ月では到底まとまらず、9月末になってしまった。
 ようやく1年前にもどって「歴史的概要」についての研究を再開することになったが、ラマルクとジョフロアを他の人々と同列におくことはできないことに気付いた。まずは「ダーウィンの先駆者としてのラマルクとジョフロア」といったタイトルでまとめることにした。ラマルクについては基本的なことを理解しているつもりだが、ジョフロアが難しい。すでに集めた文献を読んでいきたい。

2022年9月26日(月)内科医
 昼前にシニアカーで隣町の福岡医院へ。待合室が満席になるほどの混雑であった。先週から気温が下がり、それにつれて早朝の血圧も高くなってきたが、薬を変えるほどのことはないようだ。降圧剤をもらって1時間ほど退出。ついでにスーパーまで足を延ばして買い物。帰宅後は家事雑用だけでダウン。

2022年9月25日(日)ダーウィン研究
 紀要原稿「『種の起源』のフランス語訳」を独立した論文にするための整理を終えた。英文抄録の執筆が残っているが、しばらく間を置くことにしよう。

2022年9月24日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。消えたはずの腰の違和感が再発してきたので、メニューも一部変更。帰宅後はなにもできない。

2022年9月23日(金)ダーウィン研究
 新刊洋雑誌消失のショックが消えたわけではないが、諦めるほかない。本日は紀要原稿「『種の起源』のフランス語訳」の整理に取り組んだ。もともとは投稿済の「『種の起源』のアメリカ版とドイツ語訳」と併せて一つの論文「『種の起源』の翻訳版」として執筆していたが、長すぎるので分離したものである。内容に変化は無いが、独立した論文にするために形を整え、注番号も変える必要があった。

2022年9月22日(木)桃大図書館
 桃大図書館から新刊洋雑誌が消えたことがショックで、昨夜はほとんど眠れなかった。生化学の実験をしていた20台の時から、新刊の洋雑誌を見ることが研究生活の一部になっていた。桃大を定年退職した後も、大学図書館に行けば洋雑誌を見ることができるという安心感があった。それが無くなり、どうしようもない喪失感に襲われている。現役の教員は不可欠な学術雑誌を個人研究費で購入できるが、年金生活では無理である。オープンアクセス論文が増加しているとはいえ、まだ冊子体も欠かせない。しかし、こうなると、そんなことも言っていられない。他大学の図書館に行く体力も気力もない。ネットを活用して補うほかないようだ。
  
2022年9月21日(水)桃大図書館
 桃大に行くのは昨年7月以来である。仏訳『種の起源』についての文献を補足した後、新刊雑誌を見に行って愕然とした。洋雑誌がほとんど無くなっている。昨年、現役の元同僚から洋雑誌の購入が厳しくなっているとは聞いていたが、ここまで徹底的に購入中止になるとは予想していなかった。桃大図書館には科学史関係の洋雑誌が充実していたが、すべて無くなった。思想史やイギリス史関係も無くなった。わざわざ大学図書館に行く目的の一つは洋雑誌を見ることだったが、その意義は失われた。残念でならない。
  
2022年9月20日(火)ダーウィン研究
 心配したほどの雨風にはならず、朝までに台風は去って行った。本日は体調も悪くない。J.Hist.Biol.最新号のオープンアクセス論文にアリストテレスに関するものがあった。ここ50年間の生物学(生物学史ではない)の学術論文を調査し、現在の生物学でもアリストテレスが高く評価されていることを明らかにしている。冒頭でダーウィンのアリストテレス論に触れているが、ダーウィンは最晩年までアリストテレスを読んだことがなかった。『種の起源』の「歴史的概要」におけるアリストテレス論も、間違った情報に基づく見当外れのものであった。ダーウィンを枕に持ち出すのは不適切というよう。
  
2022年9月19日(月)ダーウィン研究
 なぜか朝から疲労感に襲われ、体が動かない。年のせいにしても、困ったことだ。なんとかパソコンを立ち上げ、J.Hist.Biol.のホームページにアクセスした。最新号では、『ダーウィン書簡集』の編者の一人(P.White)による「さまざまなダーウィン書簡集」(The Many Lives of Darwin's Letters)がオープンアクセスになっていた。直ちにプリントアウトして読了。1974年にバークハート(F.Burkhardt)がダーウィン書簡集の編集を思い立ち、5年ですべてが終わると見込んでいたが、準備に10年を要し、第1巻の刊行が1985年になった。最後の第30巻は2022年のうちに刊行されるという。
 ヴィクトリア朝で流行した有名人没後の『生涯と書簡』は、親類や友人によって編集され、不都合と判断された部分は削除されたり、改編されたりした。当時の共通した編集方針は私生活については公表しないということであった。また、掲載するのは本人の書簡だけで、原則として本人宛の書簡は掲載されなかった。フランシス・ダーウィンによる『チャールズ・ダーウィンの生涯と書簡』も同様であったという。
 今回の『ダーウィン書簡集』は原文を忠実に再現し、ダーウィン宛の手紙もすべて収録され、「ダーウィン産業」のきっかけとなったという。ケンブリッジ大学では同書簡集の成果を基礎にして、広く19世紀の科学者の書簡を収録したデジタル・アーカイブEpsilonを作成しているという。早速、アクセスしてみたが、充実するのはこれからだろう。
 『ダーウィン書簡集』は科学史ばかりでなく、ヴィクトリア朝史全体の資料になるものである。日本でもほとんどの大学で購入しているだろうと予想したが、OPACで検索すると、第29巻(2022)を所蔵している大学は8校だけであった。桃大の他には、東大、京大、関西大、立命館大、法政大、東京農大、それと松山大学。あまりの少なさに愕然とした。しかし巻数を指定せずに検索すると、53校になった。どうやら第1巻が刊行された1985年当時は多くの大学で購入を始めたが、大学の冬の時代になって予算が抑えられ、高額な同書の継続購入を中止したらしい。ダーウィンや進化論史に対する関心が軽薄なことを反映しているともいえるだろう。残念でならない。
 本日はエリザベス女王国葬。夕方6時からのNHK.BSで、棺がバッキンガム宮殿からウエストミンスター寺院に運ばれる儀式を見た。大英帝国のかつての栄光をしのばせるものであった。
 これから深夜にかけ、ここも台風14号の影響で暴風雨になるらしいが、8時現在、まだ静かである。なにごともなく通り過ぎることを願っている。
 
2022年9月18日(日)無為
 早朝5時、下弦の月が真上で輝いていた。昨日の疲れは消えて体調も悪くないが、なぜかなにもする気にならない。家事のほかは漢字パズルで気を紛らわす。こんな日もあるさ。

2022年9月17日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。ようやく腰の違和感が消えたのでメニューも元にもどすようにした。
 
2022年9月15日(木)ドイル「ぶな屋敷」
 終日、異様な疲労感。原因不明。『シャーロック・ホームズの冒険』の最終作品「ぶな屋敷」を再読。知らぬ間に身代わり役を演じさせられていたというのが話の骨子だが、父親が実の娘をいじめるとか、監禁されている娘の食事やトイレはどうなっているのかなど、話の展開には納得できない所が多い。婚約者が使用人から情報を得ていたのなら、身代わりなど意味が無かったことになる。とはいえ、知らぬ間の身代わりというアイデアは悪くない。半七捕物帳の「奥女中」は明らかに本作を改編したもの。原作は家庭内暴力だが、こちらは人情話になっている。最後には参勤交代制の廃止まで織り込んでいる。さすがは岡本綺堂、見事なものだ。
 
 2022年9月14日(水)松尾芭蕉
 ようやく長谷川櫂『「奥の細道」をよむ』を読み終えた。「禊」、「歌枕」、「宇宙」、それと「浮世帰り」の4期に分けての解説は明快で、旅の全体像を把握できた。本日、読んだ句「むざんやな甲の下のきりぎりす」が、斎藤実盛と樋口次郎との逸話を踏まえており、きりぎりす(コオロギ)が元気に鳴いていると知って愕然とした。この句は横溝正史の『獄門島』で最初に出てくる句であり、そこで描かれているような状況を詠んだ句だと思い込んでいた。江戸時代の文人なら、「むざんやな甲」と来れば、樋口の実盛首実検のことと分かったのだろう。元は『平家物語』だが、直接には世阿弥の「実盛」で後ジテが樋口の言葉として語る「あなむざんやな是は斎藤別当にて候ひけるぞ」を引いているらしい。『獄門島』を読んだのは中学生の時なので、70年間、間違った解釈をしたままだった。ほかにも、とんでもない間違いを抱いたままなのかもしれない。恐ろしい。
 
2022年9月13日(火)松尾芭蕉
 早朝、5時半にシニアカーで町外れの郵便ポストへ。すでに明るくなっていたが立待月が西の空高く輝いていた。薄着では寒いくらいだったが、昼間は真夏並みの暑さ。まだ外出は控えておこう。
 昨日、紀要論文「『種の起源』のアメリカ版とドイツ語訳」を桃大の担当者にファイル添付で送ったので、ダーウィン研究は一休み。長谷川櫂『「奥の細道」をよむ』を読み終えようとしたが、なかなか手強い。やっと鶴岡までたどりついた。「松島の句をあえて入れなかった」(p.137)というが、「松島や ああ松島や 松島や」を芭蕉の句とする俗説には触れていない。「秋深し隣は何をする人ぞ」は間違いで、「ほんとうは『秋深き』である」(p.22)と書いているのだから、「松島や」の句についても一言あってしかるべきだろう。
 
2022年9月10日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。定員一杯の18名の参加でにぎやかだった。当方の腰痛は未だに完治せず、違和感が残る。運動中は次の研究テーマにどのように取り組むかを考えていた。旅行の準備と同様に、楽しい時間である。まだ「『種の起源』の翻訳版」の最終処理が残っているが、気持ちは先に向かっている。なんとなく楽しくなってきた。
 帰宅後はいつものように「なにもしたくない病」。夕食後に回復し、ジャーナルを書いている。東の空に名月を見ることもできたが、満月ではなく、少々欠けているようだ。

2022年9月9日(金)ダーウィン研究
 紀要原稿「『種の起源』のアメリカ版とドイツ語訳」の英文抄録を書き終えた。やれやれ。後は一太郎文書をワードに変換し、桃大の担当者に送るだけ。月曜日には一区切り付けられる。

2022年9月8日(木)松尾芭蕉
 涼しい一日だったが、続くことはないだろう。朝、9時過ぎに河内長野駅前へ。通勤通学のラッシュ時が過ぎたとはいえ、あまりにも閑散としている。1時間半ほどの外出で、帰宅後も余力は残っていたが、なんとなく英文抄録に取り組む気にならない。アマゾンで取り寄せていた長谷川櫂『「奥の細道」をよむ』を読み始めて日光までたどりついた。これからの季節に引用されることの多い句「秋深き隣は何をする人ぞ」が杜甫と王維の関係を踏まえているとは驚きである。

2022年9月7日(水)ダーウィン研究
 紀要原稿「『種の起源』のアメリカ版とドイツ語訳」の英文抄録に着手。憂鬱な作業である。日本語は「一太郎」で執筆し、ワードに変換しているが、英文は最初からワードで書いている。ブロークンでもよい。明日には書き終えたいものだ。

2022年9月5日(月)ダーウィン研究
 紀要原稿の仕上げ作業を再開。気持ちは次のテーマに向かっているが、とにかく原稿をまとめなければならない。体調も回復したので気合いを入れて行こう。今回は準備した原稿の前半分だけを投稿するので、タイトルは「『種の起源』のアメリカ版とドイツ語訳」。本文と注の整理を終了した。

2022年9月4日(日)体調不良
 終日、なにもしたくない病。疲労というよりも体調不良である。夜になってようやくパソコンを開ける気力が出てきたので、メモ程度のジャーナルを書いている。

2022年9月3日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。手術のため欠席していた大正生まれの最長老が久しぶりに元気な姿を見せたので、スタッフも参加者も大喜びであった。当方は相変わらず腰の違和感が続いている。帰宅後は疲れてなにもできない。

