久保惣美術館西側の松尾川に、こいのぼりがたくさん泳いでいる。河原には菜の花が咲きほこり、川面にはアヒルやカモが泳いでいる。おまけにヒツジまでいる。この部分の河川敷は、草刈り管理のためにヒツジを利用しているのだ。ヒツジが雑草を食べてくれるので人手による草刈りがほとんど必要ないということだ。
2002年から始まったヒツジによる除草、これは大阪府がすすめる「アドプト・リバー・プログラム」の一環だそうだ。府と市と地元住民が手をつないで川をよみがえらせようというもの。この河川敷の場合、地元の和泉市内田町町内会と子供会などが、ヒツジの管理や河川敷の清掃、そして上のこいのぼりイベントなど積極的な活動を行っている。ヒツジがいることで継続的に子供たちが川へやってくるし、ゴミの不法投棄も少なくなったそうだ。掲示板にはほかにも、近くの田んぼでアイガモ農法による米作りを環境教育としてやっているとも書かれていた。ホタルの復活も目指しているとか。
一片の河川敷を中心に、地域のひとびとがつながるコミュニティができている。それが結果的には川辺の生き物の保全にもつながるだろうと思う。川の整備が人工的だ、などとこの前少しけなしたが、そこで人々が何をするかということの方が何百倍も大事なわけで、ここはすばらしくうまくいっているようだ。私の認識不足でした。
にしても、そこからほんの数百メートルのところにある我が大学が、こうした地元の活動にまるで関わっていない(のだと思う)というのはなんとも情けない。生物保全のこと、環境教育のこと、地域共同体のこと、いろいろな面で研究対象にもなるだろうに。いやもちろん、私がもっと早くから近所を歩き回っていろんなことに手を出していれば関われたのだろうけど。地元の人たちのほうからすれば、大学にはなにも期待しないんだろうな。それは不幸なことだな。
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ところで、こんな鳥が川沿いの畑につがいで住み着いているみたいなのだけど、なんという鳥なのか、ご存じの方はどうぞ教えてください。
4/1追記:図鑑をめくりながら探していたところ、この鳥はチドリ目チドリ科の「ケリ」という鳥だと判明。それほど珍しいわけでもないらしいが、見たことも聞いたこともなかった。日本で見られるチドリの仲間ではもっとも大きなものらしい。たしかにハトぐらいの大きさはあったな。