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Journal no. 1

循環型社会基本法 (2000年6月8日)

 循環型社会基本法が成立したらしい。「したらしい」と歯切れが悪いのは、このことが目だって報道されなかったからだ。社会のあり方を根本的に変える基本法だというのに、このあつかいの低さはどうしたことだろう。

 大学図書館の朝日新聞記事検索でようやく見つけることができた。5月26日の夕刊に、成立した旨がちょろっとだけ載っていた。小淵前首相が倒れてから国会はずっとごたごたしてはいたが、それにしてもひどい話ではないか。

 循環型社会がほんとうに目指すべき目標であるかという点については異論もあるが、高度成長期以来の「大量生産・大量消費・大量廃棄」社会から本気で脱却しようというヤル気を見せた基本法である。具体的な中身には乏しいかもしれないが、そこにこめられた気持ちは評価したい。

 同様の内容を持つ「環境基本法」が1993年に制定されたときには、社会はたいして変化しなかった。だが今度の基本法は、さまざまな個別の循環法を引き連れて成立した。時代も変化し危機感も高まっている。すんなりとはいくまいが、大きな変化が起きる準備は整った。期待しよう。

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