2007年度 専門演習3


【研究テーマ】

環境問題にどう取り組むか

【演習概要】

環境問題に関心を持つ人は多い。
多くの人々が興味を持ち、勉強し、警告を発し、行動しているにも関わらず、
問題は解決せず状況がさらに悪化しているように見えるのはなぜだろうか。

環境問題を語るのは簡単だ。
警告を発するのも簡単だ。
だが有効な取り組みを考え出すのは容易ではない。
ともすれば、どうすることもできないという虚無におちいることになる。

いま、なにが問題で、なにができるのか。調べ、考え、伝え、話し合う。
それがこのゼミの目的だ。

担当の巖は環境問題の専門家ではない。答を与えることはできない。
そもそもそんな簡単に「答」が見つかるものではない。
みんなで頭を悩まし、調べ、知恵を出し合い、話し合い、
それで何かが見えてくれば上等だ。

【演習計画】

〈3年次〉
 1. 日々の生活や時事問題からテーマを見つけて短くまとめてみんなに紹介する〈3分間スピーチ〉  2. 新聞記事や本の一節を読んで話し合う〈基礎勉強〉  3. すでに行われているさまざまな取り組みについて調べ議論する〈調査報告〉 以上3つを並行してグループ単位でおこなっていく。加えて、11 月の大学祭で教室展示発表を行うため、早いうちにテーマを決めて取り組みを始める。夏休みにはできれば合宿を行いたい。また大学や地域におけるさまざまなイベント、団体等の行事に積極的に参加して、体験を共有しつつ現実と向き合ってもらう。

〈4年次〉
身近にある現実の問題の解決を目指す新しい提案を考え、これを卒業論文としてまとめる。

【ゼミについての巖の考え】

 環境問題をテーマにしたゼミだからといって、環境問題の専門家を養成したいわけではない。この社会で生きていくために必要な技能と姿勢を身につける手助けができればと思っている。2007年度の目標はふたつ。ひとつは、自分で問題を見つけ、資料を調べ考えて解決策を模索する訓練を積むこと。この能力は、仕事でも日々の生活の中でも役に立つ。もうひとつは、就職活動時の面接担当者に「君はゼミでどういうことをやっているの?」と尋ねられたときに、胸を張って答えられるものを持つこと。こちらを実現するためには、1年目から本気で打ち込める課題を見つけてもらわねばならない。

 ゼミに設定された授業時間は週に1回しかないが、ゼミの課題は楽ではないと覚悟してもらいたい。週末も夏休みも関係ない。自分の持てる力を極限までつぎこんで、最高の成果を出してもらいたい。

【参考文献】

遠山益 『人間環境学』 裳華房 2001

石弘之『地球環境報告 II』 岩波新書 1998

安井至『市民のための環境学入門』 丸善ライブラリー 1998

今泉みね子『ここが違う、ドイツの環境政策』 白水社 2003

環境省編「環境白書」「循環型社会白書」

ほか適宜紹介する。


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2007. 4. 2.