2012年度 自然科学(生物学1)授業概要

講義計画 |  参考図書


授業で使用したファイルを探しに来た人へ

授業でパソコンから使用しているPowerPointファイルや配付資料の原稿は受講者に公開されていますが、そのファイルはこのホームページ上にはありません。使用している資料の著作権の問題などがあるので、大学LAN内の教材サーバに入れてあります。情報センターの自習室などに行って、「マイ・コンピュータ」の中に見える「Lesson (S:)」を開いて、私の名前のフォルダ(iwao)の中を探してください。印刷もできますが、くれぐれも紙資源の節約に努めてください。


イン・クラス・レポートについて

講義4〜5回に1回の割合で、授業時間中に出題してその場で書いて出してもらうイン・クラス・レポートを行います。その時のテーマについて数回分の授業を振り返って理解を確認してもらうためのものです。出題テーマは当日以降に教材サーバとここに公開します。やむを得ない理由で当日欠席したことが客観的に証明できる場合は、翌々回の授業時に提出されれば減点なしとします。それ以降、あるいはやむを得ない理由が示せない場合でも提出されれば受け取りますが、点数は半減します。


講義計画

【講議概要】

 バイオテクノロジーの台頭と環境問題への注目により、生物学は21世紀の社会でよくも悪くも中心的な位置を占めることになる。遺伝子や生態系に関する正しい理解がなければ、さまざまな社会問題に正しく対応し判断をくだすことは難しい。この時代に対応するためにも、生物というものの基本を正しく理解しておいてほしい。

 生物の基本、それはすべての生物が37億年にわたる生命の進化の産物であるということ。進化という現象を抜きにして生物のいかなる側面も語ることはできない。にもかかわらず、現在の高校までの理科教育では進化をまともに扱うことがなく、結果として進化を正しく理解している者はきわめて少ない。

 この授業では、進化とそのメカニズムの正しい理解を目標とする。その上で、進化を軸にして生命現象のいくつかの重要な側面について概説する。

【講議概要・学習目標】

 生物の進化とそのメカニズムの正しい理解を目標とする。

【講議計画】

ときおり時事問題なども絡めながら、おおむね以下のテーマを扱う予定

・生命の起源
・生命の分化と共生
・進化の大爆発
・DNA
・進化のメカニズム
・自然選択
・進化と突然変異
・偶然と必然
・遺伝子組み換え
・性の進化
・性差の進化
・性比の進化
・近親交配
・血縁選択
・真社会性の進化
・雌雄の対立、親子の対立
・ゲーム理論と社会性
・生物保全
・人類の進化

【成績評価の方法】

イン・クラス・レポートをすべて提出した上で、試験で6割程度得点すれば単位を与える。当日やむを得ない理由により欠席した受講者は、理由を客観的に示す証拠を添えて1週間以内に提出すればペナルティなしに受け取る。やむを得ない理由のない場合や1週間を過ぎた場合も受け取るが、点数は半減する。



【教科書】

なし

【参考書】

酒井、高田、近「生き物の進化ゲーム」 共立出版 1999

桑村哲生 『生命の意味』 裳華房  2001年

長谷川眞理子『進化とはなんだろうか』岩波ジュニア新書 1999年

ワイナー『フィンチの嘴』早川書房 2001年

長谷川眞理子『クジャクの雄はなぜ美しい?』紀伊國屋書店 1992年

ドーキンス『利己的な遺伝子』紀伊國屋書店 1991年


その他の参考図書

金子隆一「大絶滅。」実業之日本社 1999

長谷川真理子「雄と雌の数をめぐる不思議」中公文庫 2001

M. リドレー「ゲノムが語る23の物語」紀伊國屋書店 2000

鷲谷いづみ「生態系を蘇らせる」NHKブックス 2001

鷲谷いづみ「サクラソウの目」地人書館 1998

鷲谷いづみ、矢原徹一「保全生態学入門」文一総合出版 1996

山岸俊男「 社会的ジレンマ―「環境破壊」から「いじめ」まで 」PHP新書 2000

長谷川寿一・長谷川眞理子『進化と人間行動』東京大学出版会 2000


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2012. 4. 9.