2022年9月2日(金)ドイル「緑柱石の宝冠」
 本日もダーウィンはお休みして、『シャーロック・ホームズの冒険』の第11作「緑柱石の宝冠」についてまとめておこう。といっても前作「独身の貴族」と同様の愚作である。ホームズ譚には、大事なものをそんなところに保管するはずがない、といいたくなる作品がいくつもあるが、これもその一つ。大銀行の金庫より自宅の金庫の方が安全なはずがない。それを言っては身も蓋もないので、自宅の金庫から金品が盗まれたとしてみよう。その場合も登場人物が少ないので犯人が特定されてしまう。謎など、まったくない。
 この作品で気になったのは本筋とは関係ない、ホームズのサンドイッチ。He cut a slice of beef from the joint upon the sideboard, sandwiched it between two rounds of bread, イギリス紳士が居室の棚に牛肉の塊(joint)を入れておくのか。生肉を食べるのか。納得できない。

2022年9月1日(木)『徒然草』
 朝の5時から1時間ほどは猛烈な雨と雷。その後も降ったり、やんだりの一日だった。ダーウィンは一休み、つれづれなるままに『徒然草』について書いておこう。
 高校の「古文」の授業で第52段「仁和寺のある法師」を読んだことを憶えている。一時、「少しのことにも先達はあらまほしきことなり」が同級生の流行語になっていた。
 今回、島内祐子の校訂・訳で全編を初めて読んだが、重苦しい。楽しいエピソードもあるが基本的姿勢は、いつ死ぬか分からないのだから「後の世のこと」を考えて真面目に生きようということ。第112段で、この歳になったら他人の思惑などかまっていられないと宣言しているのだから、もっと弾けてくれても良いように思う。同書を読んで開放感は得られなかった。島内の解説によると、兼好は50歳までに同書を書き終えているという。そんなに若いときから、日々、死や「後の世のこと」を考えていたとは驚きである。
  
2022年8月31日(水)ダーウィン研究
 紀要に投稿予定の論文「『種の起源』のドイツ語訳とフランス語訳」の原稿をまとめたところ、合計で80枚になることが分かった。枚数制限は原則として50枚以内とされている。80枚でも受け付けてもらえる可能性はあるが、やはり長すぎる。ドイツ語訳とフランス語訳とを分割することにした。それぞれ40枚程度になる。それに、ドイツ語訳については図書館で文献確認しなくて済む。この時期、なるべく外出を避けたいのでちょうど良い。フランス語訳についての論文を半年、眠らせておくことになるが、やむを得ない。当面は、「『種の起源』のドイツ語訳について」の原稿の形式を整え直し、英文抄録を執筆する作業が残るが、数日は離れてみたい。
  
2022年8月28日(日)ダーウィン研究
 ブロン訳『種の起源』の訳者脚注について入力終了。次はどうしても桃大図書館に出掛けなければならない。

2022年8月27日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。帰宅後、疲れてはいるが昨日ほどの異常な疲労感はない。しっかり運動した後なのになぜなのか。不思議な気がする。

2022年8月26日(金)散髪
 朝、散髪に外出し、どこにも寄らずに帰宅したが、異常な疲労感で横になっているだけ。運動らしいことはしていないのに、困ったことだ。

2022年8月25日(木)ダーウィン研究
 ブロン訳『種の起源』の訳者脚注38項目を読み終えた。延べ3日か。ブロンの注はほとんど5行以内で、内容はつまらない。文献補足の注が多いのは、レファレンス作成で名をなしたブロンとしては当然のことか。本文を批判する注もあるが、軽くケチをつけるという感じである。紀要原稿には数行、書くだけか。

2022年8月23日(火)ダーウィン研究
 暑さが和らいで桃大図書館に出かけるまでには日時がかかりそうなので、ブロン訳『種の起源』の訳者脚注38項目を全部、読むことにした。また数日間はドイツ語と付き合うことになる。

2022年8月22日(月)ダーウィン研究
 「『種の起源』の翻訳」の原稿全体を整理する作業をほぼ終えた。まだ、桃大図書館で確認しなければならない事項が残っているが、連日の暑さとコロナ流行のため、外出するのをためらっている。

2022年8月21日(日)ドイル「独身の貴族」
 終日、体がだるい。『シャーロック・ホームズの冒険』の第10作「独身の貴族」についてまとめておくことにしよう。といっても、この作品、あまりにもつまらない。謎らしきものはなにもない。結婚式の後、花嫁が自主的に姿を消した。ホームズの推理を待つまでもなく、昔の男が現れたので逃げたとしか考えられない。細部を論じる気にもならない。ホームズ譚の中でも駄作の筆頭だろう。

2022年8月20日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。腰痛が完治しておらず、姿勢を変えるときに軽い痛みが走るので、やはりメニューを変更。帰宅後は疲労のため、食事するのも面倒。今や半日のデイサービスが一日仕事になっている。

2022年8月19日(金)ダーウィン研究
 紀要に投稿予定の論考「『種の起源』の翻訳」の執筆をほぼ終えたので、投稿原稿にするための整理に取りかかった。文献注の形式などが不統一にならないようにするため、集中力を切らすことができない。本文執筆とは異なる疲労感がある。改めて原稿を見直すと、翻訳版出版の経過に重点が置かれていて、翻訳の出版にかけるダーウィンの執念が十分に伝わっていない。だからといって、いまから本文を書き足す気にもならない。不満足ながらこの形でまとめるほかない。

2022年8月16日(火)ダーウィン研究
 早朝、5時半にシニアカーで町外れの郵便ポストへ。湿度も高く、すでにむっとするほど暑い。空は明るくなっているのにセミや鳥の鳴き声が聞こえない。不気味な静かさであった。
 さて、2週間振りに「『種の起源』の翻訳」の執筆を再開、ブロン訳についてまとめた。独訳『種の起源』第15章を一読するとダーウィン説を支持しているようにみえるが、これは翻訳者としての配慮であった。生命の起源が説明できない以上、転成論は認められないというブロンの立場は変化していなかった。

2022年8月14日(日)ドイル「技師の親指」
 ダーウィン研究はちょっとお休み。『シャーロック・ホームズの冒険』の第9作「技師の親指」についてまとめておくことにした。これもポウの「落し穴と振り子」を下敷きにしていると思う。「落し穴と振り子」の最後の拷問、壁が迫ってくる恐怖をそのままいただいている。しかしポウ作の緊張感には及ばないし、作品としては根本的な欠点がある。偽金作りで不可欠なのは技術者である。犯罪者仲間に機械の故障を修理できる技術者がいないなど考えられない。そもそも農村にこんな機械を持ち込んだら怪しまれるに違いない。失敗作といってよい。

2022年8月12日(金)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。明日、事業所が休むための代替えである。昨日まで腰痛が改善せず、慢性化するのかと不安だったが、今朝の起床時にかなり軽くなっていたのでほっとした。それでも姿勢によっては痛みが出るので、運動のメニューは変更した。腰痛が治癒する見通しがついたが、今回は病状が長く続いた。基礎体力が低下しているためだろう。

2022年8月11日(木)ダーウィン研究
 ブロン「訳者あとがき」をようやく読み終えた。読み慣れないドイツ語で分量も26ページと長いものだったので時間が掛かった。その大部分でダーウィン理論の難点を指摘しているが、全体に冗長でうんざりする。苦労して読むほどの内容ではないが、論文のテーマのためには仕方がない。読むべき部分は「成功の見込み」(Aussicht auf Erfolg)という小見出しの下に書かれた最後の3ページ分だけといってよい。先の『種の起源』書評とは違って、ダーウィン学説支持に転じていることが分かる。とにかくこれで先に進める。

2022年8月6日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。まだ腰痛が続いているが、体力低下も困るので参加することにした。メニューを変更しての訓練。それでも帰宅後は疲れてなにもできない。

2022年8月5日(金)ダーウィン研究
 ブロン訳『種の起源』第15章「訳者あとがき」に着手。ダーウィン・オンラインから当該部分のpdfをプリントアウトした。個別創造論を厳しく批判する一方で転成論も認めないというブロンの主張をじっくり聞いてみたい。ばらくはドイツ語の世界に浸ることになる。

2022年8月4日(木)整形外科
 朝、三日市町駅筋の田中整形外科へ。隣の薬局で骨粗鬆症の薬を受け取った後、河内長野駅前の銀行へ。どこへも寄らずに帰宅したが、疲れ切っていた。本日はこれで終わり。

2022年8月1日(日)ダーウィン研究
 腰痛が続いているが、フォークトについての本文入力をなんとか終えることができた。ロマン主義だったフォークトはバクーニンと親しくなると一転、過激な唯物論者となった。師アガシと同様の反転成論者だったのに、『種の起源』を読んで一転、熱烈なダーウィン支持者となった。今の日本にも、専門分野では優れているのに思想面では単純な人々が存在するが、フォークトもそんなタイプだったのだろうか。

2022年7月30日(土)ダーウィン研究
 腰痛が治まらず、憂鬱な日々が続いている。本日も腰痛のためデイサースは欠席。腰痛に悩みながらも、連日、わずかずつではあるがフォークトに取り組んでいる。グレゴリー(1977)の第3章がフォークト論に当てられている。同書の趣旨からいってフォークトの思想について詳しいのは当然だが、動物学者としての研究成果はほとんど記されていない。しかしダーウィンはフォークトを優れた動物学者として認識しており、その過激な唯物論には無頓着であった。ネットに公開されているADB(『総合ドイツ伝記辞典』)にフォークトについて詳しい記載があった。筆者はエルンスト・クラウゼ。チャールズ・ダーウィンの祖父エラズマス・ダーウィンの伝記を書いた植物学者である。グレゴリーとは対照的に、クラウゼの解説はフォークトの動物学研究に集中しており、その唯物論には触れていない。現在では科学的唯物論者として知られているフォークトだが、当時の人々にとっては有能な動物学者であった。

2022年7月27日(水)「知的なインテリゲンチア」
 朝日の夕刊一面、岩波ホール閉館に関し、大見出し「知的なインテリゲンチア 集まる場所」が目に付いた。「インテリゲンチア」とは「知識階級」、すなわち「知的な人々」のことである。「知的なインテリゲンチア」はまともな日本語とは思えない。しかし編集や校閲の過程で何人もの「インテリゲンチア」の眼を経ているはずである。もしかしたら日本語として成立しうるのかと考えてみたが、無理だろう。新聞人の言語感覚もおかしくなっているのではないか。

2022年7月26日(火)腰痛再発
 起床時、腰に違和感があり、腰痛再発。「痛い、痛い」とわめきながらの一日となった。姿勢を変えるときに激痛が走る。こんな状態で文献に取り組むのは無理。テレビやパズルで気を紛らすほかない。

2022年7月24日(日)ダーウィン研究
 2日間の疲れを持ち越さないか心配だったが、寝起きの状態は良好なのでほっとした。文献に取り組むこともできた。我が本棚には二重、三重に本を詰め込んでいるので、あるはずの本が見つからないこともある。フレデリック・グレゴリー『19世紀ドイツの科学的唯物論』(1977)にはフォークトも登場していたはずだが、先日来、探しているのに見つからない。ところが、本日、あっさり出てきた。この際、原稿には書かないまでも、フォークトについてきちんと理解しておきたい。

2022年7月23日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。昨日の疲れが残っていたため、運動を始める前から疲労感があり、帰宅後はなにもできない。

2022年7月22日(金)近大眼科
 朝早くに近大病院へ。眼圧はまずまずの値。「上々吉」といえないまでも、「上々」といってよい。外出ついでに、いつもの理髪店へ。帰宅後は疲れ切っていた。
 テレビのリモコンが届いていたので、また、テレビ漬けの生活がもどってきた。

