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Journal no. 3

言い訳 & 『マトリックス』の映像(2000年6月21日)

 論述作文の授業では、ジャーナルを週に少なくとも3本以上書くようにと指導している。そのくせ自分ではこのジャーナルを週に1度更新するかどうか。やはり、大学のホームページ内で実名で書いているので、あまり恥ずかしいことや適当なことは書けない、という自己抑制があって、なかなか思うがままに書けないでいる。書きたいことの断片はいろいろあるのだけれど、あんなことを書いたら恥さらしだ、こんなことを書いたら人格を疑われる、とあれこれ思い悩んでしまう。ま、言い訳なんですけど。

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 映画『マトリックス』の特別版DVDを買った。PlayStation2とiMacのおかげで居間でも書斎でもDVDを見られるようになり、うれしくなって買ってきた。ビデオテープからDVDに移行したからといって、それほど大きな変化があるわけではない。映画の中身は当然一緒だ。厚みが減って収納効率がよくなったし、セリフを英語で聞いたり日本語吹き替えにしたり字幕を出したり消したりできるが、そんなことは大して重要なことではない。いちばん嬉しいのは、容量に余裕があるせいか、DVD版にはいろいろおまけがついていることだ。『マトリックス』では、特殊撮影の技術解説などがふんだんについていてこちらも本編に劣らず面白い。

 すでにデジタル合成技術は当り前の技術になって「特撮」の名に値しなくなっているが、『マトリックス』ではさらに新しく開発された撮影技術が売り物になっている。主人公やヒロインが空中にジャンプした瞬間に映像がスローになり、宙に浮いた人物の周りをカメラがぐるっと360度まわりこんで、そこでまた動きが正常に戻る。まるで、ある時間断面を凍結して取り出して、いろんな角度から調べているような奇妙な感覚。むろん通常のカメラワークでは不可能な映像である。それをどのように撮影したかが、DVD版の付録映像に詳しく解説されている。

 デジタル映像はすでに生の撮影と見分けがつかないレベルまで進化している。へたをすれば生身の俳優もいらなくなりかねない。既存の撮影方法をデジタル技術が置き換えていくばかりでは、撮影経費の削減やセットの簡略化程度の効果しかもたらさない。しかしその一方で、それまでまったく不可能だった映像を新しい技術で創造するパイオニアがいる。だれも想像だにしていなかった世界を最新技術が切り開く、それが技術の発展の魅力だ。

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