いわおのジャーナル

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Journal no. 47

オープンカレッジ (2003年12月20日)

社会福祉学科の教員と学生がおこなっている、知的障害のある人のためのオープンカレッジで講義をした。4人の受講者とそのヘルパーさんやかかわっている学生の前で、私たちの生活をささえる生きものの話をした。

 写真やイラストをアニメーション付きで大量に貼りこんだパワーポイントのプレゼンテーションを、けっこう時間をかけて作り、そこそこ自信を持ってのぞんだ。しかし、話を始めたら自信などあっという間にくずれさってしまい、40分ちょっとですごすごと研究室に戻ってきた。

 受講者がなにかをしたとか、そういうことではない。目の前に座っているたった4人の相手と、関係をとりむすべない、ただただ一方的にしゃべっている自分に絶望したのだ。形ばかりの問いかけをしたりはするが、その答えをうまくとりこめない、発展させることもできない。あくまでこちらから向こうへの一方通行。しだいにみんな興味を失っていくのが手に取るようにわかった。

 たしかに、100人を超える大講義にのぞむのと同じやり方で少人数を相手にしたのがまちがいなのかもしれない。しかし、4人の興味もつなぎとめられないような講義で、100人以上の興味をひけるものだろうか。今まで、人数が多くてひとりひとりの顔が見えないことに甘えていたのかもしれない。

 

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