2022年7月21日(木)テレビの無い一日
 昼前、なぜか急にテレビのリモコンが機能しなくなった。電池を替えても駄目。電源オフも効かないのでテレビ本体の電源を切るほかない。アマゾンに発注したリモコンが届く明日まで、テレビの無い生活である。今年の2月に購入した非純正品は5ヶ月しかもたなかった。今度も同じなら、価格が倍でも純正品を買わねばなるまい。
 今やテレビつけっぱなしの生活だが、本日は聞こえるのがクーラーの音だけという静かな一日となった。しかしなんとなく物足りない。ラジオを持ち出し、NHK.FMで神尾真由子のヴァイオリンを聴きながらジャーナルを書いている。
 ラジオもテレビも無かった時代、人々は今よりも読書に集中できたのだろう。

2022年7月20日(水)徒然草
 起床したときから疲労感があり、なにもできない。夕食後、やや気力体力が回復したのでテレビの阪神戦(攻撃の回だけ)と演歌を耳にしながら4日分のジャーナルを書いている。徒然草は読者を前提していないということだが、このジャーナルも読者を気にせず書いていこう。
 『徒然草』第二十四段では、神社の中でも「殊にをかしきは、伊勢・賀茂・春日・平野・住吉・三輪・貴布禰・吉田・大原野・松尾・梅宮」と、「二十二社」の半数を挙げている。山城にある二十二社のうち、「石清水・伏見・八坂・北野」の4社がない。そこにも兼好のメッセージが込められている気がする。「石清水・八坂・北野」の3社は暴力的な神という共通項があり、兼好の好みに合わなかったのだろう。
 
2022年7月19日(火)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。ワクチン接種のため16日(土)を休んだので、その代替えである。本日の参加者は定員一杯の18名で、にぎやかであった。当方はいつもより疲れを感じたので運動量を減らした。それでも帰宅後はぐったりしてなにもできない。

2022年7月18日(月)徒然草
 昨日、アマゾンに発注した『徒然草』(ちくま学芸文庫)が届いたので読み始めた。校訂・現代語訳は島内祐子。注の少ないのが物足りないが、編集方針なのでやむを得ない。校訂者がいうように、とにかく全文を読んでみたい。

2022年7月17日(日)ダーウィン研究
 仏訳『種の起源』に関連して、フォークトの協力を扱ったJHBの論文(2007)を読了。従来、ダーウィンはフォークトの過激な唯物論を嫌い、フォークトを避けていたと語られていたが、当論文を読むまでもなく、書簡集をたどればその誤りか明らかである。ダーウィンはフォークトの過激な発言を気にすることなく、その協力を喜んでいた。

2022年7月16日(土)コロナワクチン接種
 昼過ぎに隣町の福岡医院へ。通常、土曜の午後の診察はないが、本日は4回目のワクチン接種のため、次々と予約した高齢者がつめかけていた。小雨のため、タクシーで往復しただけなのに、帰宅後の疲労感が甚だしく、本日はこれで終わり。

2022年7月15日(金)ダーウィン研究
 11日(月)以来、ロワイエ訳『種の起源』についての原稿を見直してきたが、ほぼ終えることができた。先月の3日に届いたJoy Harveyのロワイエ研究書(1997)で執筆内容を確認したが、加筆訂正する必要はほとんどなかった。しかし同書はロワイエ研究の基礎となるもので、ロワイエについて論じるためには、当然、参照すべきものであった。
 近年、ロワイエはフェミニズムの先駆者として注目されているが、彼女のフェミニズムは、自分のような優秀な女性は男性と同等に扱われるべきだという選民意識によるものであり、弱者切り捨ての優生思想、および有色人種を劣等とみなす差別意識と一体になっていた。とうてい、容認できるものではない。この不愉快な人物と、しばらくは離れることができる。

2022年7月13日(水)ワクチン接種予約
 昼前の郵便配達でコロナワクチンの4回目接種券が届いた。直ちにシニアカーで隣町の福岡医院に向かい、予約を済ませてきた。ついでにスーパーまで足を延ばしてきたが、行き帰りとも歩道駐車のため一時的に車道を走ることになり、わずかながら恐怖を味わった。とにかく暑い最中の外出で、本日は終わり。

2022年7月10日(日)ダーウィン研究
 終日、異様な疲労感。それでも『種の起源』アプルトン版についての原稿に若干の補充をすることができた。アメリカ版は簡単に済ませ、ロワイエ訳について書き足さなければならない。

2022年7月9日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。いつものメニューをこなし、帰宅後はこれまたいつものように疲れて終わり。

2022年7月8日(金)ダーウィン研究
 5日(火)以来、カルスによる『種の起源』独訳について執筆を進めてきたが、ようやく終えた。カルス訳による『ダーウィン全集』の全容確認などの作業に意外と時間を取られてしまった。ダーウィンとカルスとの間ではネーゲリやヘッケルも話題になっており、このこと自体、興味がある。しかし、今は我慢。とにかく予定の論考を仕上げなければならない。

2022年7月4日(月)銀行、選挙、医院
 朝、雨が降り止んでいる時間帯に河内長野駅前の銀行へ。三日市町駅前にもどり、市民ホールで参院選期日前投票。帰宅途中に福岡内科によって降圧剤をもらう。バスの連絡も良く、帰宅時のタクシーもすぐ来てくれたので、家を出てから2時間で帰ることができた。用事が一挙に片付き、この後は当分、外出しないで済む。しかし、これだけの外出で疲れ切ってしまった。午後はなにもできず、一日が終わった。

2022年7月2日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。一晩寝たら頭痛も治まり、体調も回復しているので、いつものメニューをこなすことができた。帰宅後の疲労も先週ほど激しいものではなかったので、一安心。

2022年7月1日(金)ダーウィン研究と頭痛
 カルスによる『種の起源』独訳について執筆開始。まずはカルスの生涯と業績を紹介しなければならないが、生物学史に動物学者カルスが登場することはほとんどない。結局、DSBの第15巻「補遺1」(1978)の解説に依拠することになった。ネット上のデータも活用しながら、ほぼ終日、ノートパソコンに向かっていたら、夕刻には頭痛に悩まされることになった。読書と同様、目を下に向ける姿勢が首の筋肉に負担をかけ、頭痛をもたらすらしい。体調が良いからといって、長時間、集中することもできない。

2022年6月30日(木)ダーウィン研究
 数日来、ブロン訳『種の起源』第2版について断続的に執筆してきたが、ようやく出版(1862, 1863)にこぎ着けた。ダーウィン・オンラインのイメージ版にはなぜかアクセスできないが、pdf 版を読むことができた。口絵の肖像写真も確認できた。発行元のシュヴァイツァーバルト社は、この肖像写真だけを購入することができると書いている。ドイツにおけるダーウィン人気を反映したものだろう。

2022年6月29日(水)一太郎2022
 暑い日が続いているが、体調は回復してきたようだ。一昨日にネットで発注した「一太郎2022」が届き、早速、インストールした。その作業に意外と時間を要した。いままでの一太郎2019との違いは分からないが、入力がスムーズになったような気がする。

2022年6月26日(日)ドイル「まだらの紐」
 ダーウィン文献に取り組める状況ではないので、久しぶりに『シャーロック・ホームズの冒険』を取り出し、第8作「まだらの紐」を再読した。ホームズ譚の中で最も知られている作品だろう。ポオの「モルグ街の殺人」を下敷きにしているが、それよりも優れたミステリーになっている。しかし、動物作家の実吉達郎によると、この犯罪は成立しないという。まず、蛇はミルクを飲まない。蛇には聴覚がないので口笛で呼びもどすことはできない。紐を降りてくる蛇をたたいても方向転換しない。そもそも蛇を金庫に入れていたら窒息死する、という。ミステリーとして成立しないとしても捨てがたい魅力がある。乱歩の「屋根裏の散歩者」の犯罪も「二階から目薬」で成立しないが、やはり捨てがたい魅力がある。こういう作品をどう評価したら良いのだろうか。
 今回、再読して気がついたのは、なぜ本筋に無関係なジプシーが登場するかということ。英語のbandには、「無法者の集団」といった意味もある。読者をミスリードするためのジプシーであった。初めてこの作品に触れた19世紀のイギリスの読者たちは、案外素直にミスリードされていたかもしれない。邦訳では「紐」と訳さざるを得ない。翻訳の限界だろう。
 翻訳といえば、阿部知二訳ではDr.Watsonを「ワトソン博士」、 Dr.Royottを「ロイロット博士」と訳しているが、明らかに誤訳である。「ドクトル・ジバゴ」を「ジバゴ博士」と訳す人はいないだろう。また、ワトソンは確かに博士号を取得したことになっているが、ロイロットは「医学士の学位を取得」(take a medical degree)しただけで、博士号は取得していない。
 2年前に亡くなった依頼者の姉のダイイングメッセージの冒頭 Oh, my Got! を阿部がどのように訳しているか見たら、なんと、「おお!」と書かれているだけ。翻訳を放棄している。この人は本当に英文和訳の大家なのだろうか。

2022年6月25日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。体調不良が続いているので運動量を減らしたが、それでも体に負担だったようだ。帰宅後はいつもより疲労感が強く、食事をするのも億劫であった。

2022年6月23日(木)ダーウィン研究
 体調やや回復。とうてい良好とはいえないが、休み休め筆を進め、ブロン訳『種の起源』初版(1860)の刊行までたどりついた。当時のダーウィンは、どんな形であれ、とにかく『種の起源』が翻訳されることを望んでいたことが分かる。

2022年6月22日(水)体調不良
 体調不良が続いている。朝は予約していた理髪店に出かけたが、様子を見たスタッフから大丈夫ですかと聞かれるほどだった。散髪を機にどこかへ出かけるようにしているが、本日は無理。帰宅後、ゴロゴロしているだけ。原因不明だが、そのうちに良くなるだろう。

2022年6月21日(火)体調不良
 朝早くはけっこう体が動いたのに、9時ごろから異様な疲労感に襲われ、終日、それが続いた。原因不明。天候の変化に体が追いついていないのかもしれない。

2022年6月20日(月)ダーウィン研究
 ブロンの『種の起源』書評(1860)はブロン編集の専門誌に掲載され、アクセスしにくいため、ハル(1973)の英訳で読まれてきた。しかし今は、ドイツ語原文とハルの英訳のテキスト版がダーウィン・オンラインに収録されており、掲載誌全体のイメージ版もインターネット・アーカイブで見ることができる。在宅のまま研究が続けられるのも、こうしたネット版の普及のおかげである。

2022年6月19日(日)ダーウィン研究
 ここ数日、ブロンについて断続的に調べてきたが、やっと、ある程度まとまったことが書けるようになった。DSBでは立項されず、編集方針が変化したNewDSBで立項されている。地質学史関係の文献にもほとんど登場しないので困惑したが、チッテル『地質学と古生物学の歴史』(1901)に詳しく記載されていた。ブロンの『化石誌』(1835-38)の改訂版(1851-56)は北大、東北大、東大、および京大に所蔵されている。地質学の不可欠なレファレンスとして、世界中で用いられていたことが分かる。19世紀後半の学界では、だれもが知っている名前であった。ブロンは反転成論者ではあったが、『種の起源』独訳を申し入れてきたことにダーウィンが喜んだのも無理はない。

2022年6月18日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。帰宅後は、なにもしたくない病。食事をするのも億劫。最低限の家事を済ませて、さっさと寝るほかない。

2022年6月15日(水)ダーウィン研究
 昨日の反動か、体が動かない。『種の起源』ドイツ語訳について、わずかに進めただけ。書簡集から分かるように、ダーウィンはケリカーに訳業を打診するようハクスリーに依頼していたが、ハクスリーがケリカーに問い合わせる前にブロンからドイツ語訳に関わりたいとの書簡がダーウィンに届いた。ところが、ヴァン・ワイの『ダーウィン便覧』(2021)の「ケリカー」の項では、ハクスリーがケリカーを提案したが、ダーウィンはブロンを選んだとしている。これはフリーマンの『ダーウィン便覧』(1978)の誤解を受け継いだものである。

2022年6月14日(火)ダーウィン研究
 ここ数日、家事雑用の合間に『種の起源』アメリカ版について入力してきたが、ようやく終えた。本日もやや躁状態。体が良く動いた。投稿までに余裕があれば調べたいことが残っているが、一旦、切りを付け、先に進みたい。

