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Journal no. 11

iMacがゴミになるとき(2000年9月14日)

 10年まえからマックを使っている。大学ではウインドウズの使い方など教えてはいるが、自分ではマックしか使っていない。一時はまちがいなくつぶれると思われたアップル社(マックの製造元)が、iMacを登場させ見事に復活したときには、拍手喝采したものだ。マックの使用者には熱心な「マック教」信者が多いが、私もそのひとりだ。

 iMacの特色はなんといってもその色にある。それまでベージュ一色だったコンピュータ本体を、あざやかな色に飾ったのだ。最初がボンダイブルー、そのあと5色のフルーツカラーシリーズでストロベリー、グレープ、ブルーベリー、ライム、タンジェリン。今年になって一新されて、インディゴ、ルビー、セージ、スノー、グラファイト。内部が透けて見える透明な色つきプラスチックに包まれたiMacは、本当に魅力的だ。コンピュータに色はいらないという人もいるが、そういう人は車は白で着メロはベルのみで満足できる人なのだろう。私はグレープのiMac DVを買った。

 カラフルなiMacの衝撃は大きく広がった。コンピュータ周辺機器はiMacにマッチする色が揃えられるようになった。コンピュータに関係ない家電製品でも、色つきの透明プラスチックが多用され、さらには文房具や台所用品まで追随した。

 しかし、色つきプラスチックの流行には、ひとつ気がかりなことがある。リサイクルの困難さだ。昨日(9/13)の朝日新聞夕刊1面にもでていたが、色つきのペットボトルはリサイクルのじゃまになるため廃止される方向にある。また以前から問題になっていたが、ワインなどの色つきのガラスびんも、回収されても買い手がつかないらしい。リサイクルの観点からは、材質はできるだけ単純なものがいい。なのに、iMacに始まるこの色つきプラスチックブームである。

 むろん、こうした製品の大部分は、もともとリサイクルの可能性のほとんどないものだから関係ないかもしれないが、それでもあまり釈然としない。それに、来年から施行される家電リサイクル法が、いずれコンピュータを対象に含めるようになるのはまちがいない。そのときiMacは、色とりどりのプラスチックを使った、リサイクルのきわめて困難なゴミとして社会の負担になるのかもしれない。それが心配だ。

 そういえば、この夏アップル社から発表されたG4cubeという機種は、無色透明なプラスチックの外箱に金属のシャーシを収めたものだった。アップル社もそれなりに考えているのかもしれない。

 おおっとぉ、今度はiBook(アップル社のノートパソコン)の新色が出たぞ!インディゴとキーライムだ! ・・・やっぱり考えてないみたい。

参考リンク:アップルコンピュータジャパン

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