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パラボラ型ソーラークッカー「かるぴか」試用記

 太陽の光を効率よく集めて大きな熱を得るには、放物面をもったパラボラ型ミラーがいちばんいい。ネットで検索すれば、多くの人がいろいろなタイプの集光装置を制作していることがわかるが、どれもなかなかたいへんな労作で、しかも実用的に使うには使い勝手や収納の面で難点が多い。小型のものを段ボールとアルミホイルで自作したこともあるが、曲面にきれいにアルミホイルを貼ることができず挫折した。

 そんなとき、工房あまねというところが「かるぴか」という名前のパラボラ型ソーラークッカーを販売していることを知り、思い切って購入してみた。折りたためるわけではないがそこそこの大きさで収納しやすくできているし、スタンドに工夫があって焦点位置になべなどを置きやすい。なにより、直径80cmのパラボラが3万円程度で買えるというのはすごいと思う。製作者のソーラークッカーにかける愛情が感じられる一品だ。


最初の試運転(2005年7月15日 晴天)

設置したかるぴか
設置した「かるぴか」
煙を出す木ぎれ
焦点に木ぎれを置くとすぐさま煙が上がった。かなりの火力だ。

付属のホーロー鍋でじゃがいもをゆでる
付属のホーロー鍋でじゃがいもをゆでる。
1時間かそこらでゆであがった
1時間かそこらでゆであがった。おいしい!
ポップコーン
付属の中華鍋でポップコーンもできた。場所によって火力にムラがあって、一部黒こげに。
スタンド
スタンドはとりあずして分解できる。
鏡面にカバー
スタンドをはずして鏡面にカバーをかけて収納する。
収納するポケット
カバー前部にスタンド部品を収納するポケットがある。

 とりあえずじゃがいもがとてもおいしかったので大満足。ポップコーンがはじけたのにはおどろいた。これは立派な加熱器具だ。やけどや火事に注意しなければ。

 工房あまねによれば、ガスの弱火に相当する火力だというから、弱火による煮込み料理ならなんでも可能だろう。太陽の高度が真上の時をのぞくと、太陽光線は上下から集光されるため、上下同時加熱になる。そのため、ポップコーンのように下からの加熱だけが必要な場合には問題が起こる。逆にその特徴を利用して、魚の干物やピザの両面焼きが可能らしい。工房あまねのホームページにはいろいろな調理実例が掲載されている。


大学でのデモンストレーション(2005年8月5日 晴れ)

大学で
 大学の環境サークルGreen Teaがソーラークッキングの実験をするというので、「かるぴか」を持参した。前回と同じくゆでいもを作る。Green Teaの有志が作った手作りクッカーがパワー不足でなかなかケーキに火が通らないので、「かるぴか」に乗せたらすぐに固まった。できあがりはかちかちの焼きすぎに。


焼き芋に挑戦(2005年12月28日 晴れ)

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 冬のよく晴れた日は、寒くてもソーラークッキングには適している。サツマイモがたくさんあったので焼き芋にトライする。細めの芋を2cmくらいに輪切りにして、かるぴか付属の黒いホーロー鍋に水なしのまま投入。11時過ぎの太陽で加熱する。40分でいいにおいがしてきたのでふたを開けてみると、もう火が通っていた。おいしい! ただちょっと甘みが少ない気もする。もともとそういうイモだったのか、それとも加熱が急激に過ぎるのか(ゆっくり加熱した方が甘くなると聞いたことがあるので)、そのあたりは要検討。


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2006. 1. 6.