いわおのジャーナル

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Journal no. 57

学内マスメディア (2005年5月20日)

 森林整備の手伝いをする森林ボランティアというものをやった。その内容についてはまた別の機会に書くとして、とにかく楽しかったので学生の希望者を募ろうと思った。そのとき考えたのが今日のお題。

 今、本学でなにかのイベントを学生たちに告知しようとしたとき、とられる手段は公式ホームページへの掲載と、あとは事務棟や教室等の前にたいして大きくもない立て看板を出すくらいだ。あと時間に余裕があれば教員にチラシを配り、それを担当授業で自主的に紹介してくれることを期待する、その程度。告知効率は極めて低いと推測できる。

 大学の公式イベントですらその程度だから、学生独自のイベント告知はもっと難しい。立て看板は学祭実行委員会など数枚が出ているが、張り紙はきわめて少ない。指定の掲示板に、許可を受けたものしか張れないのかもしれない。こうした制限によってキャンパスはとても美しく保たれてはいるのだが、情報が行き渡らないという大きな弊害がある。

 大学院時代に留学していたアメリカのデューク大学には、学内新聞があった。無料で、キャンパスのあちこちに置いてあるのをだれもが無造作にとって読んで捨てていたので当時は何とも思わなかったが、今思えばこれはものすごい「学内マスメディア」だった。この学内紙「The Chronicle(オンライン版もある。こちら)」は、発行部数約3万部の平日日刊紙で、広告掲載料だけで運営される独立採算メディアだという。学内の情報だけでなく、国内ニュース、世界ニュース、いくつもの4コマ漫画まで載っている、立派なローカル紙だった。

 当然ながらこの学内紙は、巨大な大学の中で行われる様々なイベントの告知メディアとして非常に重要な役割を果たしている。セミナー、パーティ、上映会、フリーマーケット、求人、落とし物。学内のあらゆる情報がこの新聞に掲載され、情報が行き渡り、そこから学内の多くの活動が生まれていた。

 学内にマスメディアを持たない大学では、なにかが始まろうとしても情報が行き渡らないため、学生活動が不活発になってしまうのは当然なのかもしれない。多少キャンパスが見苦しくなることは覚悟の上で、もっと自由に張り紙を貼っていい掲示板をあちこちに設置して、公私いろいろな情報を露出していくべきではないかと思う。

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