1993年の初めころから我が家の庭に出没していた野良猫。その年の夏には家猫になったが、出入り自由。外に出ては、おみやげをくわえて帰ってきた。昆虫、カエル、ヘビ、トカゲ、小鳥、野ネズミ。昼日中に成鳥のスズメを捕ってくるのだから、すごい狩猟能力だ。動きも敏捷で、2メートルくらいは軽々と跳び上がっていた。猫エイズの流行以来、家に閉じこめているが、それで満足するようになった。今は1メートルくらいずつ、どたどたと跳ぶが、もう10歳以上のおばあちゃんなのだから無理はない。あと10年生きて化け猫になれと、常日頃から励ましている。「ニャゴ」(そのつもりです)と返事をする。
とにかく賢い。人間語をほとんど理解しているのではないかと思う。あまりの賢さに「おまえは宇宙猫だろう」と決めつけたら、ぎくっとして、「ばれたか」。実は、宇宙知性体がクロに寄留していたのです。この知性体はおしゃべり好きで、いろいろなことを語ってくれる。もちろん、音声ではなく直接、脳に語りかけてくれる。彼(彼女あるいは無性体かもしれないが)によると、宇宙のあちこちに高度知性体が存在していて、原始知性体の地球人類を面白がって観察しているそうだ。観察するのには哺乳類の中枢神経を利用するのが便利なので、適当なヒトや猫を選んで寄留しているとのこと。その数は結構多いらしい。寄留先にはなるべく影響しないようにしているが、それをゼロにすることは不可能で、各種宗教の教祖の多くは、宇宙知性体の寄留を感知した人々だという。幸か不幸か私は寄留先には不向きなのだそうな。ほかにも語ってくれたことは多いが、クロ本体には関係ないので、ここまでにしておこう。2009年10月10日、心不全のため昇天。
孤独でもめげない野亜

1995年11月1日に我が家にやってきた。光明池で捨てられていた子猫で、野良猫の集団からも疎外され、何日もビービー鳴いているのを見かねてカミさんが連れてきた。子猫なのでクロとハナも可愛がると期待していたら、とんでもない。いじめられていた。しかしリキが来たときは、3匹結束して対抗し、ノアがその先頭に立っていた。我が家にお客があるとクロを先頭に3匹とも二階に逃げ込むが、しばらくしてこっそり様子を見に来るのはノア。こんな時は、男の子として頼りにされるらしい。
上目遣いでしか人を見なかったが、だいぶましになった。食べ物には相変わらず意地汚い。ハナとノアを見比べて感じる育ちの違いの重さ。人も猫も、氏より育ちか。
2011年5月29日死去。
世界一可愛い三毛の華子

1994年3月14日に誕生したクロの娘。庭にもほとんど出たことのない、まさに苦労知らずの家付き箱入り娘。いまだにクロ母ちゃんにしがみついて甘えている。いつまでも子猫のような雰囲気をただよわせている。彼女にとって世界は我が家だけ。この世界では自分のわがままが何でも聞いてもらえる。食べ物も、「ゴハーン」といえば出てくる。自分の分が野亜に食べられても、争うことはない。また、おねだりすればよいのだ。
ハナの目の前で、「鏡よ鏡。世界で一番かわいい猫は誰。それはハナ」といってやると、「ニャーン」(当たり前です)と返事をする。「上品」を固めて形にしたような猫です。
2015年3月28日未明に病没。21歳と2週間であった。
世界一賢い宇宙猫クロ

家族

クロ

華子(はな) 野亜(のあ)