【評価結果に対する巖の感想】
環境問題と人権ということで、足尾鉱毒事件と四大公害事件を中心にとりあげた講義。今回が初めての授業だったので受講者の評価が気になった。まずまず合格点というところだろうか。
誰もが知っているはずの公害事件をもう一度学ばせるため、個々の事件の細部にこだわって物語性を強調することで退屈させないよう努力した。「3. 授業の内容に興味がもてた。」の76点は、高得点ではないがとりあえず安堵できる。
期末試験の他にレポートを2回課したが、これは授業内容とは少し離れた課題だったので「5. 学生の理解度を測ることに努力していた。」にはあたらない。小テストをしたり疑問質問を受け付ける努力をすべきだったかもしれない。
参考文献は紹介したがテキストは指定せず、プリントも配らなかった。一方、写真やビデオはうまく活用できたと思う。過去の歴史上の出来事という印象を持っているであろう大半の受講者になんとか現実感を持たせるため、いろいろ努力した。とくに水俣病に関するビデオ映像は衝撃的であったようだ。
前期同時限の人権問題IIIの授業では私語がやまず大変消耗したのだが、後期はずいぶんましだったように思う。しゃべっている受講者を見つけるとこちらはしゃべるのをやめてじっとそちらを注視して気付くまで待ったり、しつこい場合には席を移動させて仲間を分離することで対応した。「10. 教室の秩序が保たれていた。」の82点はできすぎのような気がする。
「13. 総合的に判断して、有益な授業であった。」の82点は満足のいくものだが、ただしこれは授業評価に参加してくれたまじめな出席者だけのもの。期末試験では、水俣病の起こった県も原因物質もわからない者が続出した。おそらくろくに出席しなかった者たちであろうが、こういう受講者を出していいはずはなく、出席をとることを考えなければいけないのかもしれない。