2022年6月11日(土)『方丈記』再読
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。帰宅後、気力が残っていたので、『方丈記』を再読してみた。短時間で読み切れる分量である。今回気になったのは、源平騒乱のまっただ中で生きていたのに、著者が触れているのは福原遷都だけ。南都焼討などを無視し、天災ばかりに注目したのはなぜだろう。大河ドラマ「鎌倉」の影響もあり、改めて気になった。

2022年6月9日(木)無為
 昨日の疲れで、ゴロゴロしているだけ。夜になってやや気力回復。昨日分のジャーナルの下書きに取り組むことができた。

2022年6月8日(水)京都国立近代美術館「鏑木清方展」
 元気なころは平安神宮近辺によく出かけていたが、最近はご無沙汰している。近代美術館を訪れるのは多分、20年振りぐらいだろう。鏑木清方没後50年に当たる今年、大規模な展覧会が開催された。代表作「築地明石町」を単体で見ていたときは、夫人が失われた過去を振り返っていると解釈していたが、今回、「浜町河岸」と「新富町」の間に展示されているのを見ると、夫人の眼は「浜町河岸」の小娘に向いている。夫人は幼い時の自分を見ていたのだ。小娘は踊りの稽古に夢中になっている。「新富町」には現役の芸者が描かれているが、「浜町河岸」が人生の幼年期、「築地明石町」が壮年期だとすれば、「新富町」は人生の老年期と解釈したくなる。芸者は蛇の目傘で視野をふさぎ、足下しか見ていない。高齢者が未来を見ることはない。芸者がとりあえず雨を防ぐことに集中しているように、高齢者はその日その日を無事過ごすことに集中している。画家の意図とはかけ離れた解釈であろうが、自分の目にはそのように見えた。

2022年6月7日(火)内科医
 午前中に隣町の福岡医院へ。ついでにスーパーで買い物。帰宅後は家事雑用と、けっこう体が動いた。

2022年6月5日(日)ダーウィン研究
 ロワイエ訳についての補充とドイツ語訳についての執筆がまだだが、先にアメリカ版を片付けることにした。本日はその下調べ。

2022年6月4日(土)50年前
 昨日から軽い躁状態が続いている。洋書の届いたことがきっかけになっているのかもしれない。今朝も早くに家事雑用をこなしてからデイサービスへ。帰宅、昼食後はさすがにぐったりしていたが、夜になって気力復活。最近の新聞テレビではしばしば50年前の事件が取り上げられている。この機会に1972年当時の出来事を振り返っておこうと思い、記憶に強く残っているものを整理してみた。
 1月、横井庄一さん発見。2月、 札幌オリンピック、あさま山荘事件。3月、高松塚古墳壁画発見。4月、川端康成自殺。5月、千日デパート火災、沖縄返還、テルアビブ空港乱射事件。7月、田中角栄内閣発足。9月、日中国交正常化。10月、上野動物園にランランとカンカン来園。
 ベストセラーでは田中角栄『日本列島改造論』。映画では「ゴッドファーザー」、「男はつらいよ 柴又慕情」。テレビドラマでは「木枯し紋次郎」。
 流行歌では宮史郎とぴんからトリオ「女のみち」、小柳ルミ子「瀬戸の花嫁」、山本リンダ「どうにもとまらない」
 当時、自分は33歳。東京で、不安定だがそれなりに充実した生活を送っていた。

2022年6月3日(金)ダーウィン研究
 6週間前に発注した洋古書が紀伊國屋から届いた。Joy Harvey によるロワイエ研究書(1997)である。紀伊國屋のリストの中から最も安いものを選んだが、それでも5千円弱である。国内の他大学から借用もできるが、借用の費用、桃大への交通費、それと借用期限を考慮したら海外から購入する方が得である。この文献がなくても一通りのことは書けるが、ロワイエ研究の基本文献として参照することにした。『種の起源』の翻訳書の中で問題になるのは、ダントツでロワイエ訳である。ダーウィンのロワイエに対する激しい怒りは、ダーウィンの生涯の中でも最大のものであろう。温厚なダーウィンがなぜこれほどの怒りを爆発させたのか。このことを中心に、ロワイエ訳についてさらに書き込もうと思う。

2022年6月1日(水)ダーウィン研究
 ブロンによる『種の起源』独訳についての下調べを昨日で終わり、カルスの関与について着手。ブロンは、生命の起源の説明がない以上、転成論は認められないと主張し続けていたのに、『種の起源』の翻訳に取り組み、専門外の『ランの受精』も翻訳している。しかし、反転成論者が『種の起源』を翻訳することには無理があり、その訳書には批判が殺到した。独訳第2版(タイトルページには1863と記されているが、実際には1862年に3分冊で刊行されている)もブロンの訳だが、フリーマンの『ダーウィン書誌』(1977)には訳者としてカルスの名も記されている。フリーマンは同訳書の実物を見ていると思われるが、なぜこのような誤記が生じたのか不思議である。定評ある書誌にも基本的な事項でこのような誤記のあることに注意しなければならない。

2022年5月30日(月)ダーウィン研究
 ダーウィン書簡集のネット版でブロンによる『種の起源』独訳の経過をたどる作業を続けているが、すぐに集中力が途切れ、果が行かない。焦らず進めるほかない。一応、独訳初版(1860)は原著第2版(1860)の訳であり、独訳第2版(1863)は原著第3版(1861)の訳ではあるが、実際には独訳初版は原著第3版に近く、独訳第2版は原著第4版(1866)に近い。ダーウィン書誌を参照するだけでは分からないことであろう。

2022年5月28日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。寝起きから体調が芳しくないので休むことも考えたが、週一のリハビリを怠るのもよくない。通常よりも運動量を減らすことにした。帰宅後はひたすら休むだけ。

2022年5月27日(金)近大眼科
 午前中は近大眼科。朝晩、眼圧低下の目薬をきちんと差しているが、後は神頼み。受診番号が縁起の良い「777」だったことにも期待したが、結果は可でもなし不可でもなし。一応、よしとするか。この後、元気なころなら桃大図書館に行くのだが、今は早く帰宅して横になりたいと思うのみ。

2022年5月25日(水)ダーウィン研究
 暑い一日であった。ついこの間まで寒い寒いといっていたのに、今年になって初めて冷房を入れた。そんな中でダーウィン研究を再開。午前中は『種の起源』仏訳について補充し、午後は独訳に着手。最初のブロン訳には厄介な事情が絡んでいるので、簡単には済まないだろう。

2022年5月22日(日)ジャーナル執筆
 さすがに2日間の疲れが出て、朝食後は、なにもしたくない病。午後遅くなって体力が回復してきたので、3日間のジャーナルを書いている。

2022年5月21日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。昨日の疲れが出ないか心配だったが、意外に元気で、帰宅後も家事雑用をこなすことができた。興奮状態が続いてるのかもしれない。

2022年5月20日(金)奈良博「大安寺のすべて」
 散髪のため外出したついでに奈良へ。大官大寺の後継寺院がどうなっているのか知りたくて、かつて大安寺を訪れたことがある。我がジャーナルを検索すると、2014年11月24日のことであった。今回の特別展には大安寺に現存する天平仏9体すべてが展示されている。しかし、8年前にも感じたことだが、後世の後補も多く、美術史上は重要であっても、一般人にはそれほど魅力のある仏像群ではない。大安寺から流出した宝物のうち、西大寺の「金銅透彫舎利容器」が出展されていたが、興福寺北円堂の四天王像は写真だけだった。大分・永興寺と香川・鷲峰寺の模刻像が出ていたが、改めて本物の魅力を確認することになった。展示品に物足りなさがあったが、大安寺の歴史を知るよい機会になった。現在、大安寺では宝物殿改修への寄進を募っているが、1口1万円はつらい。この展覧会に行くことで、貧者の一灯、わずかながらも貢献したと思いたい。
 新館の特別展の後は、仏像の優品が並ぶ仏像館へ。展示法が大きく変わっているのには、いささかびっくりした。中央の大きな第6室には特別公開の金剛力士立像(金峯山寺)が左右に置かれて中心線は空白になり、浄土寺の阿弥陀如来は第8室に異動していた。最大のお目当て、薬師如来立像(元興寺)はなぜか展示されていなかった。今回は体力と時間を考慮して、仏像館はざっと観るだけにした。今年中にはゆっくり観る機会を作りたい。

2022年5月19日(木)ダーウィン研究
 晴天が続いている。一昨日は家事だけで終わり、昨日、ダーウィンの著書のバルビエ訳に着手した。ロワイエ訳やムーリニエ訳のような厄介な事情がないので、本日、一気に執筆を終了。『種の起源』フランス語訳について、ほぼ終えることができた。
 2月16日の我がジャーナルを見ると、『種の起源』フランス語訳については2月中に書き上げ、「3月にドイツ語訳、4月にアメリカ版について執筆し、5月に全体を整えれば、同月中に研究ノートとして桃大紀要に投稿できる」と書いている。あきれるほど楽観的であった。ドイツ語訳とアメリカ版についてはこれからだが、9月末の締め切りには間に合うだろう。

2022年5月16日(月)ダーウィン研究
 ムーリニエ訳『種の起源』についての執筆を終了。一仕事終えた気分で、一時的に虚脱状態になった。ムーリニエがダウンハウスを訪ね、ダーウィンの家族から温かいもてなしを受けて感激したことも書こうかと思ったが、論文の趣旨から外れるし、出典明記も面倒なので止めた。とにかく、『種の起源』のフランス語訳は厄介な経過をたどっている。

2022年5月15日(日)ダーウィン研究
 ムーリニエによる仏訳『種の起源』についての下調べを一応、終了。今は多くの一次資料がネット上に公開されているので、在宅のまま研究が進められる。ダーウィンについては「ダーウィン・オンライン」が便利だが、デジタル化が不完全な文献がかなりある。ムーリニエ訳『種の起源』(1873)の場合も、イメージ版にはアクセスできないし、テキスト版には文字化けがある。さいわい、この文献はgallicaで見ることができた。たとえデジタル化が不完全であっても、資料を確認できるのはありがたい。

2022年5月14日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。いつものメニューをこなし、本日はこれで終わり。

2022年5月13日(金)ダーウィン研究
 この3日間、『種の起源』仏訳の訳者ムーリニエとダーウィンとの往復書簡を読んできた。ムーリニエは『由来』と『起源』第5版の翻訳を並行して進めていたが、普仏戦争のために印刷が中断されてしまった。戦争が出版の遅れの原因になっていたとは、気がつかなかった。

2022年5月10日(火)銀行
 午前中に河内長野駅前の銀行へ。カード決算の10日なので、ATM前は行列になっている。三日市町駅前にもどり、スーパーと本屋で買い物。これで本日は終わり。

2022年5月9日(月)内科医
 寒さがもどってきた。午前中にシニアカーで隣町の福岡医院へ。いつもより血圧が高いのも寒さのためだろう。スーパーに寄って帰宅した直後に雨が降り出した。午後はなにもしたくない病で終わり。

2022年5月8日(日)ダーウィン研究
 『種の起源』第5版(1869)は『人間の由来』(1871)より前に出版されているのに、ムーリニエによるフランス語訳は『人間の由来』の方が先に出版されている。どうでもいい問題ともいえるが、こうした問題に取り組めるのも現役を退いた余裕であろう。

2022年5月7日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。体調はかんばしくなかったが、いつものメニューをこなし、帰宅後はぼんやりしているだけ。

2022年5月6日(金)ダーウィン研究
 ラインヴァルド社の仏訳出版について入力開始。フォークトが同社をダーウィンに紹介するところまで、たどり着いた。書簡集の該当箇所を明示しながらの執筆なので手間はかかるし、体力も続かない。少しずつ前に進めるしかない。

2022年5月4日(水)ダーウィン研究
 仏訳『種の起源』についての研究を再開、といいたいが、意欲に体がついてこない。異常な疲労感が続いている。それでもなんとかダーウィン書簡集をたどり、パリのラインヴァルド社との関係が1867年に始まっていること、同社をダーウィンに紹介したフォークトとの関係も1867年に始まっていることが分かった。ダーウィンとフォークトとがまず顔写真を交換しているのが面白い。

