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Journal no. 18

食べていいもの悪いもの (2001年2月13日)

 先週のNHKの『ためしてガッテン』で、また血液をさらさらにする食品というやつをやっていた。野菜ではホウレンソウやニンニク、魚では本マグロのトロやサバ、養殖のハマチなどに、血液をさらさらにして血栓などを防ぐ効果があるというのだ。

 このNHKの『ためしてガッテン』をはじめとして、みのもんたの『おもいっきりテレビ』や『はなまるマーケット』という番組では、身体に良い食品のことをしょっちゅうとり上げている。こういう番組にとり上げられた食品は、その日のうちから突如として人気が高まり、スーパーの陳列棚から姿を消してしまうという。ポリフェノールを含むということでブームになったココアなんかが記憶に新しいが、ブームはもう去ったらしい。

 私はあまり健康情報とかを信じないほうだが、『ためしてガッテン』などはある程度実証研究をしており、なるほどそんなこともあるかもしれないと思わせるものはある。怪しげなものが多い健康情報の中で、とりあえずこの番組で言っていることはあからさまなウソではないだろうと思っている。

 ただし、だからといってこういう番組で取り上げられた食品をどんどん食べればいいとは限らない。たとえば上に挙げた血液さらさら食品のうち、トロやサバなんかはときどきダイオキシン濃度が高いことがある魚だ。ダイオキシンは脂肪に溶けやすいので、脂肪の豊富な大型の魚に蓄積されやすい。また水には溶けないので野菜にはほとんど吸収されないものだが、なぜかホウレンソウは他の野菜に比べるとダイオキシン濃度が高いことが多い。そういう目で見ると、この血液さらさら食品というのは、ダイオキシン的にはちょっとあぶないものばかりのようにもみえる。

 だからトロはやめようとか、あんな番組信じるな、ということではない。そうじゃなくて、ある食品がこういう点で身体にいいと報道されて、そのことにまったくウソがなくても、別の面で悪いということはあり得るということだ。「身体にいい」と、「身体に悪い」は、ひとつの食物の中で両立し得る、ということだ。食べていいの、いけないの、どっちなのと尋ねたくなる気持ちはわかるが、今の世の中に絶対安全な食品など存在しない。いい効果も悪い効果も同時に受け入れるしかない。結局、いろいろな種類のものを少しずつ食べるのが、栄養的にもいいし、悪いものを大量に摂ってしまうリスクも回避できる。身体にいいものだけ選んで食べられるなんて思わないことだ。

         ◇     ◇     ◇

 ごぶさたしました。期末試験とその採点がやっと終ったので、久しぶりに更新しました。試験の答案用紙の端に、「いつも読んでます」「もっと頻繁に更新してください」の言葉。うれしいやら面目ないやら。はいっ、がんばってちゃんと更新するようにしますっ。

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