2022年5月2日(月)ドイル『緋色の研究』
 寒い日が続いている。なんとなくダーウィン研究を再開する気にならないので、ホームズ譚第一作の冒頭部分、ワトソンの兵歴を英文でじっくり読んでみた。イギリス人なら現在でも、地名のNetleyだけで当時の陸軍病院のことだと分かるのだろうか。ワトソンは1878年に医学博士の学位を取得し、Netleyで軍医としての訓練を受けた後、インドに赴くが、その時には第二次アフガン戦争が勃発していたという。第二次アフガン戦争は1878年に始まっているので、Netleyでの訓練は半年程度だったことになる。ワトソンはノーサンバランド連隊からバークシャー連隊に転属となり、マイワンドの戦い(1880年7月)でひどい目にあったという。マイワンドにおけるバークシャー連隊の苦戦は、イギリスでは今でも有名なのかもしれない。
 手元にある翻訳書は阿部知二訳(創元社、1960)だが、‘enteric fever’を「腸チフス」と訳しているのには疑問がある。医師でもある原作者が用いていない「チフス」という術語は訳でも使うべきではないだろう。‘through the passes’を「山岳地帯から」としているのもおかしい。‘a paternal goverment’を「本国政府」としているのは、誤訳であろう。他の訳書とも比べてみたいと思う。

2022年4月30日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。寒さがもどってきたのでヒートテックの下着と靴下で出動したが、それでも足りなかった。季節外れではあっても電熱ベストを着用すべきだった。

2022年4月29日(金)ダーウィン研究
 ほぼ終日、ロワイエ訳『種の起源』についての執筆に取り組み、とりあえずこの節を書き終えることができた。まだ気になるところが残っているが、これについては紀伊國屋に発注した古書が海外から届くのを待つほかない。
 テレビでは本日から10連休と騒いでいるが、当方には関係ない。コロナも怖いので、連休の間は家に閉じこもっていよう。

2022年4月28日(木)ダーウィン研究
 珍しく朝から体調が良い。家事雑用の合間に、少しだけロワイエ訳『種の起源』について入力することができた。先週の木曜日以来のことである。

2022年4月27日(水)ジャーナル執筆
 午前中は、なにもしたくない病。ただただ、ごろんとしている。午後は少しだけ家事雑用。夜になって気力、体力がもどってきたので、4日分のジャーナルを書いている。

2022年4月26日(火)家事雑用
 終日、家事雑用。午後、ケアマネが月一度の調査で来宅。デイサービスのスタッフなどから当方の体調が良くないとの報告があるという。本人としては、困ってはいるものの、年相応でどうしようもないと思っている。

2022年4月25日(月)その2。整形外科
 朝、三日市町駅筋の田中整形外科へ。月曜の午前は混雑すると分かってはいたが、連休前の晴れの日は今日だけのようなので、行くほかない。案の定、混雑していたが、当方は処方箋をもらうだけなので比較的早く終わった。隣の薬局で骨粗鬆症の薬を受け取り、駅前のスーパーで買い物。駅前からタクシーで帰宅したかったが、乗り場にはタクシー待ちの行列。なぜか最近は駅前からタクシーに乗るのが難しくなった。やむを得ずバスに乗ったが、バス停から自宅までの登り坂はつらい。大げさでなく、息も絶え絶えの状態で家にたどり着いた。

2022年4月25日(月)その1。河内長野市議選
 昨日の市議選の結果が朝刊に掲載されている。定員18で候補者23。市議選としては激戦であったが、なんと、5名立候補の共産党の現職と新人の計2名が落選している。現職で落選したのは共産党だけである。共産党と公明党は票読みが正確なはずではなかったか。公明党は手堅く4名を当選させている。維新は現職2名に加えて新人2名をいずれも上位で当選させている。維新によって共産党がはじかれた形になっている。
 大阪の選挙で維新が強い最大の要因はテレビだろう。大阪の民放テレビのニュースショーでは、毎日のようにどこかの局に橋下徹が出演している。実質的には大阪の民放が総力を挙げて維新を応援しているといえる。問題は毎日放送の元日特番だけではない。

2022年4月24日(日)文楽追想
 午前中は家事雑用。午後、一昨日の文楽についてジャーナルを執筆したあと、劇場で配布されていたカラー刷りパンフ『文楽座の歩み』を読んでみた。パンフを作成した一般社団法人「人形浄瑠璃文楽座」という組織があることを初めて知った。技芸員たちの変遷を見たくなったので、書棚から国立劇場芸能鑑賞講座『文楽』(1975)と1990年の『文楽名鑑』を取り出し、今月の「筋書き」掲載の「技芸員紹介」欄と比べてみた。現在の人間国宝4人と新たに切り場語りになった3人は、皆、1975年の名簿に掲載されている。すでに舞台では見ることのできなくなった人々も、なつかしく思い出す。太夫では越路太夫(大正2年生)や津太夫(大正5年生)、三味線では喜左衛門(明治24年生)、人形では玉男(大正8年生)や勘十郎(大正9年生)など。現在の桐竹勘十郎が名簿の末尾に「吉田簔太郎」で掲載されているのにも歴史を感じる。
 ところで我が書棚には鑑賞講座『文楽』の初刷(1975)のほかに第3刷(1985)もあるが、初刷の「文楽名鑑」(pp.100-112)が第3刷(1985)には掲載されていない。おそらくこの名鑑は初刷だけにあるのだろう。文楽愛好者が古書で同書を購入する場合、是非とも初刷を入手すべきであろう。

2022年4月23日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。昨日の疲れもあってふらつき気味ではあったが、いつものメニューをこなすことはできた。帰宅後は寝転がるだけ。

2022年4月22日(金)文楽「義経千本桜」
 文楽劇場4月公演の第一部へ。「伏見稲荷」、「道行初音旅」、それと「河連法眼館」。「豊竹咲太夫文化功労者顕彰記念」と銘打った公演だが、「四の切」を語るはずだった肝心の咲太夫は病気休演。代演は織太夫。「中」を語った呂勢太夫とともに、次代を担う太夫を聴くことができたとしておこう。狐忠信の人形は勘十郎。早変わりや宙乗りの派手な演出で客席から拍手をもらっていた。「道行」では頭の上で5丁の三味線が鳴る。舞台には桜があふれ、適度な気分転換になった。
 チケット売場には当日売りの購入者が列を作っていたのに、客席は半分も埋まっていなかった。コロナ対策は徹底しているが、ロビーでお茶も飲めないのがつらい。夏には脱水症予防も考慮すべきではなかろうか。
 咲太夫は小生より5歳も若い。早く回復することを願っている。

2022年4月21日(木)ダーウィン研究
 昨日、ロワイエ訳『種の起源』第2版(1866)についての入力を終え、本日は第3版に着手。同書のタイトルページには出版年が1870年と記載されているが、ダーウィンの書簡から判断すると1869年に出版されていることが分かる。第3版はダーウィンに連絡無しで出版された。ダーウィンが9月にパリのマッソン社に送った抗議の書簡は見つかっていないという。後にダーウィンが弁解するほど、激しい怒りが表明されていたようである。ダーウィンがどんな言葉を用いていたのか、読んでみたかったな。

2022年4月19日(火)ダーウィン研究
 この3日間、ロワイエ訳『種の起源』に取り組んできた。切りがないので初版(1862)については本日で打ち切り、第2版(1866)に着手した。集中力が持続せず、思うように進まない。それでも一歩前進したのでほっとしている。

2022年4月16日(土)デイサービス
 寒さがぶり返してきた。午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。昨日の疲れが出ないか心配だったが、いつものメニューをこなすことができた。帰宅後は寝転がってぼんやりテレビを見るだけ。

2022年4月15日(金)藤田美術館
 散髪に外出したついでに、4月1日にリニューアルオープンした藤田美術館へ。コロナの心配もあって迷ったが、気分転換のため出かけることにした。現役時代にも訪れたことがあったが、住宅を利用した美術館で春秋しか開館せず、駅からも遠かったので再訪することはなかった。2019年4月の奈良博藤田美術館展で、豊かな収蔵品のあることを知った。本年1月の奈良博藤田美術館展は見送って、リニューアルオープンしたら訪れることを楽しみにしていた。近くにはJR東西線の大阪城北詰駅がある。あらかじめホームページで確認したが、フロアガイドもなく、美術館の様子がわからない。とにかくでかけることにした。
 結論をいえば、がっかりした。美術館に入ってもチケット売場も案内板もない。チラシも展示品目録もない。フロアにいる係員が立ったまま、一人1000円をカードで受け取り、展示室に入れてくれる。展示室内は暗く、展示品も少ない。一旦、展示室内に入ると座って休むところもない。展示室外にはショップもなく、したがって図録もない。おそらく美術館についての館長なりの信念が反映しているのであろうが、来訪者にゆっくり楽しんでもらうというサービス精神には欠けていると思う。駅近くで気楽に行ける美術館ができると喜んでいたのだが、期待外れであった。
 
2022年4月14日(木)ダーウィン研究
 相変わらず異常な暑さが続いているが、なぜか体調が回復してきた。1週間振りにロワイエ訳『種の起源』に取り組むことができた。ジャーナルを書くのも3日振りである。ロワイエ訳にこれほど手間取るとは予想していなかった。それだけ翻訳書としては異常であり、ロワイエ本人も並外れている。

2022年4月13日(水)体調不良
 急な暑さに体が慣れないのか、ここ数日、体調不良が続いている。頭痛にも悩まされている。最低限の家事をこなした後は、なにもせずに横になっているだけ。本を読む気にもならない。文献に取り組むなど、とうてい無理な状況である。いずれは回復することを願っている。

2022年4月11日(月)歯科検診
 午前中にシニアカーで葉桜の並木を通り、隣町の「さこがわ歯科」へ。歯に大きな問題の無いことを確認。我が身体で唯一、自慢できるのが、28本、すべて自前の歯であることである。スーパーに寄ってから帰宅。昼食後は、なにもしたくない病。横になったまま、体を動かすのも面倒。夕食後、心身の状態がやや回復してきたのでアマゾンに発注し、ジャーナルを書いている。

2022年4月9日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。スタッフから、「体調が良いようですね」といわれたが、帰宅後はやはりなにもできない。

2022年4月7日(木)内科医
 昼前にシニアカーで隣町の福岡医院へ。途中の桜並木は散り始めていたが、まだ十分に楽しむことができた。降圧剤を受け取った後、スーパーで買い物。帰宅後は家事雑用で本日は終わり。

2022年4月6日(水)B,Cノートの紛失と再発見
 ネットのニュース欄に、紛失していたダーウィンの進化論ノートがケンブリッジ大学図書館に匿名返還されたとの記事があった。日本語の記事は不正確だったが、ワシントン・ポストに詳細な記事があった。それによると、2001年1月にケンブリッジ大学図書館が所蔵するダーウィンの転成ノートブックのうち、2冊(BノートとCノート)の紛失が分かったという。その4ヶ月前に写真撮影のため書庫から出していた。図書館内を捜索しても発見されず、盗まれた可能性もとりざたされていた。2017年に図書館長となったガードナー(Jessica Gardner)は警察に訴える一方、この件を公表した。今年の3月9日、図書館事務室の前に2冊のノートの入ったバッグが置かれていた。専門家によって本物であることが確認され、保存状態も良好であったという。
 この2冊には進化論に関するダーウィンの初期の考察が記されており、中でもBノート36ページの分岐図が有名である。共通の祖先からの枝分かれ的進化という生物学理論が、史上初めて着想された瞬間が記されているのである。

2022年4月4日(月)お花見
 昨日の予報では雨となっていたが、終日、晴れ。この機を逃すことはない。昼過ぎに満開の桜並木を経由してバス停へ。駅前で用事を済ませて帰宅。半分、諦めていたお花見ができてほっとした。

2022年4月3日(日)家事雑用
 終日の雨。今年の花見は諦めか。昨日の疲れが残っているが、休み休み、家事雑用に取り組む。夜になって気力体力が回復してきたので、3日分のジャーナルを書いている。

2022年4月2日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。とにかく寒い。しばらく利用していなかった電熱ベストを着用。帰宅後は満開の桜並木までシニアカーで出かけようと考えていたが、寒さと疲れで諦めた。

2022年4月1日(金)ダーウィン研究
 ロワイエに関するMiles(1988)の学位論文、全9章のうち、第6章までを読了。第7章と第8章でロワイエの人間論と社会論についての論考が続くが、『種の起源』翻訳については第6章まででよいだろう。ロワイエは真実を広める新時代のジャンヌ・ダルクと自負していた。彼女にとっては『種の起源』翻訳も、自説を広めるための手段にすぎなかった。ダーウィンとの関係が決裂するのは当然の成り行きであった。

2022年3月31日(木)体調不良
 なぜか心身ともに疲れを感じ、文献に取り組むのはあきらめた。午後1時からNHK.BSPで映画「突破口!」(1973)を観ることにした。通常、この時間帯は集中力が出るのでテレビをみることはない。有名な作品らしいが映画館でもテレビでも観たことがなかった。退屈はしなかったが、話の展開にいくつか疑問が残った。同様の犯罪映画なら、「ゲッタウェイ」(1972)の方が上ではなかろうか。

2022年3月30日(水)ダーウィン研究
 この3日間、ロワイエに関するMiles(1988)の学位論文を読んでいる。『種の起源』原文とロワイエ訳とを丹念に比較し、誤訳はわずかにすぎないという。フランスの読者が理解しやすいように訳しているところもあるが、ダーウィンの趣旨からは逸脱していない。本文に関してはほぼ正確な訳であるという。ただし、原文と訳文を対比する場合、訳文も英訳している。これがアメリカの大学の流儀なのであろうが、一々、ロワイエの訳本で確認しなければならず、面倒である。日本の大学であれば、フランス語をそのまま引用するよう、指導されるであろう。

2022年3月28日(月)ダーウィン研究
 10日振りにダーウィン研究を再開。本日からロワイエに関するMiles(1988)の学位論文を最初から読むことにした。仮題「『種の起源』の独訳と仏訳」が目標にしていた5月末までにまとまりそうもないので、急がず、じっくり取り組んでいきたい。とはいえ、集中力が続くのは午前、午後、ともに2時間弱。併せて3時間程度。現役時代から半減している。ゆっくり進めるほかない。

2022年3月26日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。体調は良好で、いつものメニューをこなすことができた。とはいえ、帰宅後は疲れてなにもできない。

2022年3月25日(金)郵便払込料金
 月曜日の外出による疲労がようやく抜けてきたので、シニアカーで隣町の郵便局へ。某会費を料金受取人負担の赤い用紙で払い込もうとしたら、現金なら110円必要という。きょとんとしていたら、制度が変わったのだと怒鳴られた。帰宅してからネットで調べると、1月17日から実質的な値上げになっていた。窓口でも丁寧に説明してほしいものだ。帰宅後は疲れが出て、なにもできない。

2022年3月21日(月)嵯峨・二尊院
 本日は彼岸の中日。カミさんのお供で京都嵯峨野の二尊院へ。今回もケアサービスの事業者に依頼し、自宅から自動車での往復。混雑を避けるため渡月橋を渡らなかったので嵐山の人出の様子を見ることはなかったが、二尊院周辺は静かで高速道路の渋滞もなかった。

2022年3月19日(土)ドイル「青いカーバンクル」
 昨日の疲れが抜けず、デイサービスは休み、家でゴロゴロ。ホームズ譚連載第7話を再読。まず気になるのはタイトル。当方、宝石の知識はないのでネットで宝石商の解説などを読むと、「カーバンクル」(carbuncle)とは赤色の宝石の総称で、ルビー(紅玉)、あるいはガーネット(石榴石)のことであるという。いずれにせよ、青色のカーバンクルは存在しないという。そのため、ホームズ譚愛好家の間では、「青いカーバンクル」についてさまざまな意見があるらしい。邦訳題名は「青い紅玉」、あるいは「青いガーネット」となっているが、どちらかが正しいということもないようだ。ただ、「青い紅玉」という表現は、論理学書でおなじみの「黒い白鳥」と同じ問題をはらむことになる。
 冒頭で語られる帽子についての推論(当てずっぽう)はホームズ譚の魅力の一つだが、「頭が大きい人は頭が良いはずだ」(a man with so large a brain must have something in it.)とは、いくらなんでも無茶だ。ドイルはわざと馬鹿馬鹿しい推論を書いたのだろうか。
 本作の中核は、盗んだ品物の隠し場所。その意味では、「六つのナポレオン」と同工異曲である。どちらを好むかは人によって異なるだろうが、「ナポレオン」の方が無理がないように思う。
 「ボスコム渓谷」と同様、本作の結末もホームズが真相を隠したまま容疑者の疑いを晴らすことになっているが、それが可能とは思えない。


2022年3月18日(金)近大眼科
 雨の中、昼前に近大病院へ。12時から視野検査などがあり、会計と薬が終わったのが5時。眼圧の状況も芳しくないし、疲れ果てた。

2022年3月17日(木)ダーウィン研究
 昨日と本日でロワイエ訳『種の起源』初版(1862)についての原稿執筆をとりあえず終えた。ダーウィンはフランス語の『種の起源』が刊行されることを喜んでいたが、実際に出版された訳本を読んでがっかりした。『種の起源』を自由競争による社会の進歩を説く書として位置づけていることにあきれている。自然史の知見に乏しいにもかかわらずロワイエがダーウィンの見解を修正する長文の訳注を多数、付記していることについては、「この世にこれほど高慢な人物が存在することを知って驚いています」と語っている。ロワイエ訳第2版(1866)にはダーウィンも関与しているので、その経過を見ていきたい。

2022年3月15日(火)内科医
 午前中にシニアカーで隣町の福岡医院へ。暖かい日が続いており、シニアカーでの外出も楽になった。医院では待ち時間40分ほどで降圧剤をもらって帰宅。昨日まで疲労感が抜けずにいたが、本日は帰宅後も元気だったので、ロワイエ訳『種の起源』について少しだけ執筆を進めることができた。

2022年3月13日(日)ドイル「唇のねじれた男」
 前日の疲労が続いている。寝転がってホームズ譚連載第6作を再読。ホームズ譚の中でも傑作の一つだと思う。初期のホームズ譚にはやたらと変装が登場する。『緋色の研究』では老婆に変装した青年が登場する。『サイン・オブ・フォー』ではホームズが変装する。「ボヘミアの醜聞」の結末部ではホームズとヒロインが変装している。「花婿の正体」と本作では変装がメイントリックになっているが、本作の方が遙かに優れている。日本でも「乞食三日すると忘られぬ」というが、本作の主人公が週給2ポンドの生活にもどるのは難しいだろう。1日で2ポンド以上稼げる乞食生活を再開するに違いない。本作に刺激されて乞食生活を試みたイギリス人がいたとしても不思議ではない。
 また、19世紀末になっても合法的な阿片窟がロンドンに存在していたというのは、驚きである。

2022年3月12日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。3ヶ月ごとの体力測定があったが、いつものメニューもすべてこなした。出席者は15名にもどり、活気づいていた。帰宅後は疲れてなにもできない。

2022年3月9日(水)散髪
 体調が回復してきたので朝食後に理髪店へ。バスに乗って外出するのは前回の散髪以来、40日振りである。この間、医院と散髪以外、どこにも出かけていない。本日もコロナがなければ大阪中之島美術館開館記念展まで足を延ばしたいところだが、「高齢者は外出を控えろ」という呼びかけに従っておこう。帰宅途中で銀行とスーパーに寄っただけだが、異常な疲労感で午後はぼんやり過ごすしかなかった。

2022年3月7日(月)文楽予約
 本日は文楽劇場4月公演の会員先行予約日。10時になるのを待って予約サイトにアクセスし、希望日に床近くの席を確保した。今回も三部構成で、予約したのは第一部だけ。「千本桜」の「伏見稲荷」と「初音旅」、最後が「河連法眼館」で切リは咲太夫。明るい時代物で気分転換したい。問題はコロナ。4月までに治まっていることを願っている。

2022年3月5日(土)ドイル「オレンジの種五つ」
 体調不良が続いているのでリハビリを休んで家でゴロゴロ。ホームズ譚連載第5作を再読。ドイルが得意とする過去の外地生活に由来する因縁話で、ミステリーとしての要素は乏しい。因縁話としても、依頼者の青年を秘密結社が殺害する必然性はない。標的にされている依頼者をホームズがそのまま帰宅させるのもおかしい。ホームズ譚の中では愚作といえよう。
 ホームズは推理の極意を語る中で、「キュヴィエは一本の骨からその動物の全身を正しく導くことができた」(Cuvier could correctly describe a whole animal by the contemplation of a single bone,)と述べている。キュヴィエ自身が語った言葉として知られているが、出典を知りたくなった。『オクスフォード科学者引用句辞典』(2005)によると、この言葉はエチエンヌ・ジョフロア=サンチレール(1837)が記載しているだけで、キュヴィエ本人の著述には存在しないようである。科学史家としては引用しない方が無難であろう。

2022年3月3日(木)ドイル「ボスコム渓谷」
 体調不良が続き、ロワイエの不愉快な序文に取り組む気力がない。ロシアのウクライナ侵略、それに便乗した安倍や維新の核兵器容認論も気を萎えさせる。気を紛らわすため、することにした。
 題名に「ミステリー」を冠した唯一のホームズ譚(The Boscombe Valley Mystery)である。前夜のNHK.BSPでもドラマを放映していた。原作ではヒロインがレストレイド警部を介してホームズに依頼しているが、ドラマではヒロインが直接、ホームズに依頼しており、話がすっきりしている。また、ドラマでは「クーイー」(cooee)の呼び声が省略されているが、ミステリアスな雰囲気を醸す要素である。横溝正史『 悪霊島 』の「鵺の鳴く夜は恐ろしい」の元ネタではなかろうか。
 話の骨子は、被告が被害者と別れた直後に真犯人が犯行に及ぶというもので、2時間サスペンスでもおなじみの設定であり、そうした設定の嚆矢といえよう。その場合、真犯人を明らかにしなければ被告は無罪にならないだろう。ホームズが真相を隠したまま被告の無罪を勝ち取ったという結末は無理な気がする。
 本筋とは無関係に気圧計が登場し、ホームズが「気圧計は?29インチだ」(How is the glass? Twenty-nine.)という。これは作者が新奇な科学機器を書きたかっただけだろう。ホームズは29インチを好天気の証としているが、水銀柱30インチがほぼ1気圧なので、29インチは低気圧になる。ホームズ(すなわちドイル)の気圧についての知識は不正確だったようだ。

2022年3月2日(水)ダーウィン研究
 一昨日、ロワイエに関する学位論文(S.J.Miles, 1988. シカゴ大学)の購入($41)を発注し、昨日、そのPDFファイルが送信されてきた。この論文には、ロワイエ訳『種の起源』訳者序文の英訳が付記されている。ロワイエは思想史における『種の起源』の画期的意義を説いているが、冗長でうんざりする。結論部分では、『種の起源』によって個人間、および人種間の差異が明らかにされ、その間の自由な競争による進歩が正当化されたという。キリスト教などの伝統的宗教は弱者への慈悲を説いて健常者の本来の活動を阻害し、進歩を妨げてきた。優秀な人種(白色人種)による劣等人種(黄色人種と黒色人種)の排除も当然のことであるという。露骨な弱者切り捨て論であり、ナチによる障害者排除、ユダヤ人排除の思想につながるものである。読んでいて気分が悪くなった。

2022年2月28日(月)ダーウィン研究
 土曜日以来、体調不良が続き、研究が思うように進まない。今日で2月も終わるが、『種の起源』フランス語訳については、ロワイエ訳に関する資料を読み込んでいる段階である。フランス語訳は予想以上にやっかいな経過をたどっているので、3月一杯かかるかもしれない。あわてる必要はないので、それでもいいか。

2022年2月26日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。利用者の出席はもとにもどりつつある。当方はいつもと変わらぬメニューをこなし、帰宅後、疲れてなにもできないのもいつもと同じ。

2022年2月25日(金)ダーウィン研究
 悪名高きロワイエによる仏訳『種の起源』(1862)の全体像を、ダーウィン・オンラインで確認。巻頭に60ページに及ぶ訳者の序論がある。本文中の訳者注には数行のものから数ページに及ぶものがあり、巻末に63項目の訳者注の目次が掲載されている。翻訳書としては異常な体裁である。自由競争による社会の進歩という訳者の信念を正当化するものとして、『種の起源』を位置づけているのである。

2022年2月23日(水)ドイル「花婿の正体」
 寒さで身も心も縮む。気を紛らわすため、ホームズ譚の連載第3作を再読。「ボヘミアの醜聞」より劣る愚作であり、読後も不快感が残る。ヒロインが恋人の正体に気付かないはずがない。ヒロインの目が悪いという設定で辻褄を合わせようとしているが、タイピストなのだから原稿は読めていたことになる。ホームズならずとも、ヒロインの話を聞いただけで恋人の正体が分かってしまう。原題「同一人物の事件」(A Case of Identity)も正体を示唆している。邦訳の多くが「花婿失踪事件」としているのは、少しでも読者をミスリードする配慮といえよう。

2022年2月22日(火)ダーウィン研究
 「スーパー猫の日」というわりには、テレビの猫番組が少なかった。『種の起源』仏訳については、実現しなかった2件の入力を終わり、ようやくロワイエ訳にたどりついた。『種の起源』の仏訳者として知られているロワイエだが、科学者としての実績はない。にもかかわらず、DSB新版に立項され、関連文献も多い。近年は、フェニズムの観点から注目されているようだ。

2022年2月21日(月)ダーウィン研究
 まずは抜刷送付のためシニアカーでポストまで往復。風が冷たい。まだ春は遠い。家では『種の起源』仏訳についての本文入力を続行。ただ、明日の猫の日を控え、今日のテレビでも猫番組が多く、NHK.BSPの「漱石の猫」などを見てしまうので、執筆のはかがいかない。

2022年2月20日(日)ダーウィン研究
 昨日、拙稿「書物としての『種の起源』」の掲載誌『桃山学院大学人間文化研究』16号(2022)と抜刷が届いていた。桃大の紀要はすべてネット上で公開されているので、2通だけ抜刷送付の準備をした。

2022年2月19日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。先々週よりも欠席者が多く、静かであった。当方はいつもと変わらぬメニューをこなし、帰宅後、疲れてなにもできないのもいつもと同じ。

2022年2月18日(金)ダーウィン研究
 本日は亡命フランス人のタランディエが申し出た『種の起源』仏訳についての資料収集。ダーウィンの期待も大きかったが、結局、フランスの出版社に断られ、訳業は断念。ダーウィンはカトルフォージュへの書簡(1860年3月)で怒りと失望を打ち明け、「フランス語の衣装をまとった『種の起源』を夢見た私が馬鹿だった」と述べている。『種の起源』を世界に広めることに必死だったダーウィンの思いが伝わってくる。

2022年2月16日(水)ダーウィン研究
 まだ資料収集の途中だが、『種の起源』フランス語訳についての本文執筆に着手した。今月中に書き上げ、3月にドイツ語訳、4月にアメリカ版について執筆し、5月に全体を整えれば、同月中に研究ノートとして桃大紀要に投稿できるだろう。

2022年2月15日(火)内科医
 午前中にシニアカーで隣町の福岡医院へ。外にはコロナワクチン予約のため10名ほどが行列していた。普段でも混雑していることが多いのに、ワクチン接種のためますます忙しくなっているようだ。待ち時間1時間ほどで降圧剤をもらって帰宅。午後は『種の起源』フランス語訳についての資料収集を少しだけ進めた。

2022年2月14日(月)ダーウィン研究
 1週間ぶりに『種の起源』研究を再開。当面はフランス語訳の出版経過をまとめることに集中。本日はロワイエ訳に関する資料の収集に着手した。1862年に自然史の知見に乏しいロワイエ訳が刊行され、11年間も唯一の仏訳であったというところに進化論に関するフランスの状況が表れている。

2022年2月13日(日)ドイル「赤髪連盟」
 まずは還付申告書をe-Tax で送信。この時期は日曜日でも受け付けてもらえる。
 ダーウィン研究にもどる気力はないので、ホームズ譚の連載第二作を再読。これこそ連載第一作とすべきだった傑作である。掘り出した土をどう処理したのかなど、納得できないところもいくつかあるが、『ブリタニカ』を書き写すという理由で家から引き離すという奇策が愉快で、殺人も起きない。当方も子供の時に読み、ホームズに魅せられた作品である。
 34年後の作品「三人のガリデブ」は本作の焼き直しだが、本作の方がはるかに楽しい。2年後の作品「株式仲買店員」も同工異曲である。ドイルはこの設定が気に入っていたのだろう。

2022年2月12日(土)申告書入力
 デイサービスの事業所が臨時休業になったので、家にこもり、午前中は家事雑用。午後はe-Tax用の入力を再開。操作法は昨年と同じはずだが、スムーズにはいかない。それでもなんとか入力を完了。念のため確認をして、送信は明日にしよう。

2022年2月11日(金)医療費計算
 1年分の領収書を医院、薬局別に仕分けして集計。2月の年中行事である。この計算が終わり、国税庁の申告書コーナーを呼び出し、e-Tax用の入力を開始したが、操作ミスで入力内容を消してしまった。また初めからやり直さなければならない。本日はもう止めた。

2022年2月10日(木)ジャーナル執筆
 ワクチン接種の副作用は治まり、心身ともに動くようになった。家事雑用を片付け、4日分のジャーナルを執筆。次は、医療費の計算に取りかかろうか。

2022年2月9日(水)体調不良
 左腕のワクチン接種箇所に熱と痛みがある。全身がだるいのも副作用であろう。本を読む気にもならず、テレビのオリンピック番組にも興味がない。ただ、ぼんやりと過ごすしかない一日であった。

2022年2月8日(火)その2 コロナワクチン接種
 夕刻、コロナワクチン接種で隣町の福岡内科へ。準備万端整え、指定時間の30分前にシニアカーで出発しようとしたら、雨が降り出した。タクシーでの往復に変更せざるを得ない。とにかくこれで、大きな行事が一つ済んだ気分である。

2022年2月8日(火)ドイル「ボヘミアの醜聞」
 ダーウィン研究の方針が確定したので本日は一休み。頭痛抑制と気分転換のため、寝転がって『シャーロック・ホームズの冒険』の冒頭作を再読。初めて読んだときから愚作だと思っていたが、それを再確認することになった。ドイルのホームズ譚自薦で第5位ということが信じられない。ポオの「盗まれた手紙」の焼き直しであることが歴然としているが、はるかに劣る。『緋色の研究』ではポオを厳しく批判していたのに、ストランド誌連載の第一号にポオ作品の焼き直しを持ってきたのはなぜなのか。理解できない。
 そもそも若き日の写真一枚で王室同士の結婚が破談になるわけがない。文中で強調されているほどアドラーが素敵な女性なら、王を脅迫するはずもない。事実、最後は脅迫を止めると述べて終わっている。一国の王たる者が一人で訪ねて来るのもおかしい。部下に秘密を知られたくないというが、すでに盗賊などを雇って家捜ししたり、女性を襲ったりしている。プロの泥棒なら写真を発見したはずだ。などなど、納得できない部分満載である。ミステリーとしては愚作の最たるもの、ホームズ譚の中でも最低ランクではないか。
 ドイルはこの作品のどこが気に入っていたのだろう。前作『サイン・オブ・フォー』ではヒロインに対するワトソンの恋心が描かれており、本作ではヒロインに対するホームズの好感情が描かれている。ドイルは自ら描いた理想の女性像が気に入ったのだろうか。しかし両作品とも、ヒロインへの思いはミステリーとしての展開に無関係であり、むしろ邪魔な要素であった。

2022年2月7日(月)ダーウィン研究
 方針転換。『種の起源』の「歴史的概要」について書く前提として、マレー版に先立って掲載された独訳版とアメリカ版の刊行事情を調べることにしていたが、翻訳版に対するダーウィンの強い思いは独立した論考で明らかにした方がよいと思うに至った。「『種の起源』のアメリカ版と翻訳版」といった論題の研究ノートを5月までに書き上げたい。それまで「歴史的概要」はお預け。ラマルクやジョフロアにはしばらく待ってもらおう。

2022年2月6日(日)ダーウィン研究
 『種の起源』を読んだベロック夫人は自分の手に負えない科学書であることに気付き、1859年12月までに翻訳辞退をダーウィンに伝えていた。しかし夫人の訳した『ビーグル号航海記』の第22章「サンゴの形成」が1860年創刊の週刊旅行雑誌『世界旅行』の1860年第36号に掲載された。フランス語でダーウィンの著作が紹介された最初の事例だという。この記事の最初に「1858年未発表」と記されているので、1858年には翻訳原稿が週刊誌の出版元に届いていたと思われる。ベロック夫人はこの実績があるので未読の『種の起源』の翻訳を思いつき、知人の親類を介してダーウィンに打診したのであろう。
 パソコンでここまで調べるのにかなり手間取った。頭痛が怖いので休み休みだったため、余計、時間が掛かってしまった。

2022年2月5日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。珍しいことに男性利用者の半数が欠席し、いつもより静かであった。当方はいつもと変わらぬメニューをこなしたが、軽い頭痛の消えることがなかった。おそらく、前日に長時間、ノートパソコンに向かっていたためと思われる。帰宅後は疲労感もあってほとんど横になっていたので、頭痛も治まった。

2022年2月4日(金)ダーウィン研究
 2週間振りにダーウィン書簡集に取り組む。『種の起源』初版発行(1859年11月22日)の前から同書の翻訳の問題が始まっていた。ダーウィンは11月14日付けのジョン・マレーへの書簡で、パリ在住のベロック夫人(Louise Swanton Belloc)から『種の起源』仏訳の申し出があったので、直接、連絡して欲しいと述べている。ダーウィンが療養先で親しくなった女性(Mary Butler)の義理の妹(Harriet Butler, 旧姓 Edgeworth)の実の姉で作家(Maria Edgeworth)の作品をフランス語に訳していたのがこのベロック夫人である。「天璋院様の御祐筆の妹の‥‥」を思い起こさせるような関係である。

2022年2月2日(水)春日太一『忠臣蔵入門』角川新書(2021年12月)
 昨日、書店で目に付き、購入した標記の新書を読了。「忠臣蔵入門」といっても映画・テレビの話で、「仮名手本忠臣蔵」にはほんの一言、触れるだけである。我が書棚に「仮名手本忠臣蔵」関連の文献はかなりあるが、映画・テレビ関連の資料に欠けるので、自分にとっても絶好のガイドブックである。しかし、気になったところもいくつかある。大佛次郎の『赤穂浪士』については詳しく解説しているのに、「峠の群像」の原作者である堺屋太一には一言も触れていない。映画「決算!忠臣蔵」の原作である山本博文『「忠臣蔵」の決算書』にも触れていない。映像を理解するためにも、原作者あるいは原作の特徴を解説すべきだったろう。
 著者によれば、映画・テレビで忠臣蔵が作られなくなった理由は、「作る力がないから」(p.41)であって、作られないから若年層になじみがないだけだという。ならば、余裕のあるNHK大河で5回目の忠臣蔵を作ってもらえないだろうか。
 
2022年2月1日(火)その2  発達障害
 駅ビルの書店で『週刊朝日』最新号を購入。この数年、週刊誌を買った記憶はないが、朝刊の広告欄にあった「シニアの発達障害」という記事が気になった。記事(pp.14-17)によると、発達障害には3種類があるという。このうち、ADHD(多動性障害)とLD(学習障害)は自分に当てはまらないが、ASD(自閉スペクトラム症)の特徴には当てはまるところがある。「要領が悪く頑固、自分の興味があることは相手にかまわず延々としゃべる、自説を曲げない、臨機応変に対応できない、規則やルールにこだわる、過集中など」とは俺のことか。このジャーナルで言いたいことを書いているだけなら、他人の迷惑にならないだろう。
 この記事を読んだついでに他のページもめくってみたが、読む気になったのは一つだけ。テレビから消えている古賀茂明がコラム「政財界の罪と罰」(p.35)で、1億円を佐川宣寿が払うよう岸田総理に求償権行使を求めるべきであるという。

2022年2月1日(火)骨量測定
 午前中に三日市町駅筋の田中整形外科へ。激しい腰痛をきっかけに通院するようになったのが2011年。以来、骨量は誤差の範囲内で変化していなかった。本日、5年振りに測定したところ、なんと絶対値が5%も増えていた。医師も喜んでいたが、だれよりも嬉しいのは本人である。隣の薬局で骨粗鬆症の薬を受け取った後、ご機嫌で河内長野駅前へ。

2022年1月30日(日)ジャーナル執筆
 ここ数日、ジャーナルを書く余裕がなかったが、本日は体調もやや回復してきたので4日分のジャーナルをまとめ書きしている。日誌を見ると、21日(金)を最後にダーウィン研究から遠ざかっている。あせる必要もないが、のんびりしすぎているかもしれない。

2022年1月29日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。いつもより利用者の欠席が多かった。多分、3回目のコロナ・ワクチン接種のため、大事を取って休む人もいるのだろう。

2022年1月28日(金)散髪
 午前中は理髪店へ。散髪で外出した機会に大阪市内の美術館などに行くようにしているが、本日はコロナ禍を考慮してそのまま帰宅。それでも午後はぼんやり過ごすしかなかった。

2022年1月27日(木)ドイル『四人の署名』
 文献に取り組む気力のない日にはコナン・ドイルのホームズ譚を発表順に再読しているが、本日は第二作『四人の署名』を読了。最後のテムズ川の追撃が印象に残る作品である。しかし、前にも書いたことだが、書名のThe Sign of the Four を『四つの署名』とか『四人の署名』と訳すのは誤訳であろう。そもそも「サイン」を「署名」の意味で用いるのは和製英語であり、名詞のsignに「署名」の意味はない。しかも単数である。『四人組の印し』とでも訳すべきだろう。

2022年1月24日(月)『緋色の研究』とダーウィン
 『緋色の研究』にはダーウィンの名が2回、登場する。最初は第5章の冒頭部分で、ヴァイオリン・コンサートから帰宅したホームズがワトソンにいう。「音楽についてダーウィンが語ったことを憶えているかい。ダーウィンによれば、音楽を創り鑑賞する能力は言語能力を獲得するはるか以前から人類に存在していたのだ」(Do you remember what Darwin says about music? He claims that the power of producing and appreciating it existed among the human race long before the power of speech was arrived at.)。ダーウィンの音楽論は『人間の由来』第2版(1874)第3部第19章の「音声と音楽的能力」(voice and musical power)の節(pp.566-73)に見ることができる。その終わりの部分(p.572)で音楽が言語に先立つことが強調されている。作者がダーウィンを高く評価していたことがうかがえる。
 ところが、『緋色の研究』第6章の冒頭部分では、ワトソンが紹介するThe Daily Telegraphの記事には次のように書かれているという。
After alluding airily to the Vehmgericht, aqua tofana, Carbonari, the Marchioness de Brinvilliers, the Darwinian theory, the principles of Malthus, and the Ratcliff Highway murders, the article concluded by admonishing the Government and advocating a closer watch over foreigners in England.
「フェイム法廷」は中世末のウエストファリアで行われた秘密裁判、「トフォナ水」は17世紀シシリアの女性トフォナが作った毒薬、「カルボナリ党」は19世紀前半にイタリアやフランスで活動した革命的秘密結社、「ブランヴィリエ侯爵夫人」は父親など多数を殺害した17世紀フランスの女性。すなわちダーウィンの理論とマルサスの原理が凶悪な犯罪などと同列に置かれているのである。ドイルがダーウィンを高く評価していたとするなら、これはどう理解すべきなのだろうか。作中では警察官の愚かさが強調されているのと同様、新聞記事の愚かしさを強調しているのではなかろうか。

2022年1月23日(日)ドイル『緋色の研究』
 寒さで身も心も縮む。文献に取り組む気力はないので、ホームズ譚第一作の文庫本を寝転がって再読。ミステリーとしては穴だらけで傑作とはいえないが、名探偵登場ということで我慢しよう。作者はポオやガボリオに学んでいるにもかかわらず、作中ではホームズにそれぞれの探偵、デュパンとルコックを厳しく批判させている。ダーウィンも転成論の先駆者、ラマルクとジョフロアを厳しく批判している。現在ではダーウィンやドイルについてオリジナリティを疑う者はいないが、作品を世に出した当初の彼らにとっては先駆者との違いを明確にすることが不可欠であり、そのためには先駆者を厳しく批判するほかなかったのだろう。

2022年1月22日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。帰宅、昼食後、シニアカーで隣町のスーパーへ。明日は雨という予報なので、出かけざるを得なかった。帰宅後は疲れ切って早々と就寝。

2022年1月21日(金)コロナワクチン予約
 昼前の郵便で市役所から3回目のワクチン接種券が届いた。かかりつけ医、福岡医院の午後診開始4時半の数分前に着くようにシニアカーで出かけたところ、すでに医院前には10人ほどの行列ができていた。もっと多人数が並んでいる可能性も覚悟していたので、10人なら御の字である。待合室が密になるのを避けるため、駐車コーナーでの受付となったが、やむを得ないだろう。30分ほど待って来月上旬の予約票を受け取り、帰宅。気になっていた事が一つ、片付いた。

2022年1月20日(木)ダーウィン研究
 とにかく寒い。シニアカーで町内のポストまで行くのに、ヒートテックの下着に電熱チョッキと重装備である。家では、『種の起源』ドイツ語版に関し、1860年分のダーウィン書簡集第8巻に着手。当分、この図書に取り組むことになる。

2022年1月19日(水)ダーウィン研究
 『種の起源』の「歴史的概要」はマレーの第3版(1861)に先駆けて、ドイツ語版(1860)とアメリカ版(1860)に掲載されていた。印刷中の拙稿「書物としての『種の起源』」ではマレー版しか扱わなかったので、この機会にドイツ語版とアメリカ版の出版事情についてもまとめておくことにした。ブロンのドイツ語訳についてはダーウィンが不満を語っていたこともあって、Browneのダーウィン伝(2002)などでも不評である。しかしGliboff(2007など)は、ドイツ語圏にいち早く『種の起源』を紹介したことを評価すべきであり、そのダーウィン批判も妥当であったという。

2022年1月17日(月)ダーウィン研究
 12月14日にアマゾンに発注していた図書Curtis N. Johnson著『ダーウィンの「歴史的概要」』(Oxford UP, 2019)がようやく届いた。426ページのハードカバーだが、3,500円と割安であった。フランスの書店からの取り寄せで、1月10日までに到着とのことだった。その日までに届かなかったため、アマゾンからは返金も可との連絡があったが、遅れて届くだろうと待っていた甲斐があった。
 「歴史的概要」についての唯一の成書だが、ネットで検索する限り、国内で本書を所蔵する大学図書館はない。ダーウィンに関心があっても「歴史的概要」には興味がないということだろう。
 本書の本論では、ダーウィンが「歴史的概要」で取り上げた人物について順次、論じているが、その前に、著者が2007年に雑誌JHBに掲載した論考が転載されている。それによると、ダーウィンの未完の大著には「歴史的概要」が書かれており、1860年にこれを補充、修正し、『種の起源』の独訳版とアメリカ版に掲載したという。大著の当該部分の原稿が残っていないので確認はできないが、説得力のある見解である。

2022年1月15日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。利用者はいつもの人数にもどっていた。帰宅後は疲労感で動けない。これもいつもと同じ。

2022年1月12日(水)降雪
 昼過ぎにシニアカーで隣町の郵便局へ。ついでに近くのスーパーに寄って帰宅の途中、雪が降り始めた。家に着く直前には激しい降雪になった。天気予報で降らないことを確認したつもりだったが、どうしようもない。予報にかかわらず雲行きが怪しければ外出を控えるべきであろうが、そうも行かないこともある。

2022年1月10日(月)ホームページ更新
 本日のテーマは我がホームページの更新。昨年分のジャーナルを新規のページに移動した。リンク設定などの基本的操作法を忘れているため少々てこずったが、最終的には成功したようだ。ついでに業績一覧に加筆し、トップページの年齢を修正しておいた。

2022年1月8日(土)デイサービス
 午前中はデイサービス「ポラリス大矢船」で運動機能訓練。利用登録者の半数近くが欠席していた。帰宅後は疲労で文献に取り組める状況ではないが、昨日購入した文庫本の土橋章宏『身代わり忠臣蔵』を寝転がって読了。土橋のシナリオによる映画「超高速!参勤交代」は現実離れした馬鹿馬鹿しさで笑えたが、この小説はいただけない。吉良義央の弟が刀傷で死亡した義央の身代わりになるという設定だが、見た目がそっくりでも放浪の破戒僧に教養人の兄の代役が務まるはずないし、義央として生活しているのに江戸市中を一人で歩き回るというのも無理。忠臣蔵を題材にするにしても、もっと史実から離れた設定があり得ただろうに。

2022年1月7日(金)近大眼科
 朝早くに近大眼科へ。眼圧が前回よりもかなり下がっていた。ご機嫌で帰宅。途中、河内長野駅前の書店で古代史の新書と忠臣蔵本を購入。気力がもどってきているようだ。

2022年1月6日(木)ダーウィン研究
 ようやくダーウィン研究を再開。といってもラマルク『動物哲学』のマージナリアを確認しただけ。ダーウィンはオリジナリティを強調するため、ことさら先駆者への批判を強めていく。

2022年1月5日(水)外出
 体を動かすのが億劫、食事するのも面倒という日が続いている。京都往復の疲れが残っているのだろう。本日は返礼賀状2通を投函するためシニアカーで出たついでに、初売りのスーパーで買い物。寒空の下での往復で疲れたものの、気分は良くなった。家に閉じこもっていては気が滅入るだけなのだろう。

2022年1月2日(日)嵯峨・二尊院
 カミさんのお供で京都嵯峨野の二尊院へ。今回もケアサービスの事業者に依頼し、自宅から自動車での往復である。初詣の混雑を避けるため、松尾大社前を通らず、渡月橋も渡らなかったので嵐山の人出の様子を見ることはなかった。高島屋の地下は例年と変わらず混雑していたし、高速道路の車も多かった。

2022年1月1日(土)年賀状
 昨日よりはおだやかな天気になったが、それでも寒い。朝から頭痛が続き、返礼年賀状12通の宛名書きは済ませたものの、パソコンに向かうのは休み休みである。思うことを十分に書くこともできない。

2022年1月1日(土)今年は何をするか
 前半は『種の起源』の「歴史的概要」について集中したい。それがまとまった後は、ダーウィンの遺伝論に着手するか、もう少し『種の起源』そのものこだわってみるか、その時点で考えよう。問題は、頭痛のため通常の読書ができないこと。ペーパーバックや抜刷は寝転がって読んでいるが、ハードカバーを書見台で読むことは無意識のうちに避けている。困ったことだ。
 昨年よりは外に出たいが、体調とコロナしだいである。 

2021年12月31日(金)今年は何をしたか
 研究面では科学史学会シンポに参加し、講演要旨「ダーウィンと社会思想:悪用の歴史」が学会誌に掲載された。また、桃大紀要に投稿した論文「書物としての『種の起源』」の掲載誌が来年2月に刊行されるはずである。まずまずの成果である。
 一方、コロナ禍のためもあって外出しにくい。観劇、コンサートも控えているし、奈良にも出かけられなかったのか